シーズン開幕から1カ月……昨年の今頃は? 2022年の月別勝率を振り返る
左上から松本剛選手、西川遥輝選手、水上由伸投手、山口航輝選手、山本由伸投手、東浜巨投手 【(C)パーソル パ・リーグTV】
昨季はオリックスの劇的な逆転優勝で幕を閉じた。しかし、この「逆転」優勝という言葉からもわかるように、シーズン中、優勝チームが常に他を圧倒していたというわけではない。どのチームにも、投打がかみ合って連戦連勝というタイミングがあれば、その逆もあったのだ。
それぞれの球団にとって、シーズンのターニングポイントはどこで生まれるのか。開幕から1カ月が経った今、昨季の月別勝率を振り返っていく。
3~4月:東北楽天が驚異的な勝率をマーク
3~4月順位表 【(C)PLM】
2位の福岡ソフトバンクは、3月は6戦6勝と完璧な滑り出し。しかし、開幕5試合で2本塁打5打点とチームを引っ張っていた栗原陵矢選手の離脱が響いたのか、4月は9勝11敗1分と負け越した。
一方、3月は1勝5敗という結果だったオリックスは4月、3度のサヨナラ勝利などで巻き返し、勝ち越しに成功した。そのうちの2試合は土壇場から吉田正尚選手の打棒で同点としており、主砲の意地を見せる結果となっている。
5月:7連勝を飾り好調な福岡ソフトバンク。ペナント覇者のオリックスは苦戦
5月順位表 【(C)PLM】
前月好調だった東北楽天は、8連勝もあれば、2度の4連敗もあるなど浮き沈みが激しく、貯金をつくることができず。北海道日本ハムも同じく勝率5割だが、こちらは前月から大きく勝率を上げている。上沢直之投手が完投勝利を含む4勝0敗、防御率0.58と貫録の投球を披露した。
この月の勝率最下位は、意外なことにリーグ覇者のオリックス。こちらはいきなり7連敗を喫してしまったことが影響した。7連敗のうち4試合は1点差で落としており、応援しているファンにとってももどかしい試合展開だったかもしれない。
6月:投打の主軸が躍動した千葉ロッテがトップ
6月順位表 【(C)PLM】
交流戦を3連勝で締めた北海道日本ハムは、リーグ戦に戻ってから1勝9敗と大苦戦。5月には4本塁打を放った清宮幸太郎選手が1本塁打にとどまるなど得点力不足が目立ち、勝率は3割を下回ってしまった。
7月:オリックスが6割超えの勝率で初の月間勝率1位に
7月順位表 【(C)PLM】
3カ月連続で勝率2位の埼玉西武は、新人王に輝いた水上由伸投手が11試合に登板し無失点。チームを勢いづける投球で、中継ぎ投手ながら2日連続で白星も手にした。北海道日本ハムは、勝ち越しが見えかけたところで松本剛選手が離脱。その後は2勝5敗と失速し、勝率5割止まりとなった。
8月:福岡ソフトバンクが2度目のトップ。3連続で2位の埼玉西武も同率1位
8月順位表 【(C)PLM】
千葉ロッテは勝率5割にこそ届かなかったが、前半を終えて3勝8敗と大きく負け越していたことを考えれば、十分な巻き返しを見せている。若き大砲・山口航輝選手が1本塁打ながら3割超えの打率を記録。つなぎのバッティングで打線をけん引した。
9〜10月:投手陣の奮闘が光ったオリックスが制覇。北海道日本ハムは初の勝ち越しで有終の美を飾る
9~10月順位表 【(C)PLM】
北海道日本ハムは、シーズン開幕時から試行錯誤を重ねてきた新庄剛志監督の取り組みが実り、最終月にして初めての勝ち越しに成功。最終戦も勝利し、2023年シーズンへ期待を抱かせる終わり方だった。
対照的に、ここまで抜群の安定感を見せていた埼玉西武が失速。9月中盤の7連敗が大きく響き、勝率3割台となってしまった。また、東北楽天は6月以降4カ月連続での負け越しに。9月~10月は、最多安打のタイトルを獲得した島内宏明選手が打率.248とやや苦しんだ。
月別の成績を見ていくと、1年を通してそれほど勝率が上下しないチーム、振れ幅が大きいチームと、それぞれ特色があることがわかった。さらに、2022年のパ・リーグにおいて、ペナントの最終順位と月間勝率の順位が一致する月は存在していない。ここに、143試合という長丁場を戦うリーグ戦のおもしろさが表れている。
2023年シーズンも始まったばかり。今後どのような展開が待っているのだろうか。
文・吉村穂乃香
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