2人のメダリストと挑む初めてのパラリンピック | 火ノ玉JAPANインタビュー #3:遠藤裕美(BC1)

チーム・協会

【©︎日本ボッチャ協会】

いよいよ開幕が迫るパリ2024パラリンピック。ボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」からは7名の選手の出場します。本企画として、各選手のインタビューを通して、選手たちそれぞれのパーソナリティーに迫ります。

第3回となる今回は、昨年12月のアジアオセアニア選手権でBC1女子個人戦で銀メダルを獲得した遠藤裕美選手(福島ボッチャ協会)。同大会にて、杉村選手、廣瀬選手という2人のパラリンピックメダリストと組んだチーム戦でも銅メダルを獲得。大陸枠獲得はならなかったものの、大会直後に発表された世界ランキングで上位4カ国に入り、見事パリへの切符を獲得。いつも明るい笑顔のムードメーカー遠藤選手のほっこりするインタビューをどうぞ。

24歳から本格的に始めたボッチャで掴んだパリへの切符

ー 遠藤選手がボッチャを始めたきっかけについて教えてください。
ボッチャを始めたきっかけは高校を卒業して運動する機会が減って、自分も運動が好きだったので「なにか出来ないのかな」って考えたときに高校の体育の授業でボッチャをやったのを思い出して、本格的に24歳から始めました。

始めた頃は本当に地域のボッチャ教室ぐらいで練習を重ねていて、ここまで強化指定選手になるとか、パリパラリンピックに出場するまでに成長するとは自分でも思っていませんでした。

ー どのタイミングから日本代表やパラリンピックを目指すようになったのでしょうか?
日本選手権などボッチャの大きな大会に出て、やっていくうちに勝つことが楽しいなって思いはじめて、なんとなくボッチャにずっと関わり続けてきて、やっぱり最終目標となるメダル圏内に入れたときに続けてきて良かったなって思いました。

リオや東京での日本代表の活躍もモチベーションに繋がりました。東京大会に関してはポイントが足りなくて自分は出場できなかったというのが糧になっていて、それをきっかけとして成長していったのかなって思います。

ー 東京からパリ出場権を獲得するまでの3年間、ターニングポイントは?
去年12月のAO(アジアオセアニア)選手権じゃないでしょうか。そこで個人で銀メダルを獲れたっていうのは、私にとって一番大きな目標としていたことが叶ったっていうのが一つと、ここまで練習してきてよかったなっていうのが重なりました。(団体でもメダルを獲得してパリパラリンピック出場権獲得に繋がったことは)大きな意味を持った大会になったんじゃないかと思います。

ー 大会後、パリ大会出場権を獲得したというニュースを聞いたときの心境は?
報告が入ったときは本当にホッとしたの一言でした。よかったなって、そこまでチームを組んで、そんなに練習回数も多くなかったですが、メダルまで辿りつけたっていうのは一番大きかったし、その大会では出場権を獲れたかわからなかったですが、獲得できてホッとしました。

ー 年が明けて日本選手権では藤井選手との痺れる戦いもありました。その時はどんな心境だったのでしょうか?
あの時はプレッシャーも少しありつつ、二連覇というのも頭にありましたけど、今までやってきたこと、練習の中で積み重ねてきたことを全てやるだけだと思っていたので、とりあえず力は入りましたがリラックスしてやろうと決めました。

見てほしいのはロングエリアでのプレー

ー 遠藤選手がファンの皆さんに「自分のこのプレーを見てほしい」というプレーはありますか?
自分の見てほしいプレーはやっぱりロングエリアと(持ち時間の)5分間の中でもロングエリアを見に行って、投球時間内にしっかり戻って来れるっていうのがストロングポイントにも繋がるのかなって思います。

(時間を使って、頭を使ってプレーすることに)あまりこだわりはないですけど、でもやっぱり時間を余裕を持って使えるというのはどのスポーツにしても余裕が出てくることだと思うので、落ち着いてしっかり等級ができるのがいいのかなって思います。

ー 遠藤選手にはルーティンはありますか?
ルーティンっていうのをひとつ挙げるとしたら、試合前に必ず映画館に行って、同じ作品を2時間集中して観るっていうのがルーティンになってるのかなって思います。あとは、試合前に必ず神社を周るっていうのは、私の中の試合前のルーティンなのかもしれません。(映画を見ることは集中力を高める)トレーニングにもなっているのではないでしょうか(笑)。

ー ずばり、パリでの目標は?
予選リーグ通過は絶対条件なのかなって思っています。そこで今まで練習してきたことを応援してくれる人たち、テレビの前で見てくれている人たちが見ててよかったよっていうプレーが出来るように予選リーグを通過して、決勝リーグで思い切りプレーしたいです。

ー 団体ではメダリストの二人とチームを組みますが?
まず練習してきたことをしっかりやれば間違いなく結果としてついてくると思っているので、そこは心の中に置いておいて、まずは自分ができる今までやってきたことをしっかり楽しんでプレーしていきたいと思います。

【©︎日本ボッチャ協会】

遠藤選手はどんな人?

ー ここから少しパーソナリティーに迫る質問を伺います。まずは趣味について。
趣味はパステルアートですね。パステルアートは画用紙を切り抜いて、その切り抜いた部分に色を着けていくっていう技法ですけど、誰でもきれいにでき上がって、きれいに仕上がって、パステルなのでほんわかしたような色合いで、自分も描いてて面白いなって思ったのでコロナ禍のボッチャの練習もできなかったときに始めたことです。コロナ禍はそれで乗り切ったという感じです。そこからハマりました。今は遠征とかが多くてあまり描けてないですけど、違うことをするっていうのは、リラックスにも繋がるし、ボッチャの競技においてもプラスになってるんじゃないかと思います。

ー 好きな食べ物は?
焼き芋が大好きです。焼き芋の品種を言うなら「紅天使」が一番好きです。好きになったのは、大人になってからかな。補食を考えるようになって「干し芋とかがいいよ」という話も出てきたので食べてるうちに「紅天使」という品種を食べたらすごく甘かったんです。それですごくハマっちゃいました。(笑)

ー 尊敬する人物は?
馬瓜エブリンさんですね。周りの雰囲気を明るくするっていうのは、周りにいる人たちもプラスになって、笑顔になるのかなって思います。そういう選手になりたいです。選手としても人としても馬瓜エブリン選手を目指していきたいなって思います。バスケとボッチャは少し違うかもしれませんけど、試合の中でのルーティンだったり、コミュニケーションとかそこからいいヒントになればいいのかなって思います。

ー 遠藤選手が人生を通して実現したいことは?
豪華客船に乗って世界一周したいです。(笑)夢ありますよね。飛行機にも乗ったし、船にも乗ってますけど、豪華な立派な船には乗ったことがないので。フェリーとかは乗ったことがあるけど、乗り物として旅ができるなら船がいいのかなって思うし、船に乗って世界一周できるんだったら、人生の中でも実現できるんじゃないかなって思います。基本、旅行が好きなので、そういうのもチャレンジじゃないですけど、やってみたいなって思います。

ー 最後に、応援して下さっている皆さんにひとことお願いします。
パリに向けてはしっかり今までやってきたことを思いっきりプレーできるように頑張ります。応援よろしくお願いします!

【©︎日本ボッチャ協会】

プロフィール

遠藤 裕美(えんどう・ひろみ)
生年月日:1986年7月14日
出身地:福島県
クラス:BC1
所属:福島県ボッチャ協会


過去の戦績
【国際大会】
Hong Kong 2023 World Boccia Asia-Oceania Regional Championships - 準優勝(個人・BC1女子)
Hong Kong 2023 World Boccia Asia-Oceania Regional Championships - 3位(BC1/2チーム)
Montreal 2024 World Boccia Cup - 準優勝(個人・BC1女子)
【国内大会】
第24回日本ボッチャ選手権(2023) - 優勝(個人・BC1女子)
第25回日本ボッチャ選手権(2024) - 優勝(個人・BC1女子)
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著者プロフィール

 日本ボッチャ協会は「一緒があたりまえの社会にする」を合言葉に、日本国内の肢体不自由児者を中心とした障がいのある方の競技力向上と、すべての障がいのある方、及び障害がない方に対しても、広く一般的にボッチャの振興と普及を図りボッチャを通じて障がいの有無関係が無いインクルーシブな社会を実現を目指します。更に、より密接に共生することのできるように様々な活動を通じて社会を創造します。  「パラリンピックにおける金メダルの獲得」。そして「ボッチャを国民的スポーツへ」。それが日本ボッチャ協会が掲げるビジョンです。

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