藤本麻子、狙うはブランク優勝の記録更新のみ
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
JLPGAツアー2023シーズン第18戦『資生堂 レディスオープン』(賞金総額1億2,000万円/優勝賞金2,160万円)大会第3日が7月1日、神奈川県横浜市・戸塚カントリー倶楽部西コース(6,605ヤード/パー72)で行われた。途中降雨によるコースコンディション不良のため、25分間の中断があったが、無事に18ホールを終了。宮田成華、岩井明愛、藤本麻子、桑木志帆の4人が7アンダーの首位に並ぶという大混戦となった。1打差の5位、6アンダーには櫻井心那がつけている。
(天候:雨 気温:24.8℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:22.5mm》
スタート時からシトシトと雨が降り続いたことで、どの選手も集中しにくい状況ではあったが、久しぶりに最終組でスタートした藤本麻子も例外ではなかった。「なんかバタバタしてしまって、思うように自分のゴルフができませんでした」。ショット自体はそれほど悪くなかったが、パッティングでは雨に濡れたグリーンの影響で転がりが悪くなっていると思い、つい強く打ち過ぎてしまったという。その結果、前半は3パットのボギーが2回あり、7番ホールを終えたときはスコアを4つも落としていた。この時点で首位と5打差になり、藤本の心も挫けそうになる。
「本気で家に帰りたいと思いました」。しかし、そんな藤本をサポートしたのがハウスキャディーとギャラリーだった。8番で7メートルのバーディーを打った後だ。キャディーからは「ここからだよ。強気で行くよ」と励まされ、ギャラリーからも「ここから、ここから」と声を掛けられた。「そういった言葉が心に染みましたね。頑張ろうという気持になりました」。挫けそうだった藤本にもう一度闘争心の火が灯る。
19年に9年間守り続けてきた賞金シードを手放し、ここ数年間は苦しいゴルフが続いていた。それでも藤本はシード選手として復活することを信じ、ひたすらボールを打ち続けた。その数は何万、何十万という数になるだろう。そんな努力を無駄にしないためにも、せっかくのチャンスを逃すつもりは毛頭ない。
後半に入ると怒涛のバーディーラッシュを演じた藤本。12番・パー4で2つ目のバーディーを奪うと、14番・パー3では5メートル、15番・パー4では8メートル、16番・パー5では3メートルを沈める。気がつけば、首位に1打差の4位タイにまで順位を上げていた。そして迎えた最終18番・パー4では、第2打を残り128ヤード地点から9番アイアンでピン左2メートルにつける。それをしっかり沈めて通算7アンダーの首位タイグループに食い込んだ。
(天候:雨 気温:24.8℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:22.5mm》
スタート時からシトシトと雨が降り続いたことで、どの選手も集中しにくい状況ではあったが、久しぶりに最終組でスタートした藤本麻子も例外ではなかった。「なんかバタバタしてしまって、思うように自分のゴルフができませんでした」。ショット自体はそれほど悪くなかったが、パッティングでは雨に濡れたグリーンの影響で転がりが悪くなっていると思い、つい強く打ち過ぎてしまったという。その結果、前半は3パットのボギーが2回あり、7番ホールを終えたときはスコアを4つも落としていた。この時点で首位と5打差になり、藤本の心も挫けそうになる。
「本気で家に帰りたいと思いました」。しかし、そんな藤本をサポートしたのがハウスキャディーとギャラリーだった。8番で7メートルのバーディーを打った後だ。キャディーからは「ここからだよ。強気で行くよ」と励まされ、ギャラリーからも「ここから、ここから」と声を掛けられた。「そういった言葉が心に染みましたね。頑張ろうという気持になりました」。挫けそうだった藤本にもう一度闘争心の火が灯る。
19年に9年間守り続けてきた賞金シードを手放し、ここ数年間は苦しいゴルフが続いていた。それでも藤本はシード選手として復活することを信じ、ひたすらボールを打ち続けた。その数は何万、何十万という数になるだろう。そんな努力を無駄にしないためにも、せっかくのチャンスを逃すつもりは毛頭ない。
後半に入ると怒涛のバーディーラッシュを演じた藤本。12番・パー4で2つ目のバーディーを奪うと、14番・パー3では5メートル、15番・パー4では8メートル、16番・パー5では3メートルを沈める。気がつけば、首位に1打差の4位タイにまで順位を上げていた。そして迎えた最終18番・パー4では、第2打を残り128ヤード地点から9番アイアンでピン左2メートルにつける。それをしっかり沈めて通算7アンダーの首位タイグループに食い込んだ。
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
久々の最終組でのプレーだったが、同組には同じ岡山県出身の桑木志帆がいたことで多少はリラックスできた。「メチャいい選手なので回りやすかったですね。『後半、何個バーディー獲っているんですか』、『分らないけど、結構きたかな』という話はしていました」。さりげない会話が藤本の心を解した。
仮に、今大会を藤本が制すると、11年の伊藤園レディス以来のJLPGAツアー2勝目となる。11年231日ぶりの優勝は、金田久美子が昨年の樋口久子 三菱電機レディスで更新した11年189日のツアー記録(88年ツアー制度施行後)を塗り替えることになる。「その辺は金田さんに了承をもらっています。『麻子が塗り替えるならいいよ』と言ってもらったので、遠慮なく抜きたいと思います」。首位タイに並ぶ他の3人は20代の選手ばかり。プロ15年目のキャリアが伊達じゃないことを証明することに抜かりはないようだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
仮に、今大会を藤本が制すると、11年の伊藤園レディス以来のJLPGAツアー2勝目となる。11年231日ぶりの優勝は、金田久美子が昨年の樋口久子 三菱電機レディスで更新した11年189日のツアー記録(88年ツアー制度施行後)を塗り替えることになる。「その辺は金田さんに了承をもらっています。『麻子が塗り替えるならいいよ』と言ってもらったので、遠慮なく抜きたいと思います」。首位タイに並ぶ他の3人は20代の選手ばかり。プロ15年目のキャリアが伊達じゃないことを証明することに抜かりはないようだ。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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