INNOVATION LEAGUE 2022 デモデイ開催!競技団体との共創成果を4社が発表、コンテスト贈賞式も同時開催!

SPORTS TECH TOKYO
チーム・協会

【SPORTS TECH TOKYO】

スポーツ庁とSPORTS TECH TOKYOが共同で開催する「INNOVATION LEAGUE」。コラボレーションパートナーと呼ばれる国内競技団体と事業共創に挑む「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」と、スポーツを活用した優れた取り組みや先進的な取り組みを表彰する「INNOVATION LEAGUE コンテスト」からなるプログラムだ。
3月10日(金)に東京ミッドタウン日比谷 BASE Qにて、プログラム成果を発表する「INNOVATION LEAGUE 2022 デモデイ」が行われた。約200名が集まった会場で、アクセラレーションに参加した企業・団体4社とコンテスト受賞者4社が取り組み内容のプレゼンテーションを行い、会場を大いに沸かせた。

本年度、3年目の開催。アルムナイも活躍するプログラム

デモデイの冒頭、プログラムを主催するSPORTS TECH TOKYO プログラムオーナーの中嶋文彦氏と、スポーツ庁 次長の角田喜彦氏が登壇。中嶋氏はこれまでの「INNOVATION LEAGUE」の取り組みについて説明。過去の「INNOVATION LEAGUE」に参加したプレイヤーたちのその後の活躍について紹介した。また、角田氏は、東京オリンピック・パラリンピックを終えた今、日本のスポーツ業界が新たなステージに向かっているとし、本日のデモデイを我が国のスポーツ産業をさらに成長させるきっかけにしていきたいと意気込みを語った。

SPORTS TECH TOKYO プログラムオーナー 中嶋文彦氏 【SPORTS TECH TOKYO】

スポーツ庁 次長 角田喜彦氏 【SPORTS TECH TOKYO】

アクセラレーションプログラムに参加した4社が成果発表!

デモデイ前半は「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」の成果発表が行われた。アクセラレーションを担当するSPORTS TECH TOKYO 大曽根一平氏と、スポーツ庁 坂本弘美氏による概要説明の後、本年度のコラボレーションパートナーである全日本柔道連盟(以下、全柔連)の本郷光道氏と、日本アイスホッケー連盟(以下、アイスホッケー連盟)の北川太郎氏がそれぞれ登壇。本プログラムで事業共創を行うにあたり設定した課題や背景を説明した。

SPORTS TECH TOKYO 大曽根一平氏 【SPORTS TECH TOKYO】

スポーツ庁 坂本弘美氏 【SPORTS TECH TOKYO】

全日本柔道連盟 本郷光道氏 【SPORTS TECH TOKYO】

日本アイスホッケー連盟 北川太郎氏 【SPORTS TECH TOKYO】

本年度「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」に参加したのは4社。そのうち2社が全柔連との共創に挑み、残り2社がアイスホッケー連盟との共創を行った。以下、4社の成果発表を紹介する。

「一般社団法人スポーツを止めるな」伊藤華英氏(写真左)と最上紘太氏(写真右) 【SPORTS TECH TOKYO】

最初に登壇したのは「一般社団法人スポーツを止めるな」だ。女性アスリートの生理にまつわる課題・問題に向き合い、社会啓発等を行う「1252プロジェクト」を推進している。本プログラムでは全柔連との共創に挑み、変革を行っていく基盤としての連盟内組織作りをはじめ、昨年12月に行われた柔道国際大会「グランドスラム東京」では特設ブースを作りデモンストレーションを行うなどした。なお、特設ブースには国際柔道連盟の理事も訪れ、オフィシャルサイトで特集記事も作られるなど世界柔道界への波及も生み出した。また、連盟のブランディングをリードする井上康生氏が出演する動画も作成。柔道界全体へのメッセージ発信も行うなどしたところ、さっそく全国から反響があり、柔道強豪校でのモデル授業も決定した。

