【試合結果】『「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会』3回戦

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"ジャイキリ"が多発! 1部6チームが初戦敗退す。筑波大学も終了間際の勝ち越し点で辛勝

3部・専修大学が1部の駒澤大学に完勝し4回戦に進出! 【©JUFA】


 “関東大学最強"を決める、関東大学サッカー唯一のトーナメント大会『「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会』の3回戦が6月19日(水)に行われた。3回戦では、シードチームである関東1部、2部リーグの24チームが登場。1、2回戦を勝ち抜いた3部6チーム、北関東代表の2チームと対戦した。

 3回戦では、1部チームの半数が脱落するというショッキングな結果が待っていた。

 昨年度の大会では3回戦で初戦敗退という痛恨の結果となった明治大学は、3部の國學院大學を相手に快勝。中村草太がリーグ戦から3試合連続ゴールとなる先制点を挙げ、熊取谷 一星が追加点を挙げるなど、"いつもどおり"の展開で國學大を圧倒。終了間際に失点を喫したものの、1部首位チームの強さを見せつけて初戦突破を果たした。また、3連覇を狙う前回大会の王者・1部10位の国士舘大学も、前半のうちに東川続が2得点を挙げて2部の山梨学院大学に快勝した。

 1部チームの中でも、苦戦を強いられたのが1部2位の筑波大学と同3位の東京国際大学だ。筑波大は3部11位の中央学院大学に粘り強く追いつかれ、2-2のタイスコアのまま試合の最終盤へ。88分には途中出場の田村蒼生が勝ち越し点を決めて事なきを得たが、2018年度大会で当時東京都リーグ所属の明治学院大学相手に、三笘薫(ブライトン)を投入しても勝てずに初戦敗退となった"悪夢"がよぎる辛勝となった。東国大は3部4位の青山学院大学に攻め込まれながらも、後半序盤に挙げた髙橋剣士朗のゴールを守りきって勝利。青学大は前半のアディショナルタイムに得たペナルティーキックを決められなかったことが最後まで響いた。

 3回戦には関東傘下の都県リーグ、北関東代表の2チームが2試合連続の"関東喰い"で勝ち上がっていたが、どちらも4回戦進出はならなかった。元プロ選手、元Jリーグ監督でもある田坂和昭監督が率いる上武大学は、1部の流通経済大学に後半4失点を喫し敗戦。同じく北関東代表の白鴎大学も、1部・日本大学にペナルティーキックから先制点を許すと、その後次々と失点を重ね0-6で敗退となった。

 一方、下位カテゴリーのチームに"ジャイアントキリング"を許し、初戦敗退となったチームも。

 1部4位の中央大学は終了間際に追いつかれ、延長戦でも決着がつかずPK戦に突入。PK戦では4人目と5人目のキッカーが連続で失敗し、PK戦に勝利した3部3位の明治学院大学が4回戦にコマを進めた。同じくJ内定選手3名を擁する1部・5位の東洋大学も3部5️位の亜細亜大学に敗れた。亜大は小池莉玖が全ゴールに絡む活躍で3点を先取。東洋大も終盤に2点を返すものの追いつくことはできなかった。1部8位の駒澤大学も、3部首位の専大に0-2で完敗。後半開始直後には退場者も出し、最後まで専大ゴールを割ることができずに大会を去った。

 また、0-0のまま延長戦に突入した1部9位の桐蔭横浜大学は、延長戦後半でペナルティーキックを献上。これを決めて2部9位の立教大学が4回戦に進んだ。1部11位の東海大学は2部5位の神奈川大学との"神奈川ダービー"に。しかし前半のうちに退場者を出したことも響き、神大に3失点。アディショナルタイムに1点を返すが1-3で敗戦となった。1部12位の関東学院大学は、2部11位の拓殖大学に先制するものの、後半に2失点を許し逆転負け。この結果、1部は中大、東洋大、駒大、桐蔭大、東海大、関東大の6チームが早くも大会から姿を消した。

 2部チーム同士の対決は4カード。うち3試合が延長、PK戦までもつれ込むなど、白熱した展開となった。

 思わぬ展開となったのが2部首位の慶應義塾大学と12位・城西大学の対戦だ。試合は城西大が前半だけで3点を先取。慶大は前半終盤にペナルティーキックで1点を返すものの、城西大も後半序盤に同じくペナルティーキックで1点を返して再びリードを2点差に広げた。だが慶大はここから猛追を開始。次々と得点を重ねると85分についに4-4に追いつく。試合は延長戦でも決着がつかず、PK戦では城西大の5人目、6人目が連続で失敗し慶大が4回戦に進んだ。また2部3位・早稲田大学と10位・産業能率大学の試合は、両チーム前半に1点をとったままスコアが動かずこちらもPK戦へ。PK戦でもなかなか決着がつかず、10巡目を迎える大接戦となったが最後に産能大が大きく外してしまい早大が辛勝した。2部4位・順天堂大学と8位・立正大学の対戦では、0-0のまま迎えた後半アディショナルタイムで順大がペナルティーキックを獲得。しかし、立正大GK・ジョーンズ レイが順大・岩井琢朗のシュートを防ぎ試合は延長戦に突入。すると順大は延長戦に岩井のゴールを含む2得点を挙げて2-0で順大が接戦を制した。一方、2部対決ながら思わぬ大差がついたのが2部2位・日本体育大学と6位・法政大学の対戦だ。法大は試合開始直後から日体大ゴールに攻め込み、前半だけで5点を先取。後半早々に日体大にペナルティーキックを献上して1点を許すが、終了間際にも1点を加え6-1と圧勝。危なげない試合運びで初戦を突破した。


 この結果、4回戦に進んだのは1部6チームと2部7チーム。3部は、東京都リーグ所属時代に準優勝をはたし、本大会における"ジャイキリ"の代名詞ともいえる明治学院大学を含む3チームが残った。4回戦では2022、2023年度優勝の国士舘大学と2020年度優勝の流通経済大学、優勝経験のある1部チーム同士が直接対決。また奇しくも2018年度大会の決勝と同カードとなった、2部・法政大学と唯一の3部チーム・明治学院大学の対戦も見どころのひとつだ。

 なお、4回戦に勝った8チームは、夏の全国大会『2024年度 第48回総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』の関東地区代表として同大会の出場権を手にする。本大会の参加目標のひとつである全国への切符を目指して、16チームが繰り広げる熱戦に注目してほしい。

3回戦・全試合結果と得点者


明治大(1部1位) 2(2-0)1 國學院大(3部6位)
得点者)【明治大】中村草太、熊取谷一星【國學大】田中琢人

産業能率大(2部9位) 1(1-1/0-0/0-0/0-0/PK6-7)1 早稲田大(2部3位)
得点者)【産能大】岸本尚也【早大】西凜誓

駒澤大(1部8位) 0(0-1)2 専修大(2部1位)
得点者)【専大】寺島 サフィール マイサラ、松本皐誠

神奈川大(2部5位) 3(2-0)1 東海大(1部11位)
得点者)【神大】藤田仁朗×2、田中【東海大】桑山侃士

中央大(1部4位) 2(0-1/2-1/0-0/0-0/3PK4)2 明治学院大(3部3位)
得点者)【中大】加納大、星野創輝【明学大】松本拓也、鈴木燦次

法政大(2部6位) 6(5-0)1 日本体育大(2部2位)
得点者)【法大】竹内豊、洪怜鎭、根津元輝、薬師田澪、揖斐俊斗、中村翼【日体大】松原海斗

東洋大(1部5位) 2(0-2)3 亜細亜大(3部5位)
得点者)【東洋大】増田鈴太郎、梅津凜太郎【亜大】山下翔輝、小池莉玖×2

城西大(2部12位) 4(3-1/1-3/0-0/0-0/4PK5)4 慶應義塾大(2部1位)
得点者)【城西大】吉川元輝、佐藤遼×2、斉藤涼優【慶大】茅野優希、岡田朋希、香山達明、村井亮友

関東学院大(1部12位) 1(1-0)2 拓殖大(2部11位)
得点者)【関東大】野嶋圭人【拓大】小泉龍之介、川村舞弥

白鴎大(北関東) 0(0-3)6 日本大(1部6位)
得点者)【日大】熊倉弘達×2、石橋鞘×2、長谷川皓哉、平尾勇人

桐蔭横浜大(1部9位) 0(0-0/0-0/0-0/0-1)1 立教大(2部9位)
得点者)【立教大】嵯峨康太

青山学院大(3部4位) 0(0-0)1 東京国際大(1部3位)
得点者)【東国大】髙橋剣士朗

国士舘大(1部10位) 2(2-0)0 山梨学院大(2部7位)
得点者)【国士大】東川続×2

上武大(北関東) 0(0-0)4 流通経済大(1部7位)
得点者)【流経大】根本健太、中島舜、藤井海和、寶船月斗

順天堂大(2部4位) 2(0-0/0-0/1-0/1-0)0 立正大(2部8位)
得点者)【順大】宮川歩己、岩井琢朗

中央学院大(3部11位) 2(2-2)3 筑波大(1部2位)
得点者)【中院大】坂本治樹、大塚勇斗【筑波大】小林俊瑛、角昂志郎、田村蒼生

4回戦【6/22(土)】の組み合わせ

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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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