京セラドーム大阪のビジョンがパワーアップ! 演出担当者の新たな挑戦に迫る
【オリックス・バファローズ】
ビジョン演出担当者として10年目の春を迎えた木寺。今シーズン、サイズと機能がパワーアップしたビジョンをフルに活用し、多彩な演出に着手した。「むちゃくちゃ気合入れて作りました。バリエーションではどの球団にも負けていないつもりです」。木寺が自信を持って語るビジョン演出のこだわりについて話を聞いた。
写真:新設されたウイングビジョン(赤枠) 【オリックス・バファローズ】
◆2倍サイズのビジョンと新たな演出装置
「ビジョン演出の幅がぐっと広がりました」と木寺。立体感あるバファローブルとバファローベルのアニメーションが、選手登場、ヒット、奪三振などあらゆるシーンで登場し、広大なビジョンの上を縦横無尽に動き回って球場内を盛り上げる。
スコアボード自体には変化を加えず、上からさまざまなイメージを重ねて演出する。「子どものころ、教科書に落書きとかしませんでした? それに近い感覚で考えました」。歴史上の人物に濃い髭を加え、おかしな吹き出しをつけた、やんちゃ坊主の「遊び心」が演出の原点にあるという。
【オリックス・バファローズ】
写真:ウイングビジョンの広告の後ろには、ブルとベルのオペレータールームが広がっている。 【オリックス・バファローズ】
◆ビジョンの裏で作業するブルとベル
「昔のスコアボードは裏側に人がいて、パネルを付け替えたりひっくり返したりして、選手の名前や守備位置を表示していました。それをイメージして、ブルとベルがビジョンの裏で作業している設定です」。木寺の想定では、普段ウイングビジョンに映されている広告の後ろには、ブルとベルの専用オペレータールームが広がっている。広告が入れ替わる際にちらりと見ることができる一室。写真の通り、椅子やモニターまで細かく作りこまれており、ブルとベルが楽しく演出の作戦を立てる姿が想像できる。
ブルとベルの一挙手一投足にも意味が込められている。「持っている応援タオルのデザインを変えたい時は、一度後ろを向かせてタオルを入れ替えさせています」。あえてアニメーションにひと手間加えることで、マスコットがビジョンの中で生きているように感じさせる。
写真:4月5日、杉本選手の第1打席で流れた誕生日のビジョン演出 【オリックス・バファローズ】
◆誕生日の特別演出
シーズン中に数えるほどしか使えない誕生日演出まで用意した理由について、木寺は情熱を持って語る。「だからこそ、やる価値があるんです。選手にとっての特別な日に、縁あってその場にいることをスタンドの皆さんに伝えたい。それがその選手を好きになるきっかけになるかもしれないから」
写真:ホームランのビジョン演出 【オリックス・バファローズ】
◆これからも面白い仕掛けを
「シーズンは始まったばかりなので、全然出しきれていません。これからですよ!」と木寺。遊び心満載の演出アイデアは、とどまるところを知らない。(西田光)
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