高橋しずく、4打差逆転でプロ初V飾る

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高橋 しずく 【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第20戦『山口周南レディースカップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が11月9日、山口県周南市・周南カントリー倶楽部(6,558ヤード/パー72)で行われ、プロ2年目の高橋しずくがステップ初優勝を飾った。この日、12位タイからのスタートだったが、68の猛チャージで大逆転。通算3アンダーで混戦を制した。2打差の通算1アンダー、2位タイは吉田弓美子、セキユウティン、山城奈々、吉澤柚月。明治安田ステップ・ランキング1位の権藤可恋は通算1オーバー、7位タイだった。
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 首位と4打差の1オーバー、12位で最終日を迎えた高橋しずく。そう簡単に縮められる差ではないが、秘かに逆転のチャンスがあると考えていた。「コースが難しい分、スコアはそれほど伸びないはず。我慢していれば追いつけるかもしれない」。もともと耐えるゴルフは得意なだけに、パープレーを目指しつつ、ピンの近くに寄ったときはバーディーを奪う作戦で最終日に臨んだ。

 高橋の作戦はいい意味でいきなり裏切られる。1番ホールで2メートルのバーディーパットを沈めると、2番では3メートルを沈めてバーディー。さらに3番ではピンまで残り165ヤードを4番ユーティリティで30センチにつけ、3連続バーディーのロケットスタートを切った。これで一気に首位とは1打差に。「このまま流れに乗って最後までいきたいなと思いました」と、プロ初優勝の確率がグッと上がってきた。

 その後、7番でボギーを叩いたものの、11番でバーディーを奪い、通算2アンダーのまま17番・パー3を迎える。この時点で高橋はすでに首位に並んでいた。しかし、この日はあえてスコアを確認しなかったため、自分が首位にいるとは夢にも思っていなかったという。

 17番はピンまで185ヤードあり、気を抜くとパーセーブもできない難ホール。高橋は3番ユーティリティを抜くと、ピンの上5メートルにつける。バーディーチャンスではあるが、下りのパッティングだけに3パットの危険も十分ある。慎重にストロークすると、ボールはトロトロとカップへ向かって転がっていく。そのままラインから外れることなく、カップの中へ消え、ついに3アンダーで単独首位に立った。

【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 「ひょっとしたらこのバーディーで上位にいけたかなとは思いました」。順位を知ればプレッシャーに襲われることは分かっていた。ところが、18番グリーン上でふいにスコアボードが視界に入ってきた。3アンダーが一番上にあるのが分かった。とうとう自分がトーナメントリーダーだと知ってしまう。10メートルのバーディーパットを打つ直前のことだった。いきなり体中に緊張感が駆け抜ける。となれば開き直るしかない。「何とかタッチを合わせることに集中しよう」と心に決めてストロークすると、ボールはOKの距離に。無事に3アンダーでホールアウト。ただ、最終組の5組前でスタートしていたため、40~50分ほど複雑な気持ちで待たなければならない。高橋にとっては数字以上に長く感じたことだろう。パッティング練習をしたり、同期のプロと会話をしたりすることで、緊張を解き、集中力を高めた。すると、後続の選手がスコアを伸ばすことなく、自分が逃げ切ったという知らせが入ってきた。

 「夢のようですし、心の底からうれしいです」。プロ2年目の24歳は満面の笑顔を見せながら喜んだ。昨年はツアーの雰囲気になかなか慣れず、体調を崩したこともあり、思うような結果を残せなかった。心機一転、オフはトレーニングで体幹を強化。さらにアプローチとパッティングを集中的に練習し、底上げの努力を続けたことがついに実った。

 「この優勝で、クォリファイングトーナメント(QT)のファイナルステージへ行けることになったのが一番うれしいです」。次の目標はもちろん、プロ2勝目だが、今度はJLPGAツアーで達成したい。そのためにも、QTファイナルステージでは上位に入り、来季の出場権をガッチリと獲得するつもりだ。

【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

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