奮闘24H-竹田麗央 待望の米切符獲得

チーム・協会

【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 全米女子プロゴルフ協会公式戦『TOTO ジャパンクラシック』(賞金総額200万ドル、優勝賞金30万ドル)大会最終日が11月3日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6,616ヤード/パー72)で行われた。通算15アンダーの竹田麗央とマリナ・アレックスがプレーオフへ。6ホール目で竹田がバーディーを奪い決着。今季ツアー8勝目を飾った。
(天候:晴れ 気温:21.4℃ 風速:2.6m/s)
《グリーン=スティンプ:10.8フィート コンパクション:22.5mm》

 マスターズGCレディースで予選落ちを喫した際に見せた竹田麗央の悔し涙が、わずか2週後に歓喜の表情へと変わった。マリナ・アレックスとの6ホールに及ぶプレーオフ。ともにプレーオフは初体験だったが、一歩も引かぬ好勝負が続く。結果的に6ホール目で竹田がバーディーを奪い、本戦を含めて24ホールの長丁場に終止符を打った。

 「6ホール目が最後と聞いていたので、入れるしかないと思って打ちました」。その舞台となった18番・パー5。1.2mのバーディーパットは距離が短いものの、夕闇が迫ったことでラインを読みにくいだけでなく、スパイク跡でグリーンが荒れ、ボールが跳ねる状態だった。決して簡単なパッティングではない。先にバーディーパットをアレックスが外していたため、沈めれば優勝が決まる。慎重にストロークすると、ボールはカップの中へと静かに消えていった。それを見届けると同時に両手を挙げてバンザイポーズをとった竹田。これまでは優勝しても帽子のひさしに右手を添えて会釈をするだけで、カメラマン泣かせだったが、今回に限ってはいろんな喜びが交錯し、うれしさのあまり感情を抑え切れなかった。

 「15番ホールを終えた時点で3打離されましたが、最後まであきらめずにプレーしたことがよかったんだと思います」。アレックスのゴルフに隙がなかっただけに、竹田自身、首位に追いつくことは難しいと考えた。しかし、16番・パー5で2オンに成功してイーグルを奪い1打差に迫ると、最終18番・パー5でも2オンに成功。2パットでバーディーを奪い、ついにアレックスに追いついた。

【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 「今週はドライバーと3番ウッドの調子がよく、最後まで自信を持って振り抜けたことが良かったと思います」。ある意味、竹田のゴルフにとって生命線の2本でもあるが、この2本の調子がよければ、自分が持つポテンシャルを十二分に発揮できる。この日は4つあるパー5で1イーグル、3バーディーだったが、通算15アンダーのうち9アンダーをパー5で稼いだ。

 今季8勝目を飾り、年間女王に向けて優位な位置に立ったが、同時に米女子ツアーの出場権も獲得。しかも2年シードとなれば、今年の12月に同ツアーのQシリーズ最終予選にエントリーしていた竹田にとってビッグボーナスとなる。「1月末から参戦すると、シーズンオフは短くなりますが、そこに向けて調整したいです。まずは、1年間ケガなくプレーすることが目標です」。ひと足早く米女子ツアー1勝を挙げた形になるが、本当の戦いは来季から始まる。ただ、今大会でドライバーの飛距離などポテンシャルの高さを改めて証明したことは間違いない。来シーズンは海外メジャーの場で竹田らしい爆発力をアピールしてくれるはずだ。(山西 英希)
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