【大学バスケ】 覚悟を持って臨む。選手・スタッフとチーム一丸でインカレへ

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「12月15日を笑って終えたい」。チームをコートの外から見守り支える主務・新山岬(危機管理学部4年/東山高)が言う。「リベンジしないといけないチームがある」とコンゴロー・デイビッド(スポーツ科学部4年/報徳学園高)が言う。「4年生を優勝させたい」と3年下地秀一郎(文理学部/北陸高)、新井楽人(危機管理学部/沼津中央高)ら後輩が言う。選手・スタッフがそれぞれの目線で同じ方向「インカレ優勝のために」を過ごした1年。2009年以来の頂点を勝ち取るインカレが始まる。

頂点へTOP4の壁を越える

日大バスケ部の直近の成績は、インカレ4位(2022年)、ベスト8(2023年)、リーグ戦4位(2022年)、3位(2023年)、とTOP4の壁をなかなか越えられていない。
今年8月後半から11月初旬まで22試合に及んだリーグ戦では、米須玲音(文理学部4年/東山高)がアシスト王、コンゴロー・デイビッドがリバウンド王を獲得。チームとしてもアシスト数1位、ファール数最少で4位という成績で終えた。「シュート数が少ないという課題がある。インカレに向けてどこで使命感持てるかが重要」と今年4月に就任した古川貴凡監督が振り返る。
今シーズンはスプリングトーナメント、リーグ戦で個別に目標を設定せず、全ては「インカレ優勝のために」過程としてどう戦うかにフォーカス。良い時も悪い時も1試合ごとにチームでレビューしてきた。実際に昨年インカレ準優勝の東海大はリーグ戦で5位と日大より順位は下だったが「インカレではまったく別物のチームだった」(新山)と、一つの目標に向けて覚悟を決めたチームの強さを実感した。そういった経験がこのチームにあり、日々、試合毎の積み重ね、過程を大事にしてきた。

新山は練習メニューの組み立ても担う(中央) 【日本大学】

監督から4年生に課された役割

インカレを1か月後に控えた11月中旬。古川監督から4年生へ「4年生らしさを出してくれ」とだけ伝えられた1週間があった。その週の最終盤、4年生はコート内でその答えを示す。キャプテン井上水都(経済学部4年/土浦日大高)は他を寄せ付けないハードワーク、米須は圧倒的なプレーを見せ、強烈に4年生の強さを表した。「あまり語りはしないですけど、言われたことを考えて表現する4年生」と古川監督。その練習で3年生の新井楽人(文理学部/沼津中央高)は「4年生の覚悟が見えた」という。インカレに向け、再びスイッチを入れてチームが動き出した瞬間だった。

井上キャプテン(左)と古川監督(右)。古川監督は日大豊山高校で35年の指導歴。 【日本大学】

1年時から試合に出ている選手が多い4年生。米須、井上をはじめチームの柱であるコンゴロー・デイビッドもその一人。コンゴローはラストシーズンになり、後輩留学生・ボロンボムヘカグラシアブラ(スポーツ科学部2年・八女学院高)にリーグ戦からコミュニケーションを多く取り、アドバイスを伝えている。「チームから信頼されるようになってほしい」(コンゴロー)。卒業後もバスケットを続けたいコンゴローだが、自分だけではなくチームのために行動してきた。そんな4年生を見て後輩の下地、新井、山田哲汰(文理学部2年/白樺学園高)は「本当にお世話になっているので恩返しがしたい。優勝させたい」と口を揃える。勝ちたい、勝たせたいというそれぞれ思いは学年の垣根を越えて、同じ頂きに向かっている。

インカレの決勝は12月15日。日大バスケ部の伝統「堅守速攻」だ。「シンプルなことをどこまで強烈に出せるかが大切」と井上キャプテン。ファイナルの舞台を笑って終えるために。コート内外それぞれの役割に徹するチームマンが集まる日大バスケ部。「インカレ優勝」のラストピースを掴む戦いに挑む。

【日本大学】

<コメント>

キャプテン 井上水都
4年がかなり多く試合に出ていたので、負けたら4年生の責任だ、と感じていて、その中でも下級生が成長してくれているリーグ戦だった。新井、山田など昨年もプレータイムはもらっていましたが、3年生以下が精一杯できるような環境づくりができているのかな、感じています。
どの強いチームも1年通してやってきたことをインカレで出せている。うちの強みはハードにディフェンスして、そこから速攻で得点につなげる、というシンプルなこと。それをどこまで強烈にチームの強みとして出せるかが大切で、初戦の試合始まってすぐに出せるかどうかが勢いをつけるためにもインカレでは大事だと思っています。

