[FIFA女子ワールドカップ企画]なでしこジャパンOGインタビュー~川澄奈穂美選手(NJ/NYゴッサムFC)
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○オンライン取材日:2023年6月17日
――川澄選手はなでしこジャパンが優勝した2011年大会で女子ワールドカップに初出場されています。大会直前の心境など、記憶に残っていることを教えてください。
川澄 初めて代表に招集されたのが2008年で、以来、コンスタントに呼んでいただいていたこともあり、ワールドカップは一つの目標でした。代表に指定席があるとは思っていなかったので、所属チームで結果を出そうと思ってリーグ戦を戦っていましたし、大会の1カ月前ぐらいからは特にその意識が強かったと思います。
――実際にメンバーに選ばれ、大会に向かう時の心境を教えてください。
川澄 正直に言って、女子ワールドカップの重みは分かっていませんでした。理解するようになったのは優勝してからですね。当時は代表に選ばれることを重視していましたし、前年に出場したAFC女子アジアカップやアジア競技大会の延長線上というと軽く聞こえてしまうかもしれないですが、そういった認識でした。ただ、初めての世界大会だったので、もちろん選ばれてうれしい気持ちは大きかったです。緊張するとか、強い意気込みで女子ワールドカップに臨むという感じではなかったですね。
――2011年大会で優勝して“なでしこフィーバー”が起こり、期待が一気に高まった中で迎えた2015年大会に向けては心境の変化はありましたか。
川澄 その時は2011年とは立場も経験も違いましたし、先発で出させていただくことが多かったので、日本代表を背負っているという責任感は少なからず芽生えていました。2011年大会優勝と2012年のロンドンオリンピック銀メダルという結果を他の国がすごくリスペクトしてくれていることと、そんな日本を倒そうという意欲を強く感じたので、優勝するってこういうことなのかと実感しました。そのなかで決勝まで勝ち進んだのは本当に大変なことでしたし、当時の仲間も非常にたくましくて心強くて、「この人たちと一緒なら負ける気はしない」と感じながらプレーしていました。
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川澄 全員に期待しているのですが、同じリーグでプレーしていて、INAC神戸レオネッサでも一緒にやっていた杉田妃和選手(ポートランド・ソーンズFC)は、リーグ戦で毎試合とても良いパフォーマンスを見せているので、非常に期待しています。チャンスメークをしながら得点も重ね、献身的なプレーをしつつ観客を沸かせるようなプレーもできます。玄人目にも素人目にもすごく楽しませてくれる選手だと思うので、女子ワールドカップでも絶対に活躍してくれます。
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川澄 私が一アメリカ代表ファンなのですが(笑)、前回の2019年大会の時、アメリカのプレーを見ていて「この人たちは優勝するんだろうな」という雰囲気を感じていました。サッカーは番狂わせが大いに起きるスポーツなのですが、そのなかで本当に優勝してしまう強さに圧倒されました。ただ、今のアメリカは当時のチームからメンバーにも戦術にも変化がありますし、昨今のヨーロッパ諸国の成長ぶりを見ると、今大会は一筋縄ではいかないのではないかと感じています。ヨーロッパ各国がどういった作戦を立てて絶対女王アメリカに立ち向かうのか、UEFA欧州女子選手権2022で圧倒的な強さを見せたイングランドがどう仕掛けていくのか。本当に楽しみです。
――そのなかで、なでしこジャパンに期待していることを教えてください。
川澄 私自身、大会期間中に楽しさを感じる余裕はなかったのですが、振り返ってみるとすごく楽しかった記憶があります。今の代表選手たちがどう思うかは分からないですが、振り返った時にいい大会だったと思えるように戦ってほしいですね。そして、とにかく結果にこだわってほしいです。なでしこジャパンの成績が日本の女子サッカー人気に直結していることは、誰もが痛感しているはずです。結果を出すことが彼女たちにとって一番いいことだと思うので、そこを大いに意識して戦ってほしいです。
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川澄 仲間のために頑張れるチームは強いと思います。いいプレーを見せたい気持ちはあると思いますが、それぞれのストロングポイントを出しつつ、チームのために献身的にプレーすることを重ねていけば、結果につながると思います。現実的な話をすると、失点をしなければ負けません。グループステージはゴールを奪って勝ち点3を手にすることが重要ですが、日本には相手ゴールをこじ開ける力は十分にあると思います。そのチャンスが来る前に失点すると守り切られる可能性が高くなるので、相手の集中が切れたタイミングで畳み掛けられるよう、まずは失点しないことを心掛けてほしいです。
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