「株式会社なんでもドラフト」 森井啓允氏 【SPORTS TECH TOKYO】

2番目に登壇したのは「株式会社なんでもドラフト」。大会で活躍する選手の予想をするなど、選手とファンをつなぐプラットフォームを提供するスタートアップだ。本プログラムでは全柔連との共創に挑戦した。まず先出の「グランドスラム東京」でデモンストレーションを実施。どの選手が決勝で活躍するかを予想するコンテンツを作成し実証を行った他、柔道にまつわるクイズゲームや会場の特設ブースでの巨大おみくじ等さまざまな施策を通し、柔道への興味喚起とファン拡大のトライアルを行った。結果、予想コンテンツには大会期間の2日間に1244名が参加、これまでの最高記録を更新した。また、今年2月に行われた「グランドスラムパリ」でも同様のコンテンツを提供。世界75もの国からのアクセスがあり、合計404名のファンが参加。コメント欄も盛り上がりを見せ、柔道を通じたファンの国際交流も生み出した。なお、4月に福岡で開催される全日本選抜体重別選手権大会でも実施が決まっており、引き続き全柔連との連携を行っていくとのことだ。

「株式会社スポリー」丸山和也氏 【SPORTS TECH TOKYO】

3番目に登壇したのは「株式会社スポリー」。アスリートのセカンドキャリア問題を解決したいとの思いから生まれたスタートアップで、現在はアスリートとファンをつなぐアプリケーションを開発・提供している。今回はアイスホッケー連盟との共創を行った。まず、1月に開催されたオールスターゲームにおいて、ファンに向け会場への道のりをクエスト(冒険)化したり、MVP選手を予想したりするモバイルゲームを提供、今後ファンマーケティングを行っていく上で必要不可欠な応援行動データの取得を行った。また、ファンの応援行動を促す企画立案として、3月に青森県八戸市で行われた試合にて、日本初となるサウナに入りながらのアイスホッケー観戦という大胆な施策にもチャレンジ、観戦体験のアップデートを実証した。今後はアジアリーグや横浜グリッツとの連携が決まっている他、青森市との取り組みも行っていくそうだ。

株式会社MILOQS」紙田剛氏(写真左)と松本敦子氏(写真右) 【SPORTS TECH TOKYO】

最後に登壇したのは「株式会社MILOQS (ミロックス) 」。VRアプリやスマホアプリを使い、自らストレス耐性を高めていくトレーニングを開発・提供しているスタートアップだ。本プログラムではアイスホッケー連盟との共創に取り組んだ。まず、女子クラブチームの選手に対し組織診断を実施、その後のトレーニング期間でVRトレーニングや1on1メンタリングを行い、その効果について評価を行った。結果、短い期間だったにもかかわらず、ゴール数、アシスト数、ペナルティ数、ターンオーバー数の全てにおいてポジティブな効果が見られるという驚きの結果が得られた。今回の成果を受け、実証実験に参加したクラブチームではチーム全体での活用を行い、またアイスホッケー連盟では代表やリーグ等での活用検討を行っていくとのことだ。

本年度大賞は「湘南ベルマーレフットサルクラブ」!INNOVATION LEAGUE コンテスト

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」の成果発表に続き、デモデイ後半は「INNOVATION LEAGUE コンテスト」の贈賞式が執り行われた。冒頭にSPORTS TECH TOKYOの薬師寺肇氏からビジョンをはじめとする取り組みについての説明が行われた後、まず最終選考まで残りつつも惜しくも受賞には至らなかったファイナリスト3社の表彰が行われた。ファイナリストは以下の通り。

■ 「アスリート流健康管理手法を転用した現場ワーカー向け「ウェルネスプログラム」」
株式会社ユーフォリア

■ 「トークン活用によるスポーツ団体の新たな収益源の創出」
株式会社フィナンシェ

■ 「Grass Roots Farm ~ 地方Jクラブの営農チャレンジ」
株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック

SPORTS TECH TOKYO 薬師寺肇氏 【SPORTS TECH TOKYO】

ファイナリスト各社とスポーツ庁室伏広治長官 【SPORTS TECH TOKYO】

続いて「ビジネス・グロース賞」、「ソーシャル・インパクト賞」、「パイオニア賞」、そして全体の大賞となる「イノベーションリーグ大賞」の表彰が行われた。受賞した4社については取り組み内容のプレゼンテーションもあり、各社の個性と熱意あふれる奮闘ぶりに会場から称賛と祝福の拍手が起こった。

