フィナーレまで『ココロ、たぎる。』Bリーグ 西地区はリーグ史上初の大激戦!【B MY HERO!】

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島根、琉球、広島、名古屋Dが最後までBリーグを盛り上げる 【(C)B.LEAGUE】

 Bリーグ特派員で島根スサノオマジックの解説をさせていただいております朴です。

「マジック点灯」

 小さいころはテレビのニュースで聞いても何のことやらわかりませんでした。そのころに目にしていた「マジック点灯」と言えばもっぱらプロ野球に関することで、大体は巨人軍と並び大きな文字で出ていたように思い出します。

 そんなワードの本当の意味を理解し、その数字を意識しながら過ごせる時期が訪れることはリーグ戦の行われるスポーツに携わる者にとって必ずやってくるとは限りません。

 大好きな選手がいるチームが必ずしも強いわけではありませんし、住んでいる地域にあるチームがいつも優勝争いに絡めるなんてもちろんありません。

 マジックが点灯したからと言って、優勝できるとも限りません。

 それでも、自分の応援するチームが、関わるチームがリーグ戦大詰めのこの時期に優勝に手がかかっているということをシンプルに伝えてくれるマジック点灯の5文字。

 今一度その意味を思いながら、終盤戦、そしてチャンピオンシップ(以下CS)へ目を向けていきましょう。

東地区は千葉J、中地区は川崎に優勝マジック点灯

 西地区中心にお話をしたいのですが、少しだけ他地区を触れさせてください。

 東地区は千葉ジェッツ、中地区は川崎ブレイブサンダース、そして西地区は島根スサノオマジックにそれぞれ地区優勝までのマジックが点灯しています。

 残すところ10ゲームという中で千葉JがM6、川崎がM10、島根がM9という状況です。

 この中で最後までもつれそうなのは、やはり今シーズンリーグの情勢を大きく変えた西地区と言えるでしょう。

 東の千葉Jは今シーズン、リーグ新となる連勝記録を塗り替え、同地区2位の東京と7ゲーム差と地区王者の椅子にほとんど座りかけています。

リーグ全体でも首位を走る千葉J 【(C)B.LEAGUE】

 中地区の川崎は同地区2位の横浜ビー・コルセアーズと横並びではありますが、その横浜は先日の滋賀戦で中心である河村勇輝選手が全治1カ月程度の筋損傷の大きな痛手を負いました。そして、その中での川崎との2連戦、2日とも1ケタ差の好ゲームとなりましたが川崎の2連勝となりました。川崎もマット・ジャニング選手を欠く中ではありますが、残されたカーディング的にもほとんど似通った2チームを見るに地区優勝の座は川崎が滑り込む様相を呈しています。

中地区は川崎を横浜BCが追う展開 【(C)B.LEAGUE】

激戦の西地区は島根に初優勝のマジック!

 最後に西地区です。

 今シーズン最後までココロたぎらせてくれるのは、やはり西地区となりそうです。

 今回は西地区中心にと言いながら、この話を展開するとおそらく「他地区のことはどうなんだ!」とファンの皆様からお叱りを受けそうなぐらいにはアツく、たぎり散らしているそんな西地区の最終盤となっていますので前置きが長くなってしまいましたが最後までよろしくお願いいたします。

 まずは西地区でマジック点灯、初の地区優勝まで青信号が点っている島根スサノオマジックです。この文章を書き上げる直前まで第30節の広島-島根戦、まさにCS前哨戦ともいえる2連戦を観ていましたが、口から魂が抜け出て戻ってくるようなとんでもない試合となりました。

 このまま地区優勝の椅子に飛びつきたい島根ですが、このすぐ後の4月12日の水曜には同地区2位の琉球ゴールデンキングス戦、さらに週末にここ数試合で川崎、琉球、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから勝利を挙げている大阪エヴェッサ戦、続く19日の水曜に名古屋D戦とビッグゲームが続きます。

