【柏レイソル】勝利に導く「新たな風」は俺たちだ!2年目のFW山本桜大が追う細谷真大の背中
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そこに名乗りを挙げたいのが、プロ2年目のFW山本桜大(やまもと おうた)。2004年生まれの19歳だ。これまでリーグ戦7試合に出場、カップ戦では合計5試合に出場。天皇杯2回戦では、プロ初ゴールもマークしている。ただ、山本は新シーズンに向けて「何試合か出るというのではなく、スタメンで出続けて、監督やサポーターの皆さんの信頼を得ることが今年の目標です」ときっぱり言い切った。
ルーキーイヤーの2023年。当時チームを率いていたネルシーニョ監督は、1月のキャンプからいち早く山本に注目していた。「彼の良さは、スピードやクリエイティブなプレー。そして攻撃から守備への切り替えや献身的な守備だ」。過去には酒井宏樹(現浦和レッズ)、細谷ら、経験は乏しくとも才能の一端を見せる若手を迷いなく抜擢してきたその目に、山本のプレーも明るく映った。トレーニングマッチやプレシーズンマッチ「ちばぎんカップ」でプレータイムを与えられ、デビューの日が近いことを予感させた。事実、リーグ開幕戦のガンバ大阪戦では、75分から途中出場。レイソルでの高卒ルーキーの開幕戦出場は、1996年の明神智和、2003年の大谷秀和、矢野貴章、2008年の大津祐樹、2010年の茨田陽生以来、6人目の快挙だった。
昨年のリーグ開幕戦で高卒ルーキーデビューを果たした 【©️KASHIWA REYSOL】
それでも若さゆえの回復力や懸命のリハビリが実り、シーズン終盤に戦列復帰。監督を引き継いだ井原正巳にも前線の戦力のひとりとして期待を寄せられた。そんな山本に人生最大の舞台が訪れる。12月9日、第103回天皇杯決勝戦。川崎フロンターレとの激闘は後半になっても0-0のまま、拮抗していた。そんな状況を打開しようと、井原監督が最初に切ったカードが山本だった。「全然緊張しませんでした」と、恐れを知らない19歳がピッチで躍動した。持ち味のドリブルで歴戦の川崎ディフェンダーを相手に仕掛け続け、果敢にゴールに迫った。最後のPK戦では絶対に外せない7人目のキッカーとして、ペナルティスポットに歩み寄る。右足のシュートはGKにコースを読まれたものの、体の下を際どくすり抜けてのゴール。強心臓と強運は、ストライカーになくてはならないもの。残念ながらPK戦に敗れ優勝という最高の栄誉は得られなかったものの、それにも匹敵する貴重な経験を得られたルーキーイヤーだった。
天皇杯決勝戦では重圧を感じさせない堂々のプレーぶりだった 【©️KASHIWA REYSOL】
山本は「自分も走れる方ですし、守備は当然求められます。そこは完璧にこなさないといけない。康太くんはすごくうまいテクニック系の選手で、自分とはタイプが違うと思いますが、試合にも使ってもらうためには、守備にプラスしてゴールに絡むという結果を残していく必要があります。練習から意識しているのは、自分の力でゴールを決めること。味方からのパスやクロスで決めることも良いことですが、ここから先のことを考えたら個人でゴールを取れる力を磨かないといけないと思っています」
小学4年からレイソル一筋。成長痛での苦しみを乗り越え成長した 【©️KASHIWA REYSOL】
もちろん、憧ればかりでは追いつけないことも分かっている。「真大くんは今、日本代表に選ばれていて、すごく高い壁だと思うんですけど、自分がその上を行くためには越えなきゃいけない。すごく高い壁ですけど敵わないと思いすぎず、自分らしくめざしていきたいです」
一方で、細谷と山本は、トレーニング後にリフティング競争に興じるなど、仲の良い兄弟のような雰囲気も醸し出している。細谷は「桜大は1年目から試合に絡めているので、率直にすごいと感じましたし、実際に天皇杯決勝で堂々とプレーしていたのは、やっぱり彼の良さだと思います。ドリブルは自分よりうまいなって感じますし、なんて言うのか、独特のタイミングを持っているんで、相手からしたらすごく嫌な選手なのかなと。本当にいいものを持っていると思います」。互いを認め合う先輩と後輩の関係ができあがっている。
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その思いをプレーで表現する最初の舞台は、2月18日(日)、伝統の千葉ダービー「ちばぎんカップ」(三協フロンテア柏スタジアム、14時キックオフ)。そして翌週25日(日)には明治安田J1リーグの開幕戦、京都サンガF.C.戦(三協F柏、14時キックオフ)だ。山本桜大の2年目、さらなるブレイクを期する。
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