首位発進・大久保柚季はミスを笑い飛ばす大器

チーム・協会

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 『JLPGA新人戦 加賀電子カップ』(賞金総額1,500万円、優勝賞金270万円)が12月4日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,589ヤード/パー72)で開幕。絶好のコンディションに恵まれ、人生一度の大会を出場各選手が熱戦を展開した。4アンダーで首位に立ったのは、大久保柚季、入谷響、荒木優奈。神谷桃歌が1打差の3アンダー、4位につけた。

※本大会は観戦できません。各日の成績は、JLPGAオフィシャルサイトでご確認ください。
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 ビシッとガッツポーズで、締めくくるシナリオ。大久保柚季、最終18番のバーディートライは4メートルだった。しかし、無情にもカップ左端を抜けていく。惜しいパッティングを、「ちょっと強かった」と苦笑しながら、「グリーン脇に、テレビカメラがありましたね。格好よく決めたかったなぁ。そういえば、プレー中も、テレビカメラを意識するとバーディーパットが、なかなか決まらない」と、悔しさがにじむ。

 とはいえ、第1日は5バーディー、1ボギーと内容は上々である。「同組の前田さん、神谷(奈恵)さんとは仲がいい。おかげさまで本当に楽しくプレーができた。ありがとうございます」。同伴競技者を立てるあたり、好感度が上がる。特技はミスを笑い話に変えてしまうことだ。

 「3番で下り1メートルのパーセーブに失敗。しかも、ボールがカップ1周して、私の方向に戻ってきた。悔しいよりも、笑ってしまって…」と、この明るさが悪い流れを呼ばない武器にしている。さらに、好調の秘密を、「昨晩の熟睡でしょう」とも。振り返れば、試練の11月だった。待望の最終プロテスト合格。4回目の挑戦が結実した。「試合の週は毎晩、睡眠時間が4時間ぐらい。しかも、すぐに目が覚める。しかも、フラッシュバックではないけど、ゴルフの夢を見て、ハッとして…」と、遠くを見る目で漏らした。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 この日、思い切り、プレーを楽しんだのはそんな経緯があればこそ、だ。そうはいっても、緊張がMaxに達したのは、何とスタートの1番。というのも、こんな理由があった。

 「最終プロテスト合格した後、すぐにアンケートを配布された。最後の自己PR欄に、フェアウェイキープ率、と書き込んだ」といい、「確かに、私の長所はフェアウェイキープ。でも、あとからよく考えると、これからの試合で、特に皆さんが注目してくださるのがスタートホール。その時、もし打球が左右、どちらかに曲がったら、エーッとなるでしょう。というわけで、きょうの1番、すごく緊張した」と、葛藤を明かした。

 心配のタネの第1打は上々の手応え。第2打でピン6メートルにつけ、バーディー発進を決めている。気を良くしたからなのだろう。特技を教えてくれた。「記憶力」。学生時代、得意の学科は社会だった。「すぐに覚えられる。一番は歴史だけど、地理も得意科目。だから、ホールバイホールをスラスラといえます。同伴競技者の分も…」と、話した。

 姉・咲季はJLPGAティーチングプロフェッショナル会員。妹も指導中だ。テクニックはもちろん。ゴルフ脳でも勝負する。(青木 政司)
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