ラリーガ EA SPORTS、新シーズン開幕直前プレビュー
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王者バルセロナには、昨季トロフェオ・サモラ(最小失点GK賞)に輝いた守護神マルク=アンドレ・テアシュテーゲン、トロフェオ・ピチチ(得点王)を受賞したロベルト・レバンドフスキが今季も健在。さらにイニゴ・マルティネス、イルカイ・ギュンドアン、オリオル・ロメウら経験豊富な選手も加わったが、タイトルを争う首都マドリーの2チームも大型補強を実現している。
レアル・マドリーの目玉補強はジュード・ベリンガムだ。若さに似合わぬ熟練のプレーを見せる20歳の新鋭は先日、昨季のブンデスリーガの最優秀選手に選ばれたばかりだ。さらにはトルコの新星アルダ・ギュレル、左サイドを鋭くえぐるフラン・ガルシア、昨季エスパニョールで16ゴールを量産し、トロフェオ・サッラ(スペイン人得点王)に輝いたホセルも加わっている。
アトレティコは昨季の後半戦に最多勝ち点を獲得した自信と共に新シーズンを迎える。今夏にはハビ・ガラン、チャーラル・ソユンジュ、サンティアゴ・モウリーニョ、チェルシーの元主将セサル・アスピリクエタらを続々と補強。さらにはレイニウドも長期離脱から復帰し、十分にタイトルを狙える陣容が整った。
【© FC Barcelona】
【© Real Madrid】
【© Atlético de Madrid】
三つ巴の争いが予想されるタイトルレースと同様に、毎シーズン熾烈を極める4位争いも必見だ。過去10年間、バルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコと共にチャンピオンズリーグ出場権を獲得したのは5チームのみ。昨季、10年ぶりにその切符を手にしたレアル・ソシエダ、そしてヨーロッパリーグ王者としてチャンピオンズリーグに出場するセビージャは今季も4位争いをリードする存在と見られている。
セビージャはホセ・ルイス・メンディリバル監督が就任した3月以降に息を吹き返し、ヨーロッパリーグ優勝という最高の形で昨季を終えた。オフにはモンチ・スポーツディレクターがクラブを去ったが、後任のビクトル・オルタがロイク・バデの買取やアドリア・ペドロサ、フェデリコ・ガットーニ、ジブリル・ソウらの獲得に奔走している。
対照的に、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は現チームのベースの維持を最優先。これまで大きな動きを見せていないものの、完全復活が期待されているミケル・オヤルサバルに加え、膝の負傷で昨季を棒に振ったウマル・サディクも戦列に復帰している。
4位争いの有力候補と見られているこの2チームを脅かすライバルとしては、第一にベティスが挙げられる。クラブ史上初となる3シーズン連続でのヨーロッパリーグ出場権獲得を成し遂げたマヌエル・ペジェグリーニ監督は、この夏にイスコ、マルク・ロカといった新戦力を獲得。さらにマルク・バルトラ、エクトル・ベジェリンらの復帰も実現し、充実の陣容で就任4シーズン目を迎える。
ビジャレアルも4位争いに食い入る可能性を秘めている。昨季半ばに就任し、チームを7位から5位に引き上げたキケ・セティエン監督にとっては腰を据えてチーム作りに取り組める初めてのシーズン。昨季レアル・ソシエダで活躍したアレクサンダー・ソルロート、チリ代表FWベン・ブレアトンといった実力者も補強しており、面白い存在となりそうだ。
昨季7位のオサスナも主力の大半を維持しており、上位を狙える好チームだ。カンファレンスリーグに出場する今季は過密日程との戦いになるが、昨季の躍進を再現できるか。一方、昨季はそのオサスナに7位争いで競り負けたアスレティック・クルブには国内での戦いに専念できる利点がある。主要メンバーの入れ替わりはほぼ皆無であり、就任2年目のエルネスト・バルベルデ監督の手腕が問われるシーズンとなりそうだ。
【© Sevilla F.C.S.A.D.】
【© REAL BETIS BALOMPIÉ.】
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セルタとラージョ・バジェカーノにとって、今季はクラブ創立100周年を迎える点でも特別なシーズンとなる。セルタは8月23日に迎える100周年記念日を前に、バレンシアを率いて2001/02、03/04シーズンのラリーガ EA SPORTSを制した経験を持つラファ・ベニテス新監督を招へい。来年5月29日に100周年を迎えるラージョは退任したアンドニ・イラオラ前監督の後任にフランシスコ・ロドリゲス監督を迎えている。
昨季終了後にルビ前監督が退任したアルメリアも、新監督と共に新シーズンを迎える。ラリーガ EA SPORTS残留を託されたビセンテ・モレノ新監督は、8月11日の開幕戦でフランシスコ率いるラージョと対戦する。
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ラリーガ HYPERMOTIONからの昇格組3チームにとっては、残留が今季の唯一にして最大の目標となる。1年でのラリーガ EA SPORTS復帰を果たしたグラナダとアラベスは熱狂的な地元ファンの後押しを力に、トップリーグへの定着を目指す。
一方、2018年以来の昇格を果たしたラスパルマスは、ラ・マシア育ちのガルシア・ピミエンタ監督が魅力的なフットボールを実践している。サハラ砂漠と同等の緯度に位置し、ヨーロッパ5大リーグ最南端のクラブであるラスパルマスの参戦により、ラリーガ EA SPORTSの「勢力図」は大きく広がった。
ラスパルマスの本拠地エスタディオ・グランカナリアの他にも、久々にラリーガ EA SPORTSの試合会場となるスタジアムがある。バルセロナのモンジュイックにあるエスタディオ・オリンピコ・リュイス・コンパニスだ。2009年までエスパニョールの本拠地だった同スタジアムは今季、スポティファイ・カンプノウの改修工事が本格化したバルセロナのホームゲームで使用される。バルセロナオリンピックのメイン会場で昨季王者のプレーが見られる機会は今季しかない。シャビ監督率いるバルセロナが連覇の快挙を成し遂げるためには、新たな本拠地で最大限に勝ち点を積み重ねる必要がある。
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