U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024 女子 レポート 安積美月と中井里桜菜「失点を抑えることで自分たちの流れに」奈良文化(奈良県)

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【©U18日清食品リーグ】

奈良文化は激しく粘り強いディフェンスから速い攻めで3ポイントシュートに持ち込むバスケを持ち味としています。11月23日に行われた県立草津東(滋賀県)戦は、そのスタイルがよく表現された試合となりました。立ち上がりから堅守から攻めに転じての3ポイントシュートで良いチャンスを次々と作ります。

ただし、この日はフリーで放つシュートがことごとくリングに嫌われます。両チームとも決め手がないまま、第3クォーターを終えて34-35と超ロースコアの展開に。川崎弘策ヘッドコーチは「いきなり流れが来ることはないので、いつものシュートを1本ずつ狙っていけばいいのに、リバウンドもシュートも慌ててしまいました。崩せてはいたので、もう少しシュートが落ち着いて打てていれば」と、この試合展開を振り返ります。

しかし、思い通りにいかない試合でも奈良文化の選手たちは集中を切らすことなく、ディフェンスとリバウンドに力を注ぎ続けました。結果、終盤に粘る県立草津東を突き放して51-45の勝利を収めました。

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この試合、奈良文化ではスタメンに名を連ねた2人の1年生が奮闘していました。スピードとテクニックを兼ね備えたポイントガードの安積美月選手と、エネルギッシュに奮闘するフォワードの中井里桜菜選手です。中井選手は「美月がチャンスを作ってくれるので、私は楽にシュートが打てます」と、安積選手は「ポイントガードからしてフォワードが思い切り良く攻めてくれるのはうれしいし、シュート力もある里桜菜は頼りになります」と、お互いへの信頼を語ります。

安積選手はポイントガードにコンバートされたばかりで、重い展開が続く中で落ち着いてプレーメークができなかったと反省していましたが、中井選手は「いつもは美月のドライブから周りの選手が3ポイントシュートを打つのですが、今日はみんなのシュートが入らなかったので美月も調子がつかめなかったと思います」と擁護し、「美月はポイントガードをやるようになって、自分が声を出すのが苦手だと意識しているのに、頑張って自分から声を出すようにどんどん変わってきています」その頑張りを称えます。

それでも、安積選手は「この大会ではずっとそうなのですが、焦ってしまいチームを上手くコントロールできませんでした」と話します。チームとして激しく戦う中でも、ポイントガードは常に冷静に周りの状況を見て、正しい判断をしなければいけないと安積選手は考えています。「ガードとして声も出さないといけません。1対1の判断もパスの判断も、もっと落ち着いてできたらいいなと思います。やっぱり緊張するし、焦りもします。でも試合だからやらなきゃあかんから、そこは自分でテンションを上げて頑張っています」

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中井選手は「私は滋賀県出身なので、滋賀のチームには絶対負けたくて朝から気合いが入っていました。それで泥臭いディフェンスとリバウンドに集中すぎて、オフェンスが全然できませんでした」と笑顔で釈明しますが、「でも、奈良文化はディフェンスのチームです。まずは失点を抑えることで自分たちの流れになります」と、一番やるべきことができていた手応えを感じていました。

課題を抱えながらも、集中して戦い続けたことが勝ちに繋がりました。そうやって課題に向き合いながら「U18日清食品 近畿ブロックリーグ2024」の試合をこなすことで、1年生の2人は数多くの成功と失敗を経験し、プレーヤーとして急成長しています。2人にはこんな覚悟がありました。「3年生が16人いるチームで私たち1年生の2人がスタメンで出させてもらっているので、みんなの分の気持ちを背負っています」

この翌日、最終戦となった和歌山信愛(和歌山県)との試合でも失点を57に抑えて勝利。昨年大会では4位ながら失点の一番少なかった奈良文化は、今年は3位へとステップアップし、失点の少なさでもリーグ2位と、『堅守のチーム』であることを示しています。
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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