悔しさをバネにして年間ランキング⾸位に躍り出た畦元隆成/ひたすらに⾃分と向き合い、戦い続けた1年間

SOFT DARTS PROFESSIONAL TOUR JAPAN
チーム・協会

【©一般社団法人J.D.U All Rights Reserverd.】

プロツアーJAPAN 2024の圧倒的の「顔」ともいえる活躍を⾒せ、ただ⼀⼈⾸位を⾛り続けている畦元隆成プロ。昨年、SUPER DARTS 2024の出場権をかけた最後のチャンスを⽬前に、夢の舞台へのチケットを惜しくも逃した。その悔しさをバネに、今シーズンのJAPANでは他選⼿を寄せ付けない強さを⾒せている。現在29歳。ダーツのトッププロ選⼿の中では若い畦元プロだが、ダーツ経験は20年以上というベテランだ。

■圧倒的⾶躍の1年、誰も追いつけないぶっちぎりの⾸位を独⾛

圧倒的な強さで、⾸位をひとりひた⾛っている畦元プロ。第15戦終了時点で、2位との差 はまだまだ82ポイントもある。昨シーズンの年間4位という成績から、さらに⼤きな⾶躍を遂げている。

第15戦終了時のJAPAN ランキング。残すところあと3戦だが、82ポイント差は⼤きな武器だ。 【©一般社団法人J.D.U All Rights Reserverd.】

-まずは、今シーズンのJAPAN での好成績について、率直に現在の気持ちを訊かせてください。
正直に⾔うと、あまりそこはなんか気にしてはしないように挑んでるんですけど…。やっぱり周りのダーツ関係者からも声はかけられますし、メディアやお店のイベントなんかでも「現在1位の畦元隆成」みたいに⾔われるようになって、意識してしまう部分ではあります。でも今の調⼦というか、あんまり気にしないように…⾃分のスタンスを維持して頑張りたいという気持ちです。

-昨年秋のインタビューでは、JAPAN 優勝経験から⽣まれた注⽬に「緊張したり、プレッシャーは感じている」と仰っていました。⼼境に変化はありましたか?
ちょっと変わりましたね。以前は「⼊れ替え戦負けないように!」っていう意気込みの仕⽅だったのが、優勝し始めたことで成績も安定して…気持ちに余裕を持てるようになったなと。技術的にも安定してきた気がしています。いつもの練習の成果を、試合で100%出しきることができるようになってきました。⾃分に対する不安がなくなってきた感じがします。
昨年公開された「若⼿三銃⼠スペシャルトーク」。JAPAN で優勝することの難しさ、達成感、試合やまわりからのプレッシャーの感じ⽅についても語られています。今年1年間の好調ぶりから、表情に⾃信が⾒られるようになった印象です。
-緊張はされるほうですか? 対策はなにかされていますか。
めちゃめちゃします。ただ緊張するときって、「相⼿の調⼦」を⾒て緊張してたんですよ。ただそれが、ここ1年間は「対戦相⼿は⾃分だ」と思うことによって楽しむというか、どう盛り上げていくか、みたいな考え⽅に変えたんです。「⾃分の気持ち」の持っていき⽅みたいなのが、だんだんできていったみたいな感じでしょうか。やっぱりその決勝とか、たくさんの⽅に注⽬される場⾯に⽴たれる機会が、本当に去年からこうぐんと増えたことも、かなり影響しているなと思います。

-最近の好調ぶりを⾒て周りの⽅々からはどんな反応をもらっているか、ぜひ教えてください。
そうですね…。僕⾃⾝、なんかちょっといいことがあったりすると「や〜やっぱり今1位だからなぁ(ノッてるからなぁ)」みたいに周りに⾔われることはあります。お店で対戦とかしていても、例えばブルにしっかり⼊ったときなんかも「やっぱ1位だからなぁ〜!」っていちいち⾔われます(笑)。

■同世代の仲間の劇的な活躍。くやしさを確かな⼒に

畦元プロには、ともに「令和の若⼿三銃⼠」と呼ばれ、切磋琢磨してきた仲間がいる。同世代の後藤智弥プロ、そして酒井素プロだ。後藤プロは昨シーズンのJAPANで年間優勝。そして酒井プロは、世界⼤会「SUPER DARTS 2024」で準優勝という⼤記録を達成した。ともに注⽬を浴びた同世代の仲間たちの輝かしい活躍を前に、畦元プロはどんな⼼境だったのだろうか。

「SUPER DARTS 2024」の最後の出場枠をかけた試合。QUARTER FINALで敗退し、対戦相⼿である⼭本信博プロをの勝利を称える畦元プロ。⼭本プロは優勝し、「SUPER DARTS 2024」に参戦した。 【© DARTSLIVE Co., Ltd.】

-昨年度、SUPER DARTSの出場枠に関して、とても惜しい場⾯がありました。改めて振り返ってみて、どんな⼼境でしたか?
去年、素(酒井プロ)がSUPER DARTSに⾏く権利を獲得して…。その前にTHE WORLDの枠でね、智弥(後藤プロ)が早かったんですよ、出場決めるのが。やっぱり3⼈で出たいなと思ってたんです。頑張ったんですけど、やっぱり難しくて。周りからの注⽬もあったし、出場枠をかけた最後の試合も勝⼿に⾃分で背負っちゃって。「⾏かなきゃ、やらなきゃ」って気持ちがはやりすぎて、うまく挑めなかったかなと。

