2024.5.3 FC町田ゼルビア vs 柏レイソル マッチレビュー

note
チーム・協会
【これはnoteに投稿されたりんぐさんによる記事です。】
前節はアウェイで磐田に0-2で敗戦。今季初の無得点で試合内容も含め、ショックの大きい試合でした。

週中にはU-23日本代表がパリ五輪出場を決めるなど、主力2人を送り込んでいるチームの刺激となるニュースもあり、連敗回避を目標に1カ月ぶりの野津田でのホームゲームに臨みます。

スタメン

【りんぐ】

ゼルビア: 4-4-2
右SBに鈴木準弥、中盤の一角に柴戸、右SHにナサンホ、FWに荒木と前節から大きく変えてきた。また、ベンチに昨年8月の清水戦ぶりにエリキがメンバー入り。
柏: 4-4-2
前節から2枚変更。CBは犬飼に代わり立田、FWは木下が入った。分かりやすいくらいにサイズのある選手をスタートから起用する対町田シフト。

長所をフリに使った先制点

序盤からオセフンをターゲットとしたロングボールとロングスローでリズムを作っていくゼルビア。今節は毎度課題のそのセカンドボールの回収を荒木が動き回ることで解決し、2次攻撃、3次攻撃に移行できていた。

ボールを保持した時は、ナサンホが気持ち内側に入ってプレーするが、それも荒木が動き回ることによって生まれてしまうスペースをできる限り消そうという狙いがあったのだろうと推測する。

一方の柏は前線から規制をかけに行くのか、それともある程度ゼルビアにボールを持たせた上で、ロングボールを待ち構えるのかをチームで意思統一がなかなかできていなかった。そのため、陣形が間延びし、荒木に動き回られてしまった。

そうなれば、こちらの土俵で、ロングボールやロングスローの試行回数を増やして、ゴールに近づいていくだけ。

しかし、そのロングスローをフリにして、荒木がサイドからペナルティエリア内に向かって、相手の背後を取るように走りだすと鈴木からスローインがスペースに届けられ、荒木がオセフンに落とし、セフンがシュート。ゴールネットを揺らして先制。

柏の選手だけでなく、荒木以外の選手がロングスローだと思って、ボールから目を離した隙を突く一連の流れで先制した。ゼルビアの代名詞であるロングスローを上手くフリにした先制点だった。

そこからは、必然的に前に出てくる柏だったが、前線のプレスに後ろの選手が連動することなく、狙い目であろう谷から柴戸に入った後に鈴木に入るアバウトなプレス回避の為のパスも綺麗な形で届けることができた。そこからSJやイボが荒木をSBの背後に走らせるボールを中心に前進。大きな決定機こそなかったが、着実に時計の針を進めた。

後半も同じようなちぐはぐな柏相手に時間を使いながら、荒木が追加点を取った。その後、柏は3枚替えで、大型のフロートや、サイドからFWにポジションを変えたマテウスサヴィオを中心にゴールに迫るが、ペナルティエリア内で怖いプレーができずにタイムアップ。

こういうゲームができれば良いが、先制できないと詰むし、先に失点すると終わるが、柏のちぐはぐ感に助けられつつも、荒木の豊富な運動量と、柴戸の奪取力、エリキの復帰によるスタジアムの雰囲気等々でここが自分たちのホームであることを示せたと思う。

柏のちぐはぐさを考える

この試合、柏に対して全然怖さを感じなかったので、今のゼルビアにとって脅威となるプレーは何か、そしてなぜこの試合の柏が怖くなかったのかを考える。

まず、ゼルビアの脅威となるプレーとは何か。

1つは最終ラインの背後に俊足のFWを走らせるプレー。特にCBをサイドに釣り出すような動き。もう1つはサイドチェンジで、ブロックを揺さぶる。つまり、上下左右にブロックを動かされることに弱い。

ではこの試合の柏はどうだったか。

柏は序盤からGKも交えながら最終ラインからボールを保持したいチームだったので、ロングボールを使う回数は少なかった。特にサヴィオや小屋松を走らせるわけでもなく、ターゲットとなる木下を使うでもなかった。

サヴィオと小屋松はなんならビルドアップに組み込まれており、スペースにボールを受ける回数は少なく、足下で受ける方が多かった。だが、時折、SBの背後に走るプレーや、木下を目掛けてロングボールを蹴ってきた時は、イボが飛び出すものの潰しきれず、危険なシーンを作ることができていたので、これらのプレーの試行回数が増えていれば怖かった。

また、サイドチェンジだが、筆者の記憶では1回、2回あった程度だったと思う。なので、ブロックを横に揺さぶることもあまりできていなかった。

柏はシュートへの形は木下を狙ったクロスが多かったが、サイドを単独で剥がせる選手も少なく、他の選手のサポートも手薄でサイドの選手が孤立しており、単調であった。強いて言えば、37分の右サイドで5人ほどが絡んで、右SBの川口のオーバーラップを活かしたプレーは良かった。小屋松、山田、CHの2人、川口が絡んだプレーで数的優位を活かして、ゼルビアの基準点をずらせていた。

しかし良かったのもその1回程度で、その後は短調な攻撃かつ、驚異的なシュートは打てず。後半途中にフロートが入ってきても、その高さや強さを活かす長いボールを蹴ってこなかったので、こちらとしてはありがたい限りではあるが、中途半端に保持に振るとこうなるよなーという既視感のあるチームだった。(蘇る2019-2022シーズン)

まとめると、ちぐはぐさとは迷いであり、少なくともピッチ内では迷いが生じていた。これはDFリーダーである犬飼がいないことが影響しているのか、細谷や関根が離脱しているのが原因なのかは私には分からない。それでも、できる限り迷いを少なくして挙げられるのはピッチ外の監督やコーチ陣なので、適切なメッセージをその都度ピッチに届けてあげるのが重要だと改めて気づかされた。

そういう点では、今のゼルビアはこういうメッセージを時にはメディアを使いながら選手に伝えるのが上手いなと感じるなあ。

試合結果

町田 2-0 柏
得点者:9' オセフン
    68' 荒木駿太

さいごに

こういう勝ち方ができると「やっぱ強いなー」と思いがちであるが、やはり近い所では、苦手なタイプであろう、強度マシマシ系チームである湘南とか東京V、ボールを動かして相手を動かせるセレッソ、新潟のようなチームに勝つことの方が何倍も難しいので、勝ちは勝ちでも喜びつつも、このチームを過信することは無く、日常の基準を上げて、もっともっと求めていくことも大事だなと思いました。

とはいえ、代表組やエリキも帰ってきて、5月の連戦に対する不安も大分取り除かれてきたが、やはりケガには気を付けたいですな。

試合後、柏サポさんのVlog系楽しく見させていただいたが、これからの季節はさすがに鶴川駅から歩くのはやばそうだなと思いながら見ていたので、良い子はマネしないでほしい…

今節もお読みいただきありがとうございました。

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