【スキー】アルペンスキー2024-25 W杯開幕戦セルデン 女子は石橋未樹、男子は加藤聖五、若月隼太ら4人出場

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【スキー】アルペンスキー2024-25 W杯開幕戦セルデン 女子は石橋未樹、男子は加藤聖五、若月隼太ら4人出場

昨年のセルデン開幕戦、インスペクションを始める若月隼太選手。残念ながら男子は1本目途中で 強風のためレース中止となりました。 【写真/田中慎一郎】

いよいよ今週末、10月26日(土)にアルペンスキーW杯がオーストリアのセルデンで開幕しま す。 近年は小雪で開催が心配されることが多かったセルデンですが、今年は雪の降り出しが早く、 コースコンディションも上々のようです。
土曜日の女子ジャイアントスラローム(以下GS)の開幕戦、SNOW JAPANからは石橋未樹選手 (ガスワンスキーチーム)が出場します。

2022年1月、クロンプラッツGSでW杯デビューを果たした石橋未樹選手、今回はW杯2戦目とな ります。 【写真/ペンタフォト】

昨年、この開幕戦セルデンに出場エントリーしていましたが、1週間前の練習で左膝前十字靭帯断 裂の怪我を負い無念の欠場となりました。 それからの復帰戦が1年前出場するはずだったセルデン開幕戦ということで、文字通り彼女自身の 「リベンジマッチ」となります。
石橋未樹選手は、19日土曜日にドイツチームと共に、セルデンのレースコースをスタートから ゴール前緩斜面まで4本滑り、自身初めてのコースの感触を確かめました。
「(W杯初出場の)クロンプラッツのコースよりは捻れなどないものの、小さなコブがあって、 ミスしやすい箇所もあるので気をつけたいです」とコース攻略を練っています。
今夏はニュージーランドでフリースキー中心のトレーニングをこなし、先月中旬から渡欧して「昨 シーズンよりも今シーズンの方が滑り込みの量が増え、技術的にも向上し、しっかり準備はできて います」と自身の復帰戦に向けて少し自信をのぞかせてくれました。
「所属先の会社や家族、支えてくださった方たちに『お陰様でここまで回復できました。感謝し ています。怪我後の初レースがW杯になりますが、しっかり準備してきた自分の滑りをレースで発 揮したいと思います』とお礼を言いたいです」と意気込みを語ってくれました。
セルデンレースコースでの練習のあとは、シュナルスタールに戻って数日練習をこなし、再びセル デンに乗り込む石橋未樹選手、50番台でのスタートとなりそうですが、「復帰戦」の快走を期待 します。
SNOW JAPAN女子のエース、安藤麻選手(日清医療食品)は今年正月の練習で負った左足首骨折 の回復途上にあり、欧州での本格的な練習はこれからという段階で、現状の見通しでは今季もSLに専念することになりそうですが、来月11月のフィンランド・レビとオーストリア・グルグルの W杯スラローム(以下SL)は欠場の予定です。
また、今年2月の菅平で GSのFECチャンピオンとなり今季W杯の出場権を獲得した横尾彩乃選手 (日本大学)は3月の全日本選手権で滑走中に膝を捻り、右膝の軟骨損傷で移植手術を受け、安藤 麻選手同様、本格的な練習はこれからという段階です。

昨年は出走前にレース中止、一昨年は直前の練習で裂傷の怪我を負い欠場、今回は3年ぶりのセ ルデンとなる加藤聖五選手、2021年のレースは2本目進出まで+0.09秒の33位でした。 【写真/田中慎一郎】

日曜日の男子開幕戦はSNOW JAPANのエース、加藤聖五(野沢温泉SC)、日本人選手トップの FISポイントを有する若月隼太(ホテルロッソ・スキークラブ)、昨季FEC GSのチャンピオン佐 藤慎太郎(置環)、FEC総合のチャンピオン片山龍馬(東海大学)の各選手が出場します。

FEC GS のタイトルを取れなければ引退する覚悟で臨んだ菅平のレースで悲願成就。27歳での W杯初出場となる佐藤慎太郎選手。 【写真/田中慎一郎】

日本開催以外のW杯GSで日本人選手が4人出場するのは史上初。 選手だけでなく帯同のサービスマンも増員され、今季の開幕戦は近年の少人数での参戦と異な り、強豪国のように「チームとして戦う」形に近づきつつあります。 また、今回のGSだけでなく、来月のレビのSLも4人の選手が出場予定です。

昨年のセルデン開幕戦、日本男子チーム。今年はここに少なくとも選手とサービスマン、4人が 増えることになります。 【写真/田中慎一郎】

石橋未樹選手同様、加藤聖五選手と片山龍馬選手もセルデンのレースコースで3日間、他国選手た ちとトレーニングをこなし、その中でも加藤聖五選手はトップタイムを叩き出しています。

FEC総合のチャンピオンを決め、W杯出場権を得た2月の菅平FEC。W杯初出場となる20歳の 期待の若手筆頭、片山龍馬選手。 【写真/田中慎一郎】

例年のFISポイントから見ると、日本人トップの若月隼太選手も50番台後半から60番台前半での スタートとなりそうで、それに続いて加藤聖五、佐藤慎太郎、片山龍馬各選手の出走とビブの数 字は大きくなりますが、河野恭介男子チーフコーチは 「慎太郎と龍馬には2本目進出への期待というよりは、W杯レベルの練習、レース環境の中で研鑽 を積み、得るものを自分の滑りに活かして欲しい。聖五にはコンスタントに2本目進出、隼太には 初のW杯2本目進出を!」とそれぞれの選手に期待を寄せました。

4人を代表して加藤聖五選手は 「(セルデンの)レースコースで3日間練習する中でパフォーマンスを上げることができました。 タイムも良かったので当日は自分の滑りに集中し、長い急斜面を我慢強く滑ります」とコメント してくれました。
女子はW杯通算97勝のミカエラ・シフリンがいつ100勝を達成し、それをどこまで伸ばすのか、 ペトラ・ブルフォバの復帰、昨季総合王者ララ・グート・ベラミの連覇なるか? 男子はマルコ・オダーマットの4季連続総合優勝を阻むのは誰か、アレキサンダー・オーモット・ キルデの復帰なるか、マルセル・ヒルシャーの5年のブランクはいかに、などが話題のアルペンス キーW杯2024/25シーズンは、今週26日土曜日にオーストリア・セルデンで開幕です!


文:田中慎一郎
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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