歴史ある街にスポーツが溶け込む! パリで開催されたパラリンピックデーが大盛況
会場となったレピュブリック(共和国)広場はパリのランドマークの一つ。3.4ヘクタールという巨大な広場の中央には、フランス共和国と自由を象徴する女神像マリアンヌがそびえる。今回はイベントの様子から、パラリンピックまであと1年を切ったフランスのムードの一端を覗いてみたい。
マクロン大統領からパリ市長、100人超のパラアスリートが集結!
会場には100人超のパラアスリートたちが集結。デモンストレーションやパラスポーツ体験、サイン会など、選手たちと直接触れ合える絶好の機会となった。
会場には車いすテニス、車いすバスケットボール、車いすラグビー、柔道、シッティングバレーボール、卓球、カヌーなどのパラリンピック競技のほか、クライミングやスケートボードなどの人気スポーツがそろい、選手によるデモンストレーションや体験を楽しむ多くの来場者でにぎわいを見せた。
会場を盛り上げたパラアスリートたち
アーチェリーとの出会いは偶然で、失業中の2010年にTVで狩猟のシーンを観てこれだ、と閃いたという。
「弓を買いに行った店で、店員に聞かれたんだ。どうやって使うつもりかと。家へ帰って、両腕のない人間が弓を引く方法をGoogleで検索したけれど、一件も見つからなかったね。それで自分で研究したんだ」とユーモアたっぷりに語る。
「スポーツに限らず、何事にも不可能なんてないんだ。自分がその例として、多くの人に感じてもらいたい」と聴衆の心に深く刻まれる言葉を贈り、大きな拍手を受けた。
いち早くパリ2024大会の出場を決めているフランスのパラアスリートたちも、聴衆から喝采で迎えられた。
みんなが参加しやすい、広く開かれたイベント
最初に選手たちが競技のデモンストレーションを行い、続いて参加者がチャレンジしていく。来場者はファミリー層が多く、幼い子どもたちも親と一緒に参加していた。
開催場所の便利さに加え、荷物のセキュリティチェックさえ受ければ入場フリー、参加無料という垣根の低さ。DJセットからは常時音楽が流れてフェスさながら、堅い雰囲気はみじんも感じさせない。フランス国内メディアの注目度も高く、お昼のニュースでもイベントのにぎやかな様子が流れた。
入場自由の野外イベントのため正確な数字は出ないものの、主催者の発表によれば数万人規模の記録的な来場者数だったという。パリ2024パラリンピックのチケットは半数以上が25ユーロ以下と手頃な価格で、家族パスの割引なども充実している。公式販売開始日前日というピンポイントのタイミングで行われたこのパラリンピックデー。パラリンピック競技の周知とパラスポーツの普及、そしてチケット発売のプロモーションという効果は十分に得られたはずだ。「Games Wide Open」をスローガンに掲げるパリ2024大会は、今回のイベントのように街にスポーツが溶け込んだ、高揚感ある場となるのではないだろうか。
text by Yuka Miyakata(Parasapo Lab)
photo by Mika Inoue
※本記事はパラサポWEBに2023年11月に掲載されたものです。
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