【日本大学】

PG 米須玲音
新チームで春のトーナメントの前にみんなで共有したことが「インカレ優勝のために」を目標としてどんどん右上がりでいこう、という話でした。
自分たちのスタイルはディフェンスしてそこから走る「ディフェンスからの速攻」をまずやり切る。積み重ねてリーグ戦4位だったので、もう一段階あと一歩を積み重ねれば完成すると思っています
この4年間でケガなど苦しみの中でがんばってきて、ラストシーズンでインカレの舞台に立てることもはうれしくもあるので、個人としてもチームとしていい結果を残せるように最高な形で終えられるようにがんばりたいと思います。

【日本大学】

C コンゴロー・デイビット
リベンジしないといけないチームがある。1年生のときにインカレで負けた筑波大とか、日体大も今年1回も勝ってない。そのとき自分はケガでいなかった。いいチームだし4年生たちと勝ちたい気持ちが強い。決勝まで行けたらさらにいいパフォーマンスが出せると思うし、優勝できると思う。

【日本大学】

主務 新山 岬
このシーズンが始まったときから「インカレ優勝」を掲げて、スプリングトーナメントで優勝しようが、リーグ戦で優勝しようがそれは過程の中で、最後にインカレを獲るというのが最初から口を揃えて言っていることので、チームの目標であり、マネージャーの立場としては自分たちが卒業しても日大バスケ部は来年も再来年も続いていくので、各学年に出場機会や役割、勝利を目指すのと、大学生としてのバランスも必要だと考えています。

最後に勝ちたいと強く思った方が勝ち、だと思っています。インカレへ向けて最初の練習で言ったのは「覚悟を持ってインカレに臨もう」という話をしました。昨年インカレで準優勝した東海大はリーグ戦とインカレではまったく別物のチームになっていた。覚悟の大きさだと感じました。目標がここっていう一つのときの方が強いと思うので、力を結束することが必要だと思います。

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PG 下地 秀一郎
新チームが始まった4月からの積み重ねが大詰めで、雰囲気もよくなっていると思います。今年は大会ごとではなく「インカレ優勝」を目標にして、試合毎に課題をホワイトボードに書いて、リーグ戦でも1試合ごとにそういう積み重ねをやってきた。
自分は3年生でPGというポジションもあって4年生がチームを引っ張ってくれている中、チームを盛り上げる雰囲気だったり、下級生とコミュニケーションを取っていきたい。
チーム一丸となって完成度高めて、4年生に本当にお世話になっているので、最後優勝できるようにしたいです。


PG 山田哲汰
昨年のインカレはチームの貢献できたかというとそうではなくて、その分今年は4年生を優勝させるためにという思いがあります。普段の練習からチームの完成度も上がっている分、全員の緊張感も高まっているので、自分ができる役割を全うしたい。自分は下級生でプレータイムをもらっているので、ミスを恐れずチームに勢いを与えることを求められていると思うので、自分がミスしても4年生が支えてくれるんだと思って、思い切っていきたい。
4年生にお世話になっている分、結果で恩返しできるようにサポートしていきたいです。

山田哲汰(左)と下地秀一郎(右) 【日本大学】

SF 新井 楽人
リーグ戦後、少し緩んでた部分があったと思うが、4年生の覚悟が見える練習があって、インカレは4年生の大会だと感じています。
リーグ戦は4位だったが、練習で課題を克服したら優勝できると確信しています。個人として成長できたリー戦で、リーグの最初はシュートの精度がそこまでだったが、練習でシュート量を増やして、後半になるにつれて3Pが自分の得点源になってきた。
3年間、本当にお世話になった4年生にいい思いをしてもらいたい。優勝させたいの一言に尽きます。

【日本大学】

古川貴凡監督
決められたことをきちんとやる選手が多い。自分にベクトル向けている。そういうチームは決められたことが出来る試合は強い。
3位、4位という結果が続いているので、自分のやるべきことを自覚して表現できればいい形になる。努力と忍耐力がある選手たちなので、使命感をどこで持てるか。度胸を据えて全てを勝ちにいくために。それをどう表現するのか、例えば先週はチームとしてまとまっていくために「4年生はチームにとってプレー面も生活面でも欠かせない。それを伝えていってほしい。4年生らしく持っているものを出してくれ」と伝えた。そこで週の最終盤に後輩に一切プレーさせないような強烈なプレー。米須はプレーで、井上はハードワークしてディフェンスを見せていた。下級生は「この人たち本当に強いんだな」と思わせることができたのでは。
日大バスケ部の伝統は「堅守速攻」、昔と変わらないです。大学最後の大会の過ごし方はやることをやろう、という空気。リーグ戦とは全然違う。プロになりたい選手もいるので、チーム+個人の思い入れで深みがある今の選手だと思います。

日本大学レッドシャークスの初戦は明日、12月5日13時30分より横浜武道館において、日本経済大学と対戦する。


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著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

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