U18日清食品 九州ブロックリーグ2024 女子 レポート 田中佐季と森昊海「エネルギーを良い方向に持っていく」佐賀北(佐賀県)

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【©U18日清食品リーグ】

佐賀北では例年、インターハイ終了後にキャプテンが3年生から2年生に引き継がれます。しかし、今年はウインターカップ予選が9月に前倒しとなったため、3年生の田中佐季選手がそれまではキャプテンを務め、10月から2年生の森昊海選手が新たにキャプテンに就任しました。

チームの投票で新キャプテンに決まった時、森選手は「田中さんが自分からエネルギーを出してチームを引っ張っていて、私は盛り上げていくタイプではないので、最初は『自分で大丈夫かな』と思いました」と明かします。

「自分が盛り上げるのが好きだから、楽しく元気があるチームに」という田中選手のやり方に対し、森選手は「私は真面目すぎるところがあるので、盛り上げるのはあまり向いていないかも」と言いつつ、自分の真面目さや粘り強さを生かしたキャプテンの姿を模索しています。

そんな新キャプテンの森選手に田中選手は「私もキャプテンになってすぐは何をやったらいいか分からなかったけど、分からないなりに頑張っているうちに慣れてくるから、そうなった時に自分の目指すキャプテンになっていけば大丈夫」と森選手にアドバイスを送ります。

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その佐賀北は「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」で苦戦が続いていました。試合内容は良いものの、長崎西(長崎県)には2点差、県立石川(沖縄県)には4点差、明豊(大分県)には5点差と接戦を落としており、田中選手は「頑張って良い戦いができているのに負ける、という試合が続くと落ち込みます」と振り返ります。

12月1日、最終戦となったれいめい(鹿児島県)戦では、立ち上がりから相手のオールコートプレスに出鼻をくじかれ、劣勢を強いられます。第1クォーター残り2分、10-19とビハインドの場面で投入されて試合の流れを変えたのが、新キャプテンの森選手でした。ポイントガードの彼女はれいめいの激しいプレッシャーをスピードでかわし、テンポ良くパスをさばいてオフェンスを立て直します。これで一気に流れは佐賀北に傾き、11-2のランで同点に追い付きました。

田中選手は「ボール運びのところでミスが多くて相手のペースになっていたところで、森選手が入ってきたらオフェンスもディフェンスもガラリと変わって全然違う展開になりました」と新キャプテンの働きを称えます。森選手は「シックスマンとして入って、一番最初に良いプレーで流れを変えることを意識しています」と言います。

【©U18日清食品リーグ】

それでも、れいめいの堅固なディフェンスをなかなか崩せず、競った展開のまま試合は終盤へ。接戦を落とし続けてきた佐賀北にとってはプレッシャーの掛かる場面でしたが、最後の最後で奮起したのは田中選手でした。2度に渡ってオフェンスリバウンドを奪取し、最後はゴール下を攻めてファウルをもぎ取ります。1点ビハインドの場面から、田中選手がフリースローを2本決めて58-57と逆転。最終戦で自分たちの勝負弱さを払拭し、見事な勝利を収めました。

新旧キャプテンが要所で大きな働きを見せた勝利で、佐賀北は2勝5敗で「U18日清食品 九州ブロックリーグ2024」を終えました。「すごく大変な試合でしたが、この接戦を最後まで集中を切らさず戦って勝ち切れたことは自信になります」と田中選手はホッとした笑顔を見せました。

そして森選手は、この勝利を弾みにして、チームを勢い付けようと意気込みます。「同級生や後輩に元気の良い選手がいっぱいいて、ベンチでもコートでも盛り上げてくれるので、私はそういうエネルギーを良い方向に持っていって、自分たちのトランジションの強みを生かすバスケをやりたいです。そうやって見ている人たちに応援してもらえるチームを目指します」
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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