<国内男子ゴルフ>ジャパンゴルフツアー表彰式で“拓実ママ”大活躍。広島県人・倉本も金谷を祝福

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
チーム・協会

【金谷ママ降臨】

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「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で今季男子ゴルフの全日程を終了した。

まだ余韻を残した翌2日月曜日、都内のANAインターコンチネンタルホテル東京で、今季のレギュラー&ABEMAツアーの賞金1位者などの特別賞と、9つの部門別ランキング1位者を表彰する「ジャパンゴルフツアー表彰式」を行った。

逆転の賞金王は、そのほか「最優秀選手賞」と「メルセデス・ベンツトータルポイントランキング賞」「平均ストローク賞」「パーキープ率賞」「パーオン率賞」「トータルドライビング賞」の主要7部門を独占したが、初戴冠したその夜に、米二部ツアーのセカンドステージに向け発ち不在。

ビデオレターで欠席を詫びた金谷拓実(かなや・たくみ)のかわりに登壇したのはお母さんの美也子さんだ。

「こんな大勢の方の前でとは…。恥ずかしかった。大丈夫だったかしら」と、不安そうにされたが息子さんの代わりにマイクを持った受賞のご挨拶も完璧だった。

主催のJGTOが“代打”のオファーをしたのは、まだレース真っただ中の先週金曜日。

賞金王は決定していなかったが、他6部門の受賞はほぼ確定で、息子さんの代わりにトロフィーの授与をお願いしていた。

愛犬のお世話もあり、当初は予定されていなかったそうだが、せっかくなら、と1日早めて地元広島から上京してくださり、日曜日の逆転賞金王を観戦。

「去年も悔しい思いをしていたようなので、息子は獲りたかったと思いますが、私は獲れなければそれでもいい、と思っていたんですよ」と、言いながら、タオル地のハンカチにはたっぷり涙がしみ込んだ。

お母さんがガンの告知を受けたのは22年。金谷が世界進出をかけて海外を飛び回っていた年だ。

心配をかけまいと最初は黙っていたそうだが、さすがにと、その年夏に息子が帰省した際に報告された。

表情にも特に変化のなかった息子がその翌年に、JGTO主催の「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でアマプロ通算4勝目を飾ったVスピーチで、お母さんへの思いを涙ながらに語っていたのにはテレビで見て驚いた。

「ほんとにね、用事以外は話さないし、めったに連絡してこない子なんですけれど…」と、お母さんは苦笑をするが、闘病中の23年に、応援に駆け付けた「ミズノオープン」で3位で負けた際には、「せっかく来てくれたのに優勝を見せてあげられなくてごめん」と、すぐラインをくれた。

「まだ目の前で息子の優勝を見たことがない」という。
今年は、2年連続で駆け付けた11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で好機を迎えたが、最終日をトップで出ながら「72」と伸ばせず10位タイ。
本人も相当悔しかったようで「本当に、良い報告がしたいですね」と、終盤戦でも言っていた。

今まで貯めに貯めて来た分、目の前で決めた逆転の賞金王こそ、何よりの親孝行になった。さらにその翌日の、部門別表彰の式典では何度も席を立ち、息子の代わりに表彰を受けること7回。

【ベンツも代わりに受け取りました!】

「びっくりしましたけど、嬉しいです」とお母さん。
生涯忘れられない2日間になった。

「あんまり家にも帰ってこないし、昨日もほとんどしゃべらずにアメリカに行っちゃいました」とお母さんは苦笑をされたが、近ごろはよく「隙あらば帰省したい」と、口にするようになったのは、お母さんの顔を見に帰るためである。

「昔から優しくてわがままも言わない子でしたが、ゴルフとなるとほんとにまっすぐでした」と、お母さん。

コースに出るとたちまち一心不乱は、お母さんにも昔とまったく変わらなく見える。

広島県出身者の賞金王は史上初の快挙だ。

30勝の永久シード選手でJGTO副会長の倉本昌弘(くらもと・まさひろ)も同県出身。
金谷とは、高校時代から交流があったそうだ。

「去年も悔しい思いをしているし、やっと獲れたのは、非常におめでたいこと。常に世界を意識しながら戦う中で、花開いた」と式典会場で目を細めると共に「1回ではなく、2回3回とまた獲って、世界でも活躍する選手になって欲しい」と、期待をこめた。

【アメリカでも頑張って©JGTOimages】


⛳2024年ジャパンゴルフツアー表彰式受賞者一覧
・最優秀選手賞 金谷拓実(初受賞)
・賞金ランキング賞 金谷拓実(初受賞)
・メルセデス・ベンツトータルポイントランキング賞 金谷拓実(初受賞)
・最優秀新人賞 島田トロフィー 平田憲聖(初受賞)
・ABEMAツアー賞金ランキング賞 山田大晟(初受賞)
・平均ストローク賞 金谷拓実(初受賞)
・平均パット賞 清水大成(初受賞)
・パーキープ率賞 金谷拓実(2季連続3回目)
・パーオン率賞 金谷拓実(初受賞)
・バーディ率賞 清水大成(初受賞)
・イーグル率賞 幡地隆寛(初受賞)
・ドライビングディスタンス賞 河本力(3季連続3回目)
・フェアウェイキープ率賞 稲森佑貴(9季連続9回目)
・サンドセーブ率賞 平本世中(初受賞)
・トータルドライビング賞 金谷拓実(2季連続2回目)
・ゴルフ記者賞 平田憲聖(初受賞)
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