パラグライダー世界選手権 平木が女子5位入賞 日本勢は小林の48位が最高位

2023年5月20日から6月3日にかけてフランスのサヴォワ地方で第18回パラグライディング世界選手権が開催された。世界選手権は、世界チャンピオンを決める為に2年毎に開催される最高峰の大会で、前回は2021年にアルゼンチンで開催されている。

出場選手は、厳しい競技実績の基準をクリアした世界で150名のみ。日本代表として出場するのは、小林大晃、平木啓子、廣川靖晃、成山基義、上山太郎の5名となる。

【©JHFパラグライディング競技委員会】

空中のオリエンテーリングとも例えられるこの競技は、飛行しながらチェックポイントを順番に通過し、誰が一番早くゴールするかを競う。毎日、スタートからゴールまで最短で100km前後の距離となるチェックポイントが決められるが、パラグライダーは動力を持っていない為、最短距離を飛んでもゴールまで辿り着けずに降りてしまう。上昇気流のあるルートを予想し、時には遠回りをしてでも降りずにゴールをすることが必要となる。ここに戦略や技術、経験の違いが表れるので面白い。競技は毎日100km程のレースが12日間続き、その合計ポイントで順位を競う。

【©JHFパラグライディング競技委員会】

競技初日、地元のフランス選手を筆頭に地の利があるヨーロッパ勢がリードする展開で始まる。レース中盤、晴天から曇り空へと天気が変わり上昇気流が弱くなると、この変化を味方につけた小林、平木、上山が躍進しトップ争いを演じる。レース終盤、日本人3選手を含む20名程でトップ争いの展開となるが、先を急ぎすぎた上山は残念ながらゴールまでたどり着けずリタイアとなる。難しい場面を凌いだ小林大晃は、そのまま10番手でゴールに滑り込み、続く平木啓子も14番手ゴールと上々の滑り出しを見せる。

【©JHFパラグライディング競技委員会】

この勢いのまま翌日以降も続きたいところだが、好天により上昇気流が活発になると地元勢の強さが際立ってくる。この地方特有の断崖絶壁が続く地形は、日本とは違う上昇風を生み出し、求められる戦略やテクニックも異なる。ここを知り尽くす地元のヨーロッパ選手勢を追いかける展開が続くが、それでも日本勢は持ち前の安定感ある飛びを発揮し着実なゴールを重ねる。

【©JHFパラグライディング競技委員会】

12日間の競技期間中、3日間は悪天候により競技中止となったが、残りの9日間のレースで日本チームは必ず2名のゴール者を毎回出すチームワークを発揮し全54ヵ国中14位と、ヨーロッパが本場のパラグライダー競技において堂々たる結果を残した。

個人では、平木啓子が女子5位の健闘を見せ、総合では小林大晃が150選手中48位で日本勢最高位となった。

【©JHFパラグライディング競技委員会】

結果
1位 マキシム・ピノ(フランス)
2位 オノラン・アマー(フランス)
3位 ピエール・レミ(フランス)
48位 小林 大晃
62位 平木 啓子 (女子5位)
79位 上山 太郎
88位 廣川 靖晃
148位 成山 基義

【©JHFパラグライディング競技委員会】

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著者プロフィール

公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟は日本国内のハンググライダー及びパラグライダーに関するスポーツの統括代表機関として、ハンググライディング及びパラグライディングによる航空スポーツの発展と普及のための公益目的事業を行っています。

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