ロッテ 吉井監督 大事にしているのは自分が話をするのではなく選手に話をしてもらうこと。聞くことを重視した対話

千葉ロッテマリーンズ
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千葉ロッテマリーンズ吉井理人監督 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 気楽に話しかける。就任一年目の吉井理人監督は選手たちとの対話を大事にした。時には選手たちが話し込んでいる輪の中にも積極的に入り込んだ。

 「大事にしているのは選手に話をしてもらうこと。こっちから一方的にこうした方がいいと伝えるのではなくて、聞いてあげることや、こちらが質問をする形をコーチ時代から大事にしてきた。言われてやるのではなくて、自分の頭で考えて行動をして欲しい。考えて、試して、分かる。その繰り返し。若い時からそういうクセをつけて欲しいと思っている」と吉井監督は話す。

 人は自分について話をすることで頭の整理ができるというのが指揮官の持論だ。だから、アドバイスをするのではなく聞く。「どう思っているの?」と質問をする形をとっている。

 「こちらとしては答えが分かっている時でも、あえて質問をする。知っているけど、言うべきではない。こっちが答えを教えるのは簡単。でも、それはすぐに忘れてしまう。自分で導き出していかないと身につかない」(吉井監督)

 その意味ではメディアの取材も選手たちに積極的に行って欲しいと思っている。試合で負けた時、上手くいかなかった時こそ好機だ。そういう時こそ、メディアの前に立って、なにが悪かったのか、どうすべきだったのか。自分なりの考えを口にする。言語化することで頭は整理される。ハッと気が付くことがある。

 「自分のことをもっともっと知ってもらいたい。なにが足りないのか。逆に何が強いのか。どれだけ可能性があるのか。自分で自分と向き合って、考えて、もうちょっと知るようにすれば、人は成長できる」と指揮官は若い選手たちを優しく見つめながら語る。

 このようなアプローチで若いチームは少しずつ考える力、自分を知る力を身につけていった。仙台で行われた勝てば2位、負ければ4位になるというシーズン最終戦を勝ち抜いた。クライマックスシリーズファーストステージ第3戦では延長十回に3点を失う土俵際から跳ね返し、4点を奪い勝利し幕張の奇跡と語られる伝説を生みだした。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
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