U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024 女子 レポート 田中愛来と田中愛実「後輩に自分たちの良い背中を見せられるように」県立新潟中央(新潟県)
【©U18日清食品リーグ】
ウインターカップ予選を突破できなかった県立新潟中央の3年生にとって、12月8日の鵬学園戦が最後の試合となりました。関川哲平ヘッドコーチは下級生主体で戦うのではなく、今まで通り3年生をコートに送り出した意図をこう説明します。「県で優勝したのは10大会ぶりで、それは3年生中心で勝ち取ったものです。一つの締めくくりではないですが、彼女たちは受験もある中でこの時期まで部に残って、ここを最後の試合にしようと一生懸命やってくれました。その気持ちに対する感謝の気持ちです」
ウインターカップ予選で敗れた後、3年生が集まってチームミーティングを開き、そこで「U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024」を最後まで戦うことが満場一致で決まったそうです。キャプテンの田中愛来選手は「私たちが最後まで試合に出ることで、ベンチに入れなくなる下級生も出てしまいますが、後輩に自分たちの良い背中を見せられるように、責任を持ってプレーしようと決めました」と明かしてくれました。
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鵬学園は留学生プレーヤーのヌドゥブエゼ オニニエチグレイス選手を受験で欠いていましたが、それでも個々の能力は非常に高く、県立新潟中央に勝てば全勝優勝が決まるとあって士気盛んでした。ただ、この試合に懸ける思いは県立新潟中央も負けてはいません。愛来キャプテンは「このチームのみんなとの最後の試合だったので、悔いの残るバスケで終わらないように、とにかく全力を尽くそうと声を掛け合ってコートに立ちました」と言います。
愛実選手はこう話します。「自分たちがゲームを作る、そうしないと負けるという気持ちでした。昨日(県立足羽戦)は攻めずに悪い試合になってしまったので、今日は自分たちがドライブで崩して、みんながシュートを打てるように。私自身もこれまで練習してきたシュートを自信を持って打つことだけを意識していました」
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ただ、前半の終わりから鵬学園は県立新潟中央のスピーディーなバスケにアジャストします。関川ヘッドコーチが「バスケの試合はアジャストの勝負で、ウチも立ち上がりは良いバスケをしていましたが、鵬学園がこちらのバスケに上手く対応してきた時に、こちらも対応することができませんでした」と試合後に振り返ったように、ペイントエリアを固める県立新潟中央のディフェンスを鵬学園が3ポイントシュートで攻略するようになった後、流れを引き戻す次の一手がなかなか出せませんでした。
第3クォーターで9-21と突き放されて勝敗は決しましたが、県立新潟中央の選手たちは走ることを止めませんでした。愛実選手が思い切り良く放った3ポイントシュートを沈め、その直後にはドライブからバスケット・カウントをもぎ取って、チームに再び活力を与えます。最後には愛実選手から愛来選手へとパスが繋がる速攻も決まりました。「阿吽の呼吸みたいなものは、あります」と2人は言います。
最終スコアは47-73。最後まで勝つためにプレーしていた彼女たちの望んだ結果ではありませんでしたが、それぞれが自分の持つすべてをコートで出し、高校バスケ最後の試合を終えました。
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