「IWGP世界ヘビーベルトは『こんなに重いのか』と」SANADAに直撃!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社/山本正二】

4.8両国国技館で、悲願のIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠したSANADA。『レスリングどんたく』福岡大会では、高橋ヒロムとの初防衛戦も決定。

ここ数か月で大きく立ち位置を変えた“新王者”はいま、何を思うのか? ロングインタビュー掲載!

撮影/山本正二

IWGP世界ヘビーのベルトは、実際に巻いたのも持ったのも初めてなんで、「こんなに重いのか?」と思いましたね。

【新日本プロレスリング株式会社/山本正二】

――SANADA選手、あらためましてIWGP世界ヘビー級のベルト戴冠、おめでとうございます。

SANADA とんでもございません。

――率直に、今の“景色”の見晴らしはいかがですか?

SANADA まだベルトを獲ってから、現時点では試合をやってないので、「やっとスタート地点に立ったかな」という感じですね。スタートライン、アナザー・スタートライン、アナザー・スターティングライン……。

――アナザー・スターティングライン(笑)。タイトルマッチの後、わりとベルトをすぐに巻いたじゃないですか? ベルト巻くタイミングって人によって違うと思うんですけど。

SANADA アレは気づいたら、もうみんなに巻かれていましたね。「あっ、もう巻くんだ!」みたいな。そこで流れに乗ったみたいな感じです。

【新日本プロレスリング株式会社】

――初めてのIWGP世界ヘビー、そのベルトは重かったですか?

SANADA 重かったですね。ホントに初めて持ったんで……。

――あ、いままで一回も持ったことはなかったですか?

SANADA ないんですよ。

――同じユニットで誰かが持っていると、「ちょっと触らせてください」みたいなことはあると思うんですけど。

SANADA なかったですね。よくタイトルマッチの前哨戦とかで、挑戦者が持ったりする人もいるじゃないですか? 俺は持ったことがないんですよ、一回も。だから、実際に巻いたのも持ったのも初めてなんで、「こんなに重いのか?」と思いましたね。

――当日の試合を、棚橋弘至選手が解説されていたんですけど、「ベルトが似合うなあ」と言ってました。

SANADA ああ、恐れ入ります。

――そういう声は他にないですか?

SANADA あ、けっこう周りの人から言われますね、「ベルトが凄く似合っている」って。「特に今のコスチュームには雰囲気もマッチしている」とか言われましたね。

団体というよりもプロレス界全体を象徴する人なので、やっててそういう部分は伝わりましたね。今まで、こういう大舞台を支えてきた人なんだっていう“重み”がありました。

【新日本プロレスリング株式会社/山本正二】

――IWGP世界ヘビーのベルトはいかがですか? 最初にできた時はデザインにもいろんな意見がありましたけど。

SANADA やっぱり新しいことをやるとアンチが出てくるんでそれはしょうがないですよね。自分がL・I・Jを辞めた時も凄くアンチが多かったですからね。

――そうでしたか。あのベルト自体はSANADA選手は結構気に入っていますか?

SANADA そうですね。でも、これからもっともっと愛着が出てくるのかな?

――これまでもベルトは獲られているとは思うんですが、今回は自宅に持ち帰りされたりしたんですか?

SANADA ハイ。

――じゃあ、一緒に寝たりとかも?

SANADA さすがに一緒に寝たりはしてないですけど(苦笑)。みんな持ち帰るものなんじゃないですか? それとも人によっては、会社任せなんですかね?

――そういう人もいますけど、初戴冠の時はかなり持ち帰られますよね。スタッフの人に「持って帰りますか?」とか聞かれませんでした。

SANADA 聞かれたかもしれないですね。「あっ、持って行きます」って。

――ただ、ベルトを見ながら涙を流しながらお酒を飲んだとか、そういうことはなく?

SANADA いや、家に帰ってからは本当に身体が痛すぎて何もできなかったですね。もう放心状態になってましたから……。

――やはり試合のダメージも大きかったと。そのタイトルマッチですけど、改めてあの大舞台で対峙したオカダ・カズチカ選手をどう感じましたか?

【新日本プロレスリング株式会社】

SANADA シングルで闘ったのは2年ぶりぐらいですかね? 今年のオカダさんは怒りっていうのが凄く出ていたんですよね。その怒りがプラスになっていたじゃないですか。

――たしかにそうですね。

SANADA そこは今までにない部分っていうか、そういう感情はいままでもあったんだろうけど、「それを表に出してきた」ってことですよね。より一層強さを増したオカダ・カズチカっていう感じだったんですけど。ただ、今の自分も結構、勢いと自信があって、あの試合には勝負をかけていたし、そこの部位で優ったのかなって思いますね。

――最近のオカダ選手は、いい意味でエモーショナルなプロレスをするようになりましたけど、そこを上回った。あらためて、一人のレスラーとしてはいかがでした?

SANADA やっぱり、団体というよりもプロレス界全体を象徴する人なので、やっててそういう部分は伝わりましたね。今まで、こういう大舞台を支えてきた人なんだっていう“重み”がありましたね。闘ってみて、その重みを実感できました。

――でも、そのオカダさんの座っていたイスをSANADA選手が奪ったわけですよね。イスの座りごこちはいかがですか?

SANADA さっきも言ったんですけど、「これでやっとスタートラインに立ったかな」っていう感じですね。自分はこのリングに来て7年、そして新日本プロレスの入門テストを2005年に受けているんで、そういう人間がようやくIWGP世界ヘビーのトップのベルトを巻いたと。これで「諦めなければ夢は叶うんだな」っていうのは証明できたかなっていうのはありますね。

――逆に、これまで諦めそうになった時はありました?

SANADA いや、なかったですね。

――あ、諦めたことはなかった。

SANADA 「いつか獲るんだ」っていう気持ちは、心のどこかでずっと思ってたので。やっぱりずっと思うっていうことは大事ですね……。」
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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