 チーム新記録となるリーグ史上でも3番目となる18連勝の記録を残しても地区優勝までの道程は険しさを増すばかりと感じます。

 過去に16連勝以上したチームは全て地区優勝をしているというデータも残っていますが、今回ばかりは最後まで固唾(かたず)を呑む展開となりそうです。

ビュフォードを中心に快進撃を続ける島根 【(C)B.LEAGUE】

 龍の背中を追いかける2位の琉球ゴールデンキングスは、次節のアウェー島根戦をものにすれば、そのまま勢いをつけて最終節の広島戦まで勝星を積み重ねる可能性が高そうです。そうなれば、もし首位の島根がどこかで星を落とした場合は逆転優勝の目が大きくでてきます。

 琉球にとっても次節はDOORDIE(やるかやられるか)の決死の一戦と言っても良いかもしれません。

今季も強さを発揮している琉球 【(C)B.LEAGUE】

 同地区3位の広島ドラゴンフライズですが、島根との大一番となった中でレギュレーションの79分間(2戦目の残り1分まで)は2連勝が見えていた中で、信じがたい逆襲に遭い2戦目を落としてしまいました。これが今シーズンの中国ダービーかと両チームファンが阿鼻叫喚(あびきょうかん)となった中ですが、最後に映っていた寺島選手のほとばしる負けん気が溢れ出る表情が印象的でした。

 今季の広島というチームにおけるパズルのピース、最後の1枚となったカイ・ソット選手の高さのアドバンテージはやはり脅威的で、若干20歳ながらフィリピンの怪獣の異名は瞬く間にアジアの怪獣に進化していくでしょう。

 チームとして島根との敗戦から多くを学び、最後の島根、琉球との2節を含む残りのカードを全勝できれば、上位チームの結果次第では大逆転が残されていますし、すでにCSはワイルドカードでの出場が決定していますから、地区優勝を逃してもリーグ制覇への道は開けています。どこと当たるのもキツいですが、中でも広島とは当たりたくない、そう考えるチームの首脳陣も少なくないかもしれません。

優勝の可能性を残す広島 【(C)B.LEAGUE】

 最後に4位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズです。

 どのチームも終盤戦、満身創痍ではありますがこのチームに比べれば少しはマシかもしれないと思えるぐらいに厳しいロスター事情が続いています。ここ2節は本来スターターを務める選手を数名欠く8人(復帰したての張本選手を含む)で戦わなければいけないという苦しい状況です。

 しかし、CSは広島と同じくワイルドカードでの出場がすでに決定しているため、ここからの試合は勝ち星を上げることと並べていかに健康状態を回復できるかがカギとなりそうです。

 少ないメンバーで激しい終盤戦を戦い続ければ負荷もよりかかりますから、もちろん目の前の勝利をファンに届け、順位が1つでも良くなることは大切ですが、いかにチームで割り切って過ごしていくかというところも悲願のリーグ制覇に向けては必要となるかもしれません。

名古屋Dはチームの整備が急務 【(C)B.LEAGUE】

 今シーズン、CSに出場するチームは順位に関係なく、力が似通っているとここまでのリーグ戦を見る限り感じています。だからこそ、全てのチームができる限り最高の状態でCSを迎えて欲しいというのが一つの願いです。

 この状況下で、試合の勝敗を分けるのはファンの力かもしれません。地区優勝チームが手にするホーム開催という大きな力は何事にも変えられないでしょう。

 声出しが解禁となった今、各地で素晴らしい声援が聞こえています。

 その声援が一層大きく響き渡るのか、はたまたそれすらを乗り越えるチームの力で静まり返ってしまうのか。

 CSまで、どこまでも『ココロ、たぎる。』1カ月にしていきましょう!

朴航生(B MY HERO!特派員)

【(C)朴航生】

岡山学芸館高校を卒業後、アメリカ留学を経て、SHIZUOKA GYMRATSの一員としてABAへ参戦。帰国後bjリーグトライアウトの門を叩き、現B1の島根スサノオマジックへ入団、2シーズン在籍した。その後、Bリーグ開幕に伴いご縁を頂き、現在はバスケットボールコメンテーターとして島根のホームゲームを中心に奮闘中。ホーム、アウェーを同様に解説する姿勢、わかりやすい戦術解説に多くのファンを持つ。

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