【物語り番外編】レジェンドOBが語る「2023-24シーズンプレーオフ」(後編)

東芝ブレイブルーパス東京
チーム・協会

【東芝ブレイブルーパス東京】

東芝ブレイブルーパス東京の黄金期を知る名フルバックも、『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24プレーオフトーナメント決勝』を前に胸を高鳴らせています。
「レジェンドOBが語る2023-24プレーオフ」の後編は、東芝ブレイブルーパス東京OBの松田努さんの登場です。

【物語り番外編】東芝ブレイブルーパス東京OB 松田 努

──府中ダービーとなった準決勝は、どのようにご覧になりましたか?
「色々な要素が重なって、難しい試合だったと思います。プレーオフには独特の雰囲気がありますし、お互いのプライドがぶつかり合う府中ダービーでした。さらには、ブレイブルーパスは東京SGに連勝していました。シーズン3度目の戦いで、東京SGが前半から勢いを持って戦ってくることは想定していたはずで、相手が戦い方を変えてきたところもありました」

──そのなかで、しっかりと勝ち切りました。
「そこが評価できるところです。いつもどおりやろうしていても、『負けたら終わりだ』という重圧を選手は感じるものです。負けたとしてもそれまでやってきたことが否定されるわけではないけれど、優勝することで自分たちを応援してくれるみなさんへの恩返しになります。さらには、そのシーズン限りで勇退する選手やスタッフもいるので、優勝して終わりたいという気持ちもあります」

──色々な感情が折り重なるのですね。
「選手たちはプレッシャーを感じながら、フィールドに立っていると思います。でも、そういう経験はなかなかできないものです。僕自身は、そのしびれるような感じが楽しかった。プレーオフは接戦が多く、どちらに転ぶか分からない。それも含めて楽しさを感じていたのは覚えていますね」

──ご自身が出場したプレーオフで、印象に残る試合と言えば?
「06年2月の日本選手権決勝ですね。NEC(現在のGR東葛)とノートライゲームの6対6で引分けて両チーム優勝になったのですが、FWのぶつかり合いがすごかった。フルバックの僕は、キック処理ぐらいしかプレーの機会がなかった。雨のなかの試合で、とにかく寒かったことも記憶に残っています」

──今回のプレーオフ決勝で激突する埼玉WKとも、決勝で何度も対戦してきました。
「10年1月のプレーオフ決勝は熱戦でした。お互いのプライドがぶつかり合って、なかなか点が入らない。僕はリザーブからのスタートで、試合には出ていないのですが、観客のひとりとして試合に入り込んでいました」

──そうやってチームが日本一になった瞬間、松田さんはどのような気持ちに満たされたのでしょう? 達成感なのか、安ど感なのか。
「僕自身は安ど感が大きかったです。1年間やってきたことが結果につながって、ホントに良かったなあという感じで、全身から力が抜けていくような」

【東芝ブレイブルーパス東京】

──さて、今回の決勝はどんな試合になると予想しますか?
「ひとりのラグビーファンとして楽しみです、埼玉WKはレベルの高いリーグワンのディビジョン1で、16連勝というとてつもない成績を残しました。得失点差を見ると、ブレイブルーパスとは300点近い差があります。でも、一発勝負ですからね。チャンスは必ずある。延長戦にもつれるのでは、と予想します」

──松田さんが考える東芝ブレイブルーパス東京の強みとは?
「今シーズンに限らずここ数年は、どんなラグビーを見せてくれるのかな、というワクワク感があります。そのなかでアタックの破壊力が魅力的です。思わず『素晴らしい!』と言いたくなるアタックを見せてくれます」

──フルバックを主戦場とした松田さんからすると、同じポジションで起用されることの多い松永拓朗選手が気になるのでは?
「自分の仕事をきっちりできる、非常にバランスの取れた選手だと思います。キックはもちろん素晴らしくて、それ以外のプレーもレベルが高いですね」

──現役時代にともにプレーした選手もいます。
「梶川喬介、リーチ マイケルや三上正貴らの世代と、現役時代を一緒に過ごしました。リーチほどの実績を積み上げた選手でも、日本一になっていないんですよね。彼らのキャリアで唯一足りないものでしょうから、今回はぜひつかみ取ってもほしい。もちろん、リーチだけでなくすべての選手に、日本一を経験してほしいです」

──決勝戦は国立競技場で観戦するのでしょうか?
「準決勝は仕事で行けなかったのですが、決勝はスタジアムで観戦します」

 東芝ブレイブルーパス東京の歴史を作ってきたあのスタッフも、あの選手も、新たな1ページが刻まれる瞬間を待ち望んでいます。このチームを愛するすべての人たちとともに、歓喜を分かち合うことを。

(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

【東芝ブレイブルーパス東京】

東芝ブレイブルーパス東京 試合情報

5/19(日)に行われたプレーオフトーナメント準決勝を28-20で制し、決勝戦進出を決めました!
決勝戦は5/26(日)に国立競技場にて埼玉ワイルドナイツと対戦します。
15:05キックオフとなりますので、ぜひ会場で皆様のご声援をよろしくお願いします。

【試合情報】
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 プレーオフトーナメント決勝
埼玉ワイルドナイツ vs 東芝ブレイブルーパス東京
日時:5/26(日)15:05キックオフ
会場:国立競技場(東京)
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著者プロフィール

東芝ブレイブルーパス東京はジャパンラグビーリーグワン(Division1)に所属するラグビークラブです。日本代表のリーチマイケル選手や德永祥尭選手が在籍し日本ラグビーの強化に直接つなげることと同時に、東京都、府中市、調布市、三鷹市をホストエリアとして活動し、地域と共に歩み社会へ貢献し、日本ラグビーの更なる発展、価値向上に寄与して参ります。

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