JLPGA新しいヒロイン《96期生・小西 瑞穂》

チーム・協会

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

こにし・みずほ=1998年5月20日、広島県尾道市出身

 年明けから、しっかり体力づくりのトレーニングを行った。2月はハワイで指導を受ける、佐伯三貴の合宿へ参加。開幕戦へ備え、今度は技を磨く。QTランキング23位で、JLPGAツアーの第1回リランキングまでの出場権は確保した。

 「楽しみです。去年はそれを目指し、懸命にやってきたわけですから。でも、このオフはやらなくてはならないものがたくさん増えた。プレーでいえば、やはり飛距離がほしい。でも、1、2月で大幅にのびるのはちょっと厳しいでしょう」と区切り、「パッティングをもっとやらなくてはいけない。10メートル以内なら、バーディーチャンスだと思って、カップインできる回数を増やすことがテーマのひとつです」と話した。

 ルーキーイヤーとはいえ、浮ついたところはなし。しっかりとした自己分析の上で、「私はドーンとハデなプレーをするタイプではない。アマチュア時代から小技でしのぐ方です。でも、今のJLPGAツアーはただのアンダーパーではなく、それこそ本当にいいスコアを出さなければ、順位が落ちて行く。プレーはハデではないけど、スコアは出さなくてはいけません」と、ほほ笑みながら語っている。

 佐伯との出会いは、東北福祉大を卒業間近の頃だ。「2年の終わりに(佐伯)三貴さんが一線を退くことになった。だけど、はじめてお会いしたのは4年です。私はジュニアの頃から父がずっとコーチをしていた。だから、父以外に指導をうけたことはありません。在学中、ゴルフ部の指導に来てくださって計2回、女子部員は20人ぐらいでしたけど、ちょこちょこと全員が指導を受け、すごくいいなぁと感じました」という。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 卒業後は実家へ戻るつもりだった。すぐさま、電話で指導をお願いすると快諾。「プレーはもちろんでしたけど、性格も姉御肌というのか本当に良き師と巡り合えたという感じです。今年4月で4年目になるわけですけど、一昨年の夏ぐらいからショットが安定したのは三貴さんのおかげ。オーバーパーを打たなくなったし、22年、大洗の最終プロテストぐらいかなぁ。オーバーパーだったのは・・・」と手応えを言葉にする。

 とはいうものの、23年は年間を通してあまり調子がいいとはいえない一年。にもかかわらず、最終プロテスト合格、QTファイナル23位と結果を残した。さて、どこが違ったのだろう。

 「ここぞ、という時の気持ちです。最終プロテスト、QTファースト、QTファイナルは第2日を終え、圏外の順位。それが最終日へ近づくにつれ、スコアが良くなっていった。あの3試合は気持ちの持ちようでした。何が違うか、うまく説明ができないけど、逃げなくなった。そうです。これが適当な表現でしょう」

 失敗が許されない時、正面から立ち向かっていく姿勢が身についたのだ。まさに佐伯流である。通常はていねいなプレーが持ち味でも、それだけでは生き残れないのがJLPGAツアーの現状なのだ。そうした状況をしっかり把握しているのが、はっきりと見て取れた。

 ところで、取材時、尾道市出身ということを見落としていた。小津安二郎の名作、東京物語のロケ地となり、その後は映画の街、アニメの聖地としても有名だ。この件は改めて。シーズン中、忘れないようにメモをしておいた。
(青木 政司)
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