-今年のJAPAN での好成績は、その時も気持ちが糧になっている部分はやはりあるのでしょうか?
そうですね。去年思ったのは、「次のシーズンで年間1位になって、SUPER DARTSに出たいな」と。そこに対する思いもありながら、今年はJAPANの試合に臨んでいる部分は強いです。

■8 歳からダーツを初めて、ずっと楽しい⽇々だった

-憧れている選⼿や、お世話になっている選⼿はいらっしゃいますか?
⾃分の師匠が⼤崎裕⼀プロで、やっぱりずっと憧れている⼈です。あとは⼩野恵太プロですね。お⼆⼈とも華があって、パフォーマンスもすごくて。⾃分もそういう感じでやりたいなと思って真似してみるんですけど、やっぱり試合になると集中しちゃって。なかなかうまくいかないもんですね(笑)。

-畦元プロは、ダーツ歴が20年になりますね。改めてダーツを始めたきっかけを教えてください。
ダーツをやっていた⽗の影響で、8歳で始めました。⾃分が⼦どもだったのもあって周りの⼤⼈の⼈たちはみんな優しくしてくれたし、ダーツアイテムをプレゼントしてくれることもありました。そういうのが嬉しくて楽しくて、どんどんのめりこんでいった感じです。今みたいに未成年で⼊れるダーツの投げ場は全然なくて、ゲームセンターに少しあるくらいでしたね。U-22トーナメント出場に向けて、⻑時間練習していたのが20〜21歳頃だったと思います。

2018年開催の「ソフトダーツ U-22トーナメント」に出場し、ベスト8に。この時22歳。すでにJAPANのプロライセンスは取得しており、ここからどんどんプロダーツ選⼿として躍進していきます。 【© DARTSLIVE Co., Ltd.】

-初めたての頃を振り返ると、率直にダーツは楽しかったですか?
めちゃめちゃ楽しかったですね。最初はそんなに⻑時間投げられる環境ではなかったんです。ダーツバーに⼊れる年齢になってからは、通ってたお店のご飯が美味しかったんでまずご飯を⾷べて。全部合わせて数千円で、30分か1時間投げられるか…? くらいだったんです。オーナーさんや、その時お店に来ていたお客さんと⼀緒に投げたりしていました。当時は300円くらいの折り畳みのフライトを使ってて。すぐ壊れるんで、対戦で勝ったら周りに買ってもらってました。対戦で勝つほど⾃分のダーツがどんどんカスタムされていくという(笑)。

-どんどん装備が豪華になっていったということですね(笑)。
そうですね。本格的にハマってからは、「ダーツ投げに⾏きたい!」って親に何度もねだったりして。ただ、そんなに頻繁に⾏けるわけではないので、家にあるダーツボードでずっと練習してました。

-ちなみに以前は、介護の仕事をしながらJAPAN に参戦されていたと伺いました。
ツアーを全戦参加するために、⼀時はダーツバーで働いていたこともあったんです。ただ、夜に仕事をするよりも昼に仕事をしたほうが体調的にもよくて。体調よくないとそもそもダーツ投げられないんで(笑)。昼の時間帯に介護の仕事をしてツアーの参戦資⾦を貯めて、なんとかJAPANに全戦出られるようになった感じでした。

■残り3戦、年間王者という⼤⽬標に向かって

-JAPAN も残り3戦となりました。最終戦までにこういう⾵にやっていきたい、というイメージを訊かせてください。
あんまりランキングを気にせず、このまま1位を突っ⾛れるように、きちんと実⼒を発揮できればいいなと思います。確実に1位を取って、SUPER DARTSに近づきたいです。年間1位、絶対取ります!

- 応援されている⽅々へのメッセージをお願いします。
応援してくださる⽅がいるからこそ、それが⾃分の⼒になっていると思っています。本当に感謝してます。これからプロを⽬指す若い⼦も、⾃分いま若⼿…でもないんですけど(笑)。20代でも、8歳から始めればここまで来られるんだよっていうのを⾒せられているのかなと。逆に、⾃分がいまこうやって活躍できているのも、⾃分が⾒てきた先輩⽅やすごい選⼿の⽅々がいてこそと思ってますし。⾃分もそうやって憧れてもらえるような選⼿でいたいし、若い⽅々にもたくさんダーツをやってもらえたら嬉しいです。

-ちなみに、⾃分より若い選⼿が躍進することについては、率直に…「嬉しい」「嫌」どちらの気持ちでしょうか(笑)。
ダーツをされる若い⽅が増えるのはもう嬉しいです! ただ、試合になると…まぁ嫌ですね(笑)。若い⽅のほうが、ダーツの⾶びもいいし、ビュンビュン⾶ばしてくるので。若いうちって知識が少ない分、怖いものなしで挑めるのが逆に強みになるのかなと思うので。⾃分⾃⾝が若いころから⻑くダーツやっていて、⾃分にもそういう時期があったからこそ実感としてあるんです。だから、対戦するときはちょっと嫌ですね(笑)。
JAPAN の年間優勝、そしてSUPER DARTS出場権獲得まであと⼀歩に迫る畦元プロ。残り3戦の活躍にも、ぜひ注⽬を。
次回プロダーツJAPANは、2025年1⽉18⽇(⼟)に第16戦・⼤阪にて開催。 会場は、ATCホールです。
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著者プロフィール

「SOFT DARTS PROFESSIONAL TOUR JAPAN」はプロ登録選手が参加できる年間を通じたダーツトーナメントです。 我々は、本大会を通じ、ソフトダーツ界全体のさらなる飛躍と、「真のプロ」たる実力を持ったプレイヤーの発掘及び支援を目指して参ります。

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