【PLAYBACK PARIS】柔道・廣瀬順子、金メダル獲得に必要だったのは「技を出し切る」ということ
【photo by Takamitsu Mifune】
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東京大会での悔しさをバネに
「パリでは自分の柔道を精一杯出し切って金メダルを」
そう誓ってパリまでの厳しい道のりを歩み出し、シャン・ド・マルス・アリーナの畳に立った。
2015年に結婚した悠さんは視覚障害者柔道の90㎏級元日本代表。2021年の東京大会以降は日本代表からは退き、廣瀬の練習相手になった。
地元で悠コーチと稽古を重ねるほか、東京にも出げいこに行き、ライバルに対応できる技を身に着けた 【photo by Takamitsu Mifune】
ライバルにかかる技を磨いた結果
「今までは引きつけられたところで焦ってしまい、私が体勢を上げたところで技をかけられて負けていた。引きつけられたときは引き合って冷静になった方がいいよと言われて、その通りに試合をしました」
そんな廣瀬が繰り出したのは、もともとこだわっていた背負い投げではなく体落としだ。
「いろんな技を練習したおかげで勝てたと思います。背負い投げと一本背負いをかけられるようにと思って練習してきて、少し調子は良くなっていました。けれど、悠さんと(ナショナルチームの)畑山元政コーチから『今まで大内刈りと体落としで戦ってきているから、基本的にはそれをベースにしたらいいんじゃない』とアドバイスされ、その通りにしました」
優勝が決まった瞬間、「本当に?」と思ったという廣瀬 【photo by Takamitsu Mifune】
パラリンピックは3度目だが、「今回のパラリンピックがいちばん練習してきた技を出し切り、きちんと投げることができた」と振り返った廣瀬。
手にしたのは、金メダルだけではない。「悔いのない試合ができて本当によかった」という満足感だった。
最高のパートナーとつかんだ栄光
廣瀬も例外ではない。大会ごとに気持ちを作り直して海外遠征に向かうことがつらかった、という。
そんななか、支えたのは夫の悠さん 。昨年の世界選手権や今回のパラリンピックは現地の練習場に足を運んで直前まで廣瀬の相手をし、同行できない海外遠征でも「昼夜問わないLINE攻撃」(廣瀬)を受け止めた。
「ちょっと不安になったときとか、時間ができたときは、時差を気にせずにLINEします」と廣瀬。
決勝の前、悠さんからは「俺はもう満足している。あとは自分に悔いが残らないようにがんばって」と声をかけられたという 【photo by Takamitsu Mifune】
「どんなときも柔道が楽しくできるように支えてくれる、最高の旦那さんだと思っています」
パリの地で、廣瀬は金メダルを胸にきらりと輝く笑顔を見せた。
視覚障害者柔道で日本女子初の金メダルを獲得した廣瀬 【photo by Takamitsu Mifune】
photo by Takamitsu Mifune
※本記事はパラサポWEBに2024年9月に掲載されたものです。
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