U18日清食品 東北ブロックリーグ2024 女子 大会レポート 齋藤凌花と嶋森羽奏「下級生でもチームを支えられるように」聖和学園(宮城県)

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【©U18日清食品リーグ】

昨年の聖和学園は「U18日清食品トップリーグ2023」に出場しました。小野裕ヘッドコーチは「東北では留学生と対戦できる機会が少ないので、高さとフィジカルコンタクトの面で良い勉強になり、全国のトップチームに向かっていけるようになりました。負けた試合が多くても、毎試合準備して臨めるトップリーグでの経験値は計り知れないものがあります」と、その収穫を語っていました。

それでも今年は「U18日清食品 東北ブロックリーグ2024」への出場とあって、新人戦や東北ブロック大会で優勝している聖和学園は「東北ではどこもウチに向かってくる相手ばかり」と挑戦を受ける立場に。「負けられない相手に勝ち切る経験を積んでいきたい。勝負どころで頑張れる選手の台頭に期待して、下級生を多く起用していきます」と小野ヘッドコーチは意気込みました。

聖和学園が下級生を多く起用するのには、3年生の主力がチームを離れる時期が多くてコンディション作りが難しいという理由もありました。キャプテンで司令塔の竹本歩生選手とセンターの内田理香選手は、8月末の「日・韓・中ジュニア交流競技会」に出場。エースの阿部友愛選手は日本代表として「FIBA U17女子ワールドカップ2024」と「FIBA 3x3 U18 ワールドカップ 2024」で多くの試合をこなしてきました。

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9月7日には留学生プレーヤーを擁する福島東陵(福島県)に58-59と惜敗、9月21日の盛岡白百合学園(岩手県)戦では延長で勝ったものの、エースの阿部友愛選手が終盤に足を痛めてベンチに下がるなど、なかなか簡単に勝てる試合展開とはなりませんでした。

そうした苦しい状況下で奮闘したのが下級生たちです。1年生の頃からスピードあるプレーで流れを変えてきた齋藤凌花選手は、2年生になってさらにキレのあるアシストを繰り出すようになりました。1年生センターの嶋森羽奏選手はプレータイムが増えたことで勇躍し、リバウンドやインサイドプレーで目を引く存在となっています。

「盛岡白百合学園との試合のオーバータイムで阿部さんが抜けてしまう状況で、センターの内田選手がインサイドで身体を張っているのを見て、『3年生に頼っている』とあらためて感じました」と齋藤選手は自分の中での自覚が増すのを感じていました。「この『U18日清食品 東北ブロックリーグ2024』では1年生の嶋森選手が成長していますし、他の1、2年生も経験を積んでどんどん成長していきたいです」

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嶋森選手は「この『U18日清食品 東北ブロックリーグ2024』で出場機会をたくさんもらえるのはうれしい」と笑顔を見せ、自身の成長をこのように語ります。

「日頃の練習から、3年生の阿部さんや内田さんとやっているインサイドの合わせのプレーが、試合で出せるようになってきました。盛岡白百合学園との試合では阿部さん抜きで延長を戦いましたが、チームが一丸となれたのが収穫でした。私は1年生ですが、この『U18日清食品 東北ブロックリーグ2024』でもらった機会を無駄にせずに成長していきたいです」

聖和学園の柱が阿部選手を始めとする3年生なのは誰もが認めるところですが、2年生の齋藤選手と1年生の嶋森選手が自覚しているように、下級生たちが成長していくことで選手層はさらに厚くなり、そこで培ったチーム力は来年以降のチームを支えていきます。4勝1敗が3チーム並び、聖和学園は得失点差で2位に終わりましたが、小野ヘッドコーチは「勝負どころで起用できる選手が出てきたので収穫は大きかったです」と大会を総括しました。
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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