U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024 女子 レポート 全員バスケで勝負強さを発揮した鳳学園(石川県)が全勝で初優勝
【©U18日清食品リーグ】
11月の龍谷富山(富山県)戦と県立足羽(福井県)戦でも全員が揃ったわけではありませんでした。キャプテンを務める下地李采選手は、「スケジュールが決まった時点で、主力が抜けるタイミングがあることは分かっていました」と話します。「でも、誰かが抜けても違う選手が入って、いつも通りのプレーをするのが大事だとみんなで話し合いました。ケガやファウルトラブルで主力がプレーできないことはいつでも起こります。それを理由に負けるチームになりたくありませんでした」
オニニエチグレイス選手の不在で残る選手たちが意識したのは、得点よりもディフェンスとリバウンドです。下地キャプテンは「いつも留学生に支えてもらっている部分こそ全員でやろうと話し合い、『取れなくてもリバウンドには絶対行く』と試合前に声を掛けました」と言います。
【©U18日清食品リーグ】
鵬学園らしいバスケは留学生不在でも健在でした。下地キャプテンはこう話します。「自分たちの強みは後半の粘り強さだと思っています。留学生がいなくて前半にリズムがつかめなくても、粘り強いディフェンスから流れを持ってきて、後半に突き放すゲームができました。その部分はチームとしての武器であり、成長した部分です」
12月7日の東海大学付属諏訪(長野県)、翌8日の県立新潟中央(新潟県)とも、序盤は必死に戦う相手のペースに巻き込まれる時間帯がありましたが、試合が進むにつれて自分たちの流れを作り出し、結果として2試合とも大差での勝利を収めたことで、自信を深める大会となりました。
【©U18日清食品リーグ】
「苦しい試合になりますし、思うようには勝てませんが、そこで人任せにならずに自分の力を発揮できれば、県内では得られない自信を得られます。ここで得られる自信は、県内の公式戦や練習試合をどれだけやっても得られない貴重なものです」
同じく県立新潟中央の関川哲平ヘッドコーチも「全国レベルのチームはアジャスト力がとても高いです」と、この大会での学びを語ります。「必死に食らい付くことで前半は良い戦いができても、後半はそのリズムに対応されてしまう。練習でやってきた個々の持ち味、チームとしてのカラーを出せたのは収穫ですが、アジャスト力はまだまだ足りません。それを公式戦で実際に体感できたことを、次に繋げたいと思います」
【©U18日清食品リーグ】
彼は滋賀県の綾羽高校に通っていますが、福井県出身のため福井県バスケットボール協会審判部に所属しており、審判を務める時は福井県に戻って来ます。その福井県での「U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024」開催とあって、彼も審判を担当しました。中川さんは肩の脱臼で手術を繰り返したことで、選手としてのプレーをあきらめることに。それでも「ずっとバスケにかかわっていたい!」との一心で審判をやることにしました。
「U18日清食品トップリーグ2024」では試合前に選手紹介があり、そこでは審判も紹介されます。今回の県立足羽での試合は、県立足羽の部員が体育館の音響設備を使って試合前の選手紹介を行っており、そこでは審判もアナウンスされます。「試合開始前で気は抜けませんが、あのように名前を呼んでもらえると気分が上がります。プレーヤーではなくても、こうやってコートに立てるのが僕にとっては一番うれしいことです」
選手以外にも競技にかかわる方法はあります。中川さんは「選手を続けられなくなってもバスケに接していられることを、僕が示せたら」と言います。「U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024」の試合を担当しながら中川さんは、同世代のプレーヤーと自分がそれぞれの道で切磋琢磨する姿を見せていきます。
【©U18日清食品リーグ】
U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024 女子 順位表
2位 3勝1敗 県立足羽(福井県)
3位 2勝2敗 県立新潟中央(新潟県)
4位 1勝3敗 東海大学付属諏訪(長野県)
5位 0勝4敗 龍谷富山(富山県)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