奮闘24H-竹田麗央 待望の米切符獲得
【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】
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《グリーン=スティンプ:10.8フィート コンパクション:22.5mm》
マスターズGCレディースで予選落ちを喫した際に見せた竹田麗央の悔し涙が、わずか2週後に歓喜の表情へと変わった。マリナ・アレックスとの6ホールに及ぶプレーオフ。ともにプレーオフは初体験だったが、一歩も引かぬ好勝負が続く。結果的に6ホール目で竹田がバーディーを奪い、本戦を含めて24ホールの長丁場に終止符を打った。
「6ホール目が最後と聞いていたので、入れるしかないと思って打ちました」。その舞台となった18番・パー5。1.2mのバーディーパットは距離が短いものの、夕闇が迫ったことでラインを読みにくいだけでなく、スパイク跡でグリーンが荒れ、ボールが跳ねる状態だった。決して簡単なパッティングではない。先にバーディーパットをアレックスが外していたため、沈めれば優勝が決まる。慎重にストロークすると、ボールはカップの中へと静かに消えていった。それを見届けると同時に両手を挙げてバンザイポーズをとった竹田。これまでは優勝しても帽子のひさしに右手を添えて会釈をするだけで、カメラマン泣かせだったが、今回に限ってはいろんな喜びが交錯し、うれしさのあまり感情を抑え切れなかった。
「15番ホールを終えた時点で3打離されましたが、最後まであきらめずにプレーしたことがよかったんだと思います」。アレックスのゴルフに隙がなかっただけに、竹田自身、首位に追いつくことは難しいと考えた。しかし、16番・パー5で2オンに成功してイーグルを奪い1打差に迫ると、最終18番・パー5でも2オンに成功。2パットでバーディーを奪い、ついにアレックスに追いついた。
【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】
今季8勝目を飾り、年間女王に向けて優位な位置に立ったが、同時に米女子ツアーの出場権も獲得。しかも2年シードとなれば、今年の12月に同ツアーのQシリーズ最終予選にエントリーしていた竹田にとってビッグボーナスとなる。「1月末から参戦すると、シーズンオフは短くなりますが、そこに向けて調整したいです。まずは、1年間ケガなくプレーすることが目標です」。ひと足早く米女子ツアー1勝を挙げた形になるが、本当の戦いは来季から始まる。ただ、今大会でドライバーの飛距離などポテンシャルの高さを改めて証明したことは間違いない。来シーズンは海外メジャーの場で竹田らしい爆発力をアピールしてくれるはずだ。(山西 英希)
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