日本一になったベイスターズの来季

note
チーム・協会
【これはnoteに投稿された東横さんによる記事です。】

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

三浦監督や98年V戦士が目指した「ドジャースの戦法」と球団が求めるデータ野球の折り合い

2021年にベイスターズの監督に就任した三浦監督は球団の方針である客観的データやR&D(Research & Development)、AT&SC(Athletic Trainer & Stretching conditioner )を重要視した野球を尊重しながら、98年優勝時の基礎となった近藤昭仁監督時代の「ドジャースの戦法」、所謂、野球通の人が「セオリー」と呼んでいる巨人V9や西武黄金時代、野村野球の基礎となる野球への回帰を目指していました。ラミレス前監督がデータに傾注していたのとは一線を画していました。しかし2021年のコーチングスタッフはラミレス前監督時代を踏襲したものであり、東、平良、田中健二朗といった主力投手がTJ手術の影響で登板できなかったこともあり、最下位に沈みました。2022年には98年V戦士の石井琢朗、齋藤隆、鈴木尚典と後の正捕手・相川亮二がコーチングスタッフに入り、より「ドジャースの戦法」へ三浦監督は傾注していきます。順位としては22年2位、23年3位とAクラスへ復帰したことで、三浦監督の方向性が大きく間違ってはいないと感じる部分もありました。しかしバントの企画数が12球団トップなのに、バントの成功率が12球団唯一の7割台という低さで、相手に無用なアウトを差し出すだけになっていたり、盗塁数が少なかったり、消極的な野球になってしまった面も否めませんでした。

2024年球団はデータ野球を推し進める編成に

2024年の首脳陣にはオフェンスチーフコーチ靏岡、投手チーフコーチ大原というゲームアナリストのプロを攻撃と投手戦略の責任者に置きました。これは球団が70年前に生み出され、MLBでは既に30年前に各チームが作戦に使わなくなった「ドジャース戦法」を軸に置く限り、チームの優勝は望めないと感じての措置でした。NPBの新人最多登板記録を打ち立てた大原はともかく、一軍で24試合の出場しかない靏岡が攻撃のチーフコーチになることに対して一部のファンからは不安視する声もあがりました。しかしパ・リーグで3連覇したオリックスは一軍出場経験がない水本コーチがヘッドコーチとして活躍し、野球経験のない中垣コーチが巡回ヘッドコーチとして機能するなど、コーチの力量と選手時代の実績は比例しないというMLBスタイルが浸透してきています。

日本シリーズでソフトバンクの組織的守備走塁に圧倒的差を感じた

日本シリーズ第1戦、2戦の敗戦はソフトバンクの守備力の高さ、そして走塁能力の高さにベイスターズの選手たちが呆然としていたことも1つの理由になります。梶原のファンブルが物語っていますが、ライト前ヒットを捕球して通常の送球体制に入ろうとしたら、投げようとした塁の更に先にソフトバンクの選手が向かっていて、慌ててのファンブルでした。森敬斗にも言えますが、悪送球の多くは通常のノックなどでの守備練習で想定のない走者が視界に入って、瞬時の送球先を判断し、捕球から即送球しなければいけないところでの迷いが悪送球を生みます。逆に言えば、ベイスターズの走者は保守的で1つ前の塁を目指してアウトになるよりも、手前でストップしてアウトを増やさないことで思考停止しているように見えます。2024年は走塁アナリストの佐竹氏が入団して盗塁数が33から96に約3倍になりました。ソフトバンクの積極的走塁はリスクを冒してでも1つ先の塁を奪い、1点でも多くとる野球です。その部分にベイスターズ守備陣は翻弄された訳ですから、盗塁以外の走塁面でも積極的な策を取るべきでしょう。

新しいコーチングスタッフで選手層が厚く守備走塁で負けないチームへ

2025年に向けてコーチングスタッフも変更が出てくるようです。ラミレス監督就任時にベイスターズに入団し、2020年まで三塁コーチャーを務めた上田佳範コーチの復帰は、データによる外野守備シフト、走塁戦略での面でベイスターズを一つ上のステージに導くことでしょう。また石井琢朗コーチが育成コーチもしくは二軍コーチへ転じて、広島、ヤクルトで猛練習を一緒に課した河田コーチもそこへ加わることとなりました。酷暑等で1人の選手が1年間レギュラーを守ることは難しく、主力も含めた誰かがケガをしたときに代わりが務まる選手と主力との差を縮めるために、二軍選手の底上げが必要です。また長距離砲をサポートできるコーチとして村田修一コーチがベイスターズに戻ってきます。27年ぶりリーグ優勝を目指す来季も楽しみな布陣になりそうです。

※リンク先は外部サイトの場合があります

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

メディアプラットフォーム「note」に投稿されたスポーツに関する記事を配信しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント