吉田輝星、野村佑希ら甲子園のスターを指名 北海道日本ハムの2018年ドラフトを振り返る

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北海道日本ハムファイターズ・野村佑希選手(左)万波中正選手 【写真:球団提供】

「ドラフトは5年待て」

 かつて甲子園を沸かせた吉田輝星投手や野村佑希選手らは、昨季でプロ5年目を終えた。今回は、彼らが指名を受けた北海道日本ハムの2018年ドラフトを振り返っていく。

吉田輝星(1位・金足農業高)

【一軍通算成績】
64試合 3勝9敗 99.2回 68奪三振 防御率6.23 WHIP1.54

 ドラフト1位指名は、2018年夏の甲子園で「金農旋風」を巻き起こした吉田投手。

 2019年6月12日、札幌ドームで行われた対広島戦でプロ初登板初勝利を記録する。しかし以降は思うような成績が残せず、3年目を終えた時点で一軍通算10試合登板に終わった。

 2022年は主に中継ぎとして起用され、自己最多の51試合に登板も、防御率4.26の成績。2023年は一軍3試合の登板にとどまった。

 今オフにオリックス・黒木優太投手との交換トレードが成立。同郷の中嶋聡監督を胴上げするべく、飛躍を遂げたい。

野村佑希(2位・花咲徳栄高)

【一軍通算成績】
338試合 1311打席315安打29本塁打134打点75四球 打率.259 出塁率.306 OPS.696

 2位では甲子園での優勝経験を持つ、野村選手が指名された。

 1年目こそ股関節の脱臼により長期離脱も、2年目に「8番・三塁手」として開幕スタメンを勝ち取る。度重なるけがの影響で離脱を余儀なくされたが、昨季は自身初の100試合以上に出場し、初の2桁本塁打も記録。エスコンフィールドのチーム初本塁打も放った。

生田目翼(3位・日本通運)

【一軍通算成績】
15試合 1勝4敗 38.1回 24奪三振 防御率4.46 WHIP1.30

 3位では、大学時代から名を馳せていた生田目翼投手を指名。

 2年目までは結果を残せなかったが、3年目となる2021年に二軍で最優秀防御率のタイトルを獲得。29歳となる今季、新庄剛志監督は先発で起用するとコメント。最速156km/hのスピードを武器に、一軍定着なるか。

万波中正(4位・横浜高)

【一軍通算成績】
292試合 1033打席226安打44本塁打127打点57四球 打率.236 出塁率.283 OPS.717

 4位で指名されたのは、高校通算40本塁打を記録した万波中正選手。

 2022年に100試合で14本塁打と、大器の片鱗を見せると、昨季はその才能が開花した。141試合に出場し、打率.265、25本塁打、74打点をマーク。全ての成績においてキャリアハイを更新し、ベストナインにも輝いた。

 本塁打王はわずか1本差で逃すも、33二塁打はリーグトップタイ。また打撃のみならず、持ち前の強肩を生かした守備では、自身初のゴールデン・グラブ賞を獲得した。

柿木蓮(5位・大阪桐蔭高)

【一軍通算成績】
4試合 0勝0敗 4.1回 1奪三振 防御率2.08 WHIP0.92

 5位では、大阪桐蔭高の春夏連覇に貢献した柿木蓮投手を指名した。

 プロ入りから3シーズンは一軍登板なし。4年目の2022年に一軍初登板を果たすと、1イニングでバット2本を折る衝撃的なデビューを飾る。しかし同オフに育成契約に。昨季は二軍で33試合に登板、防御率2.21の成績だった。

田宮裕涼(6位・成田高)

【一軍通算成績】
31試合 60打席13安打2本塁打9打点1四球 打率.228 出塁率.241 OPS.610

 6位で入団したのは、成田高校の田宮裕涼選手。持ち味である俊足と強肩は高校時代から定評があり、素材型捕手として指名を受けた。

 入団後は二軍で多くの試合に出場。昨季終盤には一軍に昇格、打率.258、2本塁打をマークなどアピールに成功した。

福田俊(7位・星槎道都大)

【一軍通算成績】
77試合 1勝0敗 71.2回 60奪三振 防御率2.26 WHIP1.23

 7位指名は地元・北海道出身の福田俊投手。

 即戦力投手として期待を受け、2年目には一軍で30試合に登板した。2021年は5試合、2022年は13試合登板に終わったが、昨季は29試合に登板。宮西尚生投手が持つ「開幕から29試合連続無失点」の球団記録に並び、防御率0.00でシーズンを終えた。
 7選手中、高卒選手5名を指名した2018年ドラフト。素材型を数多く獲得したが、昨季はベストナインの万波選手を筆頭に、野村選手、福田俊投手が一軍の戦力として活躍した。吉田輝星投手も2022年に51試合登板、田宮裕涼選手も存在感を示している。5年経過した時点では、評価の高いドラフトとなったのではないだろうか。

 当時18歳で入団してきた選手は、昨季入団した矢澤宏太選手、金村尚真投手、奈良間大己選手と同世代。彼らは1年目から一軍で存在感を示し、2年目のシーズンを迎える。新庄剛志監督3年目の今季、若手の競争でチーム力を上げ、悲願の優勝を成し遂げたい。

文・輿水佑一郎
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