チーム力の底上げ進むボッチャ"火ノ玉JAPAN" BC1女子・遠藤裕美が個人戦でのメダル獲得に挑む

チーム・協会

【日本ボッチャ協会】

8月28日のパリ2024パラリンピック開会式から、あっという間に4日が過ぎ、開幕翌日から競技がスタートしたボッチャ競技も4日目を迎えた。ここまで各クラスの個人戦が行われ、日本代表「火ノ玉JAPAN」からは7名の選手が出場。うち4名が予選グループラウンドを突破し、ノックアウトラウンド(準々決勝以降のトーナメント)に進出した。パラリンピック初出場のBC1女子・遠藤裕美が、このあと銅メダルを賭けた3位決定戦に挑む。

東京大会金メダルの杉村が準々決勝敗退でも終わらない、火ノ玉JAPANのチーム力

東京2020大会でBC2男子個人戦で金メダルを獲得し、今大会でも注目が集まった杉村英孝選手は準々決勝進出を賭けたプレーオフでYAN Zhiqiang(中国)を5-2で下し、準々決勝に進出。しかし、準々決勝では現世界ランク2位で東京2020大会のBC1/2チーム戦金メダリストでもあるライバル・Worawut SEANGAMPA(タイ)とのハイレベルな戦いの末、最終エンドで「スギムライジング」は不発に終わり、相手のラストショットでライジングを決められ、逆転負けを喫した。

それでも今大会の火ノ玉JAPANのチーム力は確実に上がっている。

前回大会では個人戦でノックアウトラウンドに進出したのは、金メダルを獲得した杉村ただ一人。一方、今大会では4名の選手が準々決勝に駒を進めた。ボッチャ競技では今大会から性別ごとのクラスに分かれ、パリの地で初代女王が決定するが、火ノ玉JAPANではその女子選手たちの勝負強さが目立ち、BC1の遠藤裕美、藤井友里子、BC3の一戸彩音がそれぞれグループラウンドを突破した。

杉村は個人でのパラリンピック連覇こそ逃したがチーム戦での金メダルを目指す 【日本ボッチャ協会】

初代女王が決まるパリ大会で躍動する火ノ玉JAPAN女子選手たち

BC1女子の遠藤裕美は、準々決勝でDora BASIC(クロアチア)を7-0で破り、パラリンピック初出場でのメダル獲得に一歩近づいた。準決勝ではYee Ting Jeralyn TAN(シンガポール)に1-5で敗れ、このあと3位決定戦でメダル獲得に挑む。また、8月に入ってから大会直前での代表入りとなった藤井友里子は、パラリンピック4回目の出場という経験を武器に、グループラウンドで世界ランク1位のAndreza OLIVEIRA(ブラジル)から6-1で金星を上げた。更に、BC3女子個人戦に出場した18歳の新鋭・一戸彩音は、ランプオペレーターを務める父・賢司氏とのコンビネーションも冴え、初出場とは思えない落ち着いたプレーで勝利を重ねると、準々決勝では惜しくも敗れたが最終エンドまではリードする善戦を見せた。

男子も杉村と共に火ノ玉JAPANの顔として君臨してきたBC2の廣瀬隆喜に加え、22歳でパラリンピック初出場ながら主将を務める内田峻介、電動車椅子サッカーから2017年に転向し、妻でありランプオペレーターの千穂氏と二人三脚でパリへの切符を掴んだ有田正行とそれぞれ実力者が揃い、充実した選手層で世界最高峰の舞台での戦いに挑んだ。内田のパリは個人戦で終了となったが、廣瀬はBC1/2チーム戦、有田はBC3ペア戦にそれぞれ出場予定であり、そちらでの戦いに期待したい。

BC1/2チーム戦では経験豊富な杉村、廣瀬の両選手と悲願の金メダルを狙う 【日本ボッチャ協会】

BC1女子・遠藤裕美がメダル獲得に挑む

さて、日本を代表して、このあとメダルを賭けた3位決定戦に挑む福島出身の遠藤裕美は、謙虚な姿勢でこの大会に挑んでいる。ボッチャを競技として始めたのは24歳のとき。現在38歳の遠藤は比較的遅咲きの選手だ。前回の東京2020大会の選考レースでは国際大会でのポイントが足りず、代表入りを逃したが、それが糧となり、近年メキメキ台頭してきた。パリ2024大会の大陸枠もかかった昨年12月のアジア・オセアニア選手権では、個人戦で銀メダルを獲得し、今大会を戦う上での自信にも繋がっている。

特にコートを広く使った「ロングエリア」での勝負を得意とし、自信を持っている遠藤。是非この戦い方にもご注目いただきたい。大会前のインタビューでは「メダル」について明言は避けたものの、虎視眈々と表彰台を狙いパリ入りした遠藤のメダルを賭けた戦いがこのあと始まる。

BC1女子個人戦の3位決定戦は、このあとパリ現地時間の9/1(日)17:00(日本時間24:00)より行われる。
IPCが運営するYouTube「Paralympic Games」(https://www.youtube.com/@paralympics/streams)にてライブ配信予定。
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著者プロフィール

 日本ボッチャ協会は「一緒があたりまえの社会にする」を合言葉に、日本国内の肢体不自由児者を中心とした障がいのある方の競技力向上と、すべての障がいのある方、及び障害がない方に対しても、広く一般的にボッチャの振興と普及を図りボッチャを通じて障がいの有無関係が無いインクルーシブな社会を実現を目指します。更に、より密接に共生することのできるように様々な活動を通じて社会を創造します。  「パラリンピックにおける金メダルの獲得」。そして「ボッチャを国民的スポーツへ」。それが日本ボッチャ協会が掲げるビジョンです。

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