「メダルを取れるように」山下美夢有、99Hボギーなし記録更新でパリ五輪へ

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【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

大東建託・いい部屋ネットレディス ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)最終日

 今季初勝利こそまたもやお預けとなったが、山下美夢有はJLPGAツアー記録を塗り替える99ホール連続ノーボギー(前戦のニチレイレディス第2日10番以降)を達成。圧倒的な安定感を武器に、2週間空けて、8月7日から日本代表としてパリ五輪女子ゴルフ競技に挑む。

 昨年まで2年連続年間女王で、今季もメルセデス・ランキングトップ。今大会は4日間72ホールを通じてノーボギー、22バーディー、1イーグルをマークしたが、それでも今季初勝利に届かなかった。「スコアの伸ばし合いですから、どれだけ(バーディーチャンスに)付けるかの勝負だったと思います」と、川﨑春花に4打差の2位に終わった勝負を振り返った。

「シーズン序盤に比べると、だいぶリズムよく振れるようになってきました」と一定の手応えは得た。課題としていたパッティングでも、いいところあった。スタートの1番パー4で第3打をグリーン左のラフに外し、アプローチショットもショートしてカラーに止まったが、5メートルのパーパットを決めて踏ん張った。9番では難しい5メートルの下りのバーディーパットを沈めた。

【Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images】

 今季は米ツアーに積極的に参戦し、6月の全米女子プロゴルフ選手権では2位に入った。山下の父で、コーチでもある勝臣さんは「結局、世界中どこでも、パッティングを制する選手が試合を制するのだと思います」と指摘。「特に海外のコースは、日本に比べてグリーンがずっと傾斜がきつく、しかも小さくて、1~2メートルにつけられることがめったにありませんから。(米国のトッププロの)ネリー・コルダなどは7~8メートルのパッティングをバンバン決めてきますし、先週のエビアン選手権で優勝した古江彩佳さんもそうでした」と語る。パリには両親に、妹で奈良育英高ゴルフ部2年の蘭さんを加えて応援に乗り込む予定だ。

 山下自身は初体験の五輪へ向けて「メダルを取れるように、ショートゲームを中心に調整したいと思います」と意欲を示した。一方、五輪では他競技を見るほどの時間はないものの、女子ゴルフ競技の開幕に先立って同じコースで行われる、男子ゴルフ競技だけは見学するつもりだ。「お目当ての選手がいすぎて、どうやって回ろうかなと思っています。私が一番見たいと思っていた試合で、どんな球を打つのかを見てみたい」。もともと幼少の頃、ゴルフに興味を持ったきっかけが、勝臣さんと一緒にテレビのCS放送で見たタイガー・ウッズの雄姿だっただけに、胸を躍らせている。

 山下の五輪での経験が、その後のJLPGAツアーで勢いを増すきっかけになれば、何よりだ。(宮脇 広久)
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