ビジネス・グロース賞を受賞した「鎌倉インターナショナルFC」 【SPORTS TECH TOKYO】

ビジネス・グロース賞を受賞したのは鎌倉インターナショナルFCの「Web3思想を活用した「共創・共栄型」のクラブづくり、まちづくり」。母体となる大手企業等が無い中で運営を行っているチームということもあり、収益の確保が課題だ。そうした中で、ブロックチェーンをベースとしたファンディングサービス「FiNANCiE」を活用するなどして多様な新収益源を獲得。同時に熱量の高いファンと応援も獲得し、チームとファンが「共創共栄」する関係構築に成功した。

ソーシャル・インパクト賞を受賞した「ミズノ株式会社」 【SPORTS TECH TOKYO】

続いて、ソーシャル・インパクト賞を受賞したのはミズノ株式会社の「白杖「ミズノケーン」プロジェクト」。白杖ユーザーが外出を諦めることなく、いつもより少し遠出してみようというポジティブな気持ちになる白杖を目指し、「ミズノケーンST」を開発した。軽さ、デザイン性、折損時の付帯サービスの3点の特徴を持たせている。特に軽さについては、ゴルフクラブ開発で培ったミズノのノウハウを活かすなど、その企業ならではのアセットを応用した。

パイオニア賞を受賞した「FORESTRAIL HIRUZEN-SHINJO 2022 supported by GREENable・合同会社SPORTS DRIVE」 【SPORTS TECH TOKYO】

続いて、パイオニア賞を受賞したのはFORESTRAIL HIRUZEN-SHINJO 2022 supported by GREENableと合同会社SPORTS DRIVEの「走る人が増えるほど,協賛企業が増えるほど,自然環境保全が進む トレイルラン大会」。参加者に対し、大会とは別日に自然環境保全活動に参加してもらう参加枠を用意し、一般参加費より高い価格で販売。また、協賛企業に対しては、SDGs・サステナブルをテーマとし、社員研修や福利厚生、顧客サービスに活用できる自然環境保全アクティビティの機会を提供するなどした。行政の補助金だけでなく、企業の広告やCSR協賛にも依存しない、持続可能性の高いスポーツイベントの実現に成功している。

イノベーションリーグ大賞を受賞した「株式会社湘南ベルマーレフットサルクラブ」 【SPORTS TECH TOKYO】

そして見事イノベーションリーグ大賞を受賞したのは株式会社湘南ベルマーレフットサルクラブの「湘南ベルマーレ + ittokai『ベルファーム』」。「スポーツ ✕ 福祉 ✕ 農業」をテーマに、湘南ベルマーレフットサルクラブと社会福祉法人「一燈会(ittokai)」がタッグを組み実施した農業連携事業。スポーツクラブ、社会福祉法人、農家の3者それぞれの課題と強みを持ち寄ることで有機的かつ効果的なつながりを生み出し、スポーツクラブの社会課題解決から、アスリートのデュアルキャリア形成、障がいを持つ人の就労支援、耕作放棄地の有効活用、主要農作物の付加価値向上など極めて多様な効果を作り出した。

本日の成果発表を通過点としてさらなる加速を!

最後に、デモデイの全体総括と閉会の挨拶をスポーツ庁室伏広治長官が行った。アクセラレーションに参加した4団体に対しては「本日の成果発表をひとつの通過点として今後、事業をさらに加速してもらいたい」と期待を込め、コンテストで受賞した団体に対しては「ファイナリスト含めいずれも大変素晴らしい取り組みであり、引き続きスポーツの可能性を広げる取り組みを続けてもらいたい」とエールを送った。また、スポーツ団体はこれからの動向を迅速に捉え、他産業の力を活用し経営のイノベーション、サービスのイノベーション等に挑戦していくことが極めて重要だとし、スポーツ庁は今後ともこうした取り組みの応援を続けていくと力強く語った。

全体総括と閉会の挨拶を行う室伏長官 【SPORTS TECH TOKYO】

デモデイの会場ではネットワーキングも行われた 【SPORTS TECH TOKYO】

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著者プロフィール

スポーツテックをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラム。2019年に実施した第1回には世界33カ国からスタートアップ約300社が応募。スタートアップ以外にも国内企業、スポーツチーム・競技団体、スポーツビジネス関連組織、メディアなど約200の個人・団体が参画している。事業開発のためのオープンイノベーション・プラットフォームでもある。現在、スポーツ庁と共同で「INNOVATION