次回は名古屋! 杭州で開幕するアジアパラ競技大会の見どころ

チーム・協会

【photo by Asuka Senaga】

4年に一度、アジアパラリンピック委員会(APC)が主催する総合スポーツ大会が2026年に名古屋で開催されることをご存じだろうか。

そのひとつ前の大会、「杭州2022アジアパラ競技大会」が22日、1年の延期を経て中国・杭州で開幕する。

2026年の名古屋で活躍するであろう若手選手も多く参加するほか、パリ2024パラリンピックの出場権をかけて行われる競技・種目もあり、出場する選手たちの心は燃えている。

卓球と車いすテニスに注目!

男子シングルス世界ランキング3位の八木克勝は、次回開催都市がある愛知県出身だ(写真は、木下グループ ITTF JAPAN PARA OPEN 2023) 【photo by Takamitsu Mifune】

アジアパラの2週間前に閉幕し、日本代表選手団が金52個を含む188個のメダルを獲得した「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」から刺激を受けた選手も多い。

卓球の岩渕幸洋(クラス9)は話す。

「卓球は中国で人気のある競技。テレビでアジア大会を見て会場の雰囲気などやりづらいのではないかと思ったが、早田ひな選手らが中国選手を破って勝ち上がる姿を見て、どんな環境でも自分を信じることができれば自ずといいパフォーマンスにつながるのだと勉強になった。いいイメージをもって取り組みたいと思っています」

卓球はシングルスで優勝すればパリパラリンピックの出場権を獲得できる。東京2020パラリンピックにあと一歩で出場できなかった七野一輝(クラス4)、8月のジャパンパラオープンのシングルス王者・八木克勝(クラス7)らが出場。パリの出場権を勝ち取ることができるか。

今大会の日本代表選手団で主将の大役を担うのは卓球の岩渕。「緊張感の高いプレッシャーのかかる大会だが、シングルスの金メダル獲得を目指してベストパフォーマンスをしたい」と力を込めた。

車いすテニスの上地結衣は前回のアジアパラでパラリンピック切符をつかんだ (写真は飯塚国際車いすテニス大会) 【photo by Tomohiko Sato】

日本のメダル量産が期待される車いすテニスも、男女シングルス優勝者にパリパラリンピックの出場権が与えられる。前回の「インドネシア2018アジアパラ競技大会」では国枝慎吾、上地結衣が優勝を飾り、いち早く東京パラリンピックの出場資格を獲得。東京大会ではメダル獲得の活躍を見せた。直近の20日まで東京・有明で開催された「木下グループジャパンオープン2023」で初優勝を飾った17歳の小田凱人がパリ切符獲得に挑む。同準優勝でダブルス優勝の眞田卓はベテランならではの試合運びで勝機をにらむ。

木下グループジャパンオープン2023のシングルスで優勝した小田凱人は「勝てば正式にパリが決まる。すごく楽しみ」と話す 【photo by Jun Tsukida】

同じくパリの出場権がかかる射撃は、5月のワールドカップで女子選手中2位となり、パラリンピック全競技の日本代表として1枠目となるパリパラリンピック出場権を獲得した瀬賀亜希子らが出場する。

世界への登竜門

「総合大会であるアジアパラは、結果を求められると同時に、異競技と情報交換をする好機会」とはテコンドーの作田武俊監督。「選手村という特別な空間で様々なことを試したい」とパリパラリンピックを見据えて語る。テコンドーも、アジアパラはパリ出場資格獲得の対象大会になる。

選手村に入ったテコンドーの工藤俊介(左)と阿渡健太 【photo by Takamitsu Mifune】

選手45人、競技パートナー1人の大所帯で挑むのが陸上競技。ことし7月と来年5月に世界選手権があり、その間にある今大会は出場しない選択をした選手も多くいる。だが、多くの若手にとって今大会は世界への登竜門になる。中国勢の脅威はあるものの、日本はメダルを量産するだろう。

アーチェリーは東京パラリンピック日本代表の上山友裕と重定知佳(ともにリカーブ)の両エースが健在だ。自転車競技も杉浦佳子ら世界で活躍する3選手が名を連ねた。

前回大会で日本代表チームの主将を務め、最多5個の金メダルを獲得したのは水泳の鈴木孝幸だ。その鈴木や山口尚秀ら5人のパラリンピックメダリストに加え、今大会における日本代表選手団最年少15歳の川渕大耀(S9)ら次世代選手を多く擁してメダル量産を狙う。

柔道は日本代表のエース、廣瀬順子(J2クラス・57㎏以下級)のほか、競技復帰したリオ2016パラリンピック銀メダルの廣瀬誠(J1クラス)らが出場し、パリ出場に向けたランキングポイント加算を狙う。

アジアパラで初めて実施されるのがカヌー。瀬立モニカら東京パラリンピック日本代表全6人を含む8人がエントリーしている。

同じ水上競技のローイングは、Jスタープロジェクト(スポーツ庁による未来のトップ選手を発掘するプロジェクト)6期生の髙野紋子が初代表に。東京パラリンピック以降、男女2人ずつ合計4人で出場する舵手つきフォアのメンバーが初めて揃った。

ゴールボールは、8月の国際大会で優勝しパリ切符をつかんだ男子と、決勝で中国に敗れたもののパリ出場濃厚の女子がそれぞれ若手を加えたメンバー構成でさらなるレベルアップを図る。

パリ出場の決定を待つ状態にあるブラインドフットボールも、長年日本代表の壁として立ちはだかる中国をここで倒して自信をつけたい。

パリ出場権獲得に弾みを

車いすバスケットボール日本代表は男女ともにパリの出場権をまだ手にしていない。とくに男子は銀メダルに輝いた東京パラリンピック以降、国際大会経験がほとんどなく、イランなど来年パリ切符を争うライバルと実践で顔を合わせる貴重な大会になる。

また、ボッチャ、バドミントン、パワーリフティング、シッティングバレーボールは、アジアが世界の強豪とあって激しい戦いが繰り広げられること必至だ。

日本代表選手団旗手を務めるシッティングバレーボール女子日本代表の波田みかは「3月のパリパラ最終予選につながる大事な大会なので結果を残したい」 【photo by Asuka Senaga】

車いすフェンシングも10月上旬の世界選手権でエペ(カテゴリーC)を制した藤田道宣らトップフェンサーが集結。パリパラリンピックに向け実力を確かめる絶好の機会となりそうだ。

そして、パラリンピック競技以外では、ローンボウルズに日本から2人が出場する。

日本代表選手団の井田朋宏団長は18日に行われた日本代表選手団の結団式であいさつに立ち、選手団の特徴をこう説明した。

「259名の選手のうち、10~20代が半数を占めている。東京パラリンピック出場者も半数を占めており、Jスタープロジェクト出身者も6競技18名代表入り。ベテラン、中堅、若手、あるいはトップ選手から次世代選手まで、多岐にわたる選手で構成されたチームになった」

今大会における各競技日本代表の目的はさまざまだが、アジアナンバーワンの称号を手にし、パリ、そして名古屋につなげたい。

text & key visual by Asuka Senaga

※本記事はパラサポWEBに2023年10月に掲載されたものです。
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