早大野球部【連載】春季リーグ戦直前特集『HERO』 第7回 山縣秀

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 近藤翔太

第7回に登場するのは今春から遊撃手に再コンバートされた山縣秀(商4=東京・早大学院)。2年秋にブレイクを果たした山縣だが、とうとうラストイヤーの東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)を迎える。最高学年として7季ぶりの天皇杯奪還を目指す現在の心境とはーー。

「力強く、柔らかく」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーー山縣選手のグローブがスラッガーのグラブに変わりましたが、なぜ変えたのでしょうか

 前に使っていたグローブがへたれてきてしまったので、新しいグローブに変えようと思ったからです。もともとずっとスラッガーのグローブ使ってきて愛着があるので、最後1年頑張ろうかなと思ってスラッガーにしました。

ーー新しいグローブのこだわりなどがあれば教えてください

 (グローブを)浅く広く使うのが自分のプレースタイルになっています。こだわりとしては、他の人が使うグローブよりも少し浅めです。指と指の間を広くしていて、大きく面を開けるように使える形にしていることです。

ーー浦添キャンプ全体の振り返りをお願いします

 オフがなかったので、体の疲労感が終盤の頃はすごかったのですが、その中でどれだけ強化できるかというのがありました。そういう意味では全体通して最後までしっかりやり切れたかなと思ってます。

ーーキャンプ前半の時は室内練習場でのバッティングがメインと話されていましたが、後半はどのようなことに取り組んでいましたか

 実践練習です。前半で実践が全然できてなかったので、後半は実践練習を多めに積んでいました。

ーーキャンプのテーマは『力強く、柔らかく』とおっしゃっていましたが、そのテーマをキャンプが終わってみて振り返っていかがですか

 キャンプ終盤になるにつれて、どうしても下半身へばってきたり、力強さがなくなったりしました。後半は柔らかさも疲れで無くなってきてしまったので、もっと粘ることができれば良かったと感じています。

ーーキャンプで最も印象に残っていることを教えてください

 最終日の特守で梅村(大和、教4=東京・早実)と中村敢晴(スポ4=福岡・筑陽学園)と小澤(周平、スポ3=高崎健康福祉大高崎)の4人でやったんですけど、全員ドロドロになって練習が終わったことですかね。

ーーこの冬全体で成長したなと感じることを教えてください

 体が大きくなったので、その分バッティングも守備も力強さが出たかなと思います。

ーー続いて春季オープン戦のことについて伺います。ほぼ全試合で安打を記録していますが、現在の打撃の調子はいかがですか

 1試合1本出るのが普通にしたくて、1試合で2、3本打てるようになればなというところです。調子はいいとは言えないですけど、ヒットが出ない試合をなくしたいです。

ーーオープン戦ということで、初見のピッチャーと対戦する機会が多いですが、その中で打席ではどのようなことを考えながら対戦してますか

 2番を打ってるので、1番の尾瀬(雄大、スポ3=東京・帝京)の内容から自分がどういう打席にするのがいいのかというのを一番考えています。考えすぎて自分のバッティングできなくなるのは良くないのですが、尾瀬が初球を打って終わったら自分は球数を投げさせようという感じです。そういったことを考えながら打席に立っています。

ーー前には尾瀬選手、後ろには吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)と印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)がいる中で、打線の中でご自身の役割はどのように考えていますか

 尾瀬が出た時は必ず進塁させることが自分の役割です。尾瀬が出なかった時には吉納、印出に自分が塁に出た状態で回せるようというのを意識してやっています。

ーーキャンプのインタビューで、「自分の狙ったところに打てている」とおっしゃっていました。今日の試合(関東学院大戦)でもランナー3塁で、ゴロ打ちをしていましたが、振り返っていかがですか

 あの場面はランナーがギャンブル気味にスタート切る場面だったので、自分がゴロを打てば帰ってこれるかなと思っていました。結果ショートゴロだったのですが、できればセカンド方面にゴロを打てばランナーがもっとスタートを切りやすかったと思っています。

ーー第一打席も右方向に追っつけるようなバッティングをしていましたが、狙って右方向に打ったのでしょうか

 追い込まれてからポイントを引きつけて、できるだけボールを長く見るようにっていうのをずっとやってきたので、その結果ライト前のいいとこにいったという感じです。

ーー追い込まれてからノーステップでバッティングをする場面もありました

 今いろいろ試行錯誤してやってるので、リーグ戦に入る時にどのようにしていくかを考えながらやっています。

ーー2番打者ということで、クリーンアップへのチャンスメイクのために盗塁も考えられますが、盗塁に対してどのような意識を持っていますか

 盗塁は積極的にやっていきたいなと思っていますが、吉納も印出も長打が期待できるので、 一塁にいてもホームまで帰ってこれる可能性があると思っています。積極的にいきながらも、大事なところではしっかり3、4番を信頼して、盗塁せずにいいスタート切る準備をするようにしています。

ーー昨年の秋に比べて、ゴロ打ちやセーフティバントなど相手のスキをつくプレーが成功している印象があります。普段からおっしゃっている「相手にとって嫌なバッター」というのは現時点ではいかがですか

 自分が試合に出始めてからずっとそこを意識してやってるので、見ている方々がそう思ってくれているならそれはいいことなのかなと思います。

「チームにどれだけ貢献できるか」

ーー続いてリーグ戦に向けてお伺いします。現在のチームの雰囲気はいかがですか

 社会人相手に負けが続いてチームとして勢いがなく、しょんぼりしてた部分もありました。ですが、ここ最近のオープン戦では勝ててますし、雰囲気良くなっている感じがします。リーグ戦では1戦目を落としてから2戦目、3戦目が勝負になる時もあると思うので、負けた時でももっといい雰囲気でできたらいいかなと思います。

ーーラストイヤーのリーグ戦ということで、進路にも関わってくると思いますがそこに関してはどのように感じていますか

 どうしても勝ちたいので、 自分の進路とか考える余裕がない部分もあります。やっぱりチームの勝ちを最優先して、自分が犠牲になって塁を進めるというように、自分が中心ではなく自分を犠牲にしなけなればならないと思います。自分の役割を全うするだけです。

ーー差し支えなければ、卒業後も競技を続ける予定なのか教えていただきたいです

 はい、続ける予定です。

ーー内野手のレギュラー争いが激しくなっていますが、そこに関してどのように捉えていますか

 全員で4つの枠を争うそれだけだと思うので、自分が結果を残すところがまず大事だと思います。その上で周りが切磋琢磨(せっさたくま)することで、全体のレベルが上がっていくと思うので、そこはいいことだと思います。

ーーリーグ戦で山縣選手が早大の選手の中で注目している選手はいますか

 伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)ですかね。11番をもらって、 エースとしての自覚を持ちながらやってもらいたいと思ってますし、普段から結構一緒にいるので注目してほしいです。

ーー普段伊藤樹選手とはどのようなことを話していますか

 野球の話が多いですね。ご飯に誘うとすぐに行くって言いますし、結構仲良くやってます。

ーーリーグ戦のへの目標を教えてください

 個人としては数字は意識せず、チームにどれだけ貢献できるかというのを一番大事にやっていきたいかなと思ってます。チームとしてはもちろんリーグ優勝、日本一が目標です。

ーー最後にリーグ戦への意気込みをお願いします

 ラストイヤーなので、優勝して終えるように頑張ります。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆山縣秀(やまがた・しゅう)
2002(平14)年5月1日生まれ。176センチ。東京・早大学院高出身。商学部4年。最近グローブを新しくした山縣選手。グローブの面を大きく使うために少し浅めな作りにしていると話してくださいました。こだわりのグローブでコンバートした遊撃手でも魅せるプレーをしてくれるでしょう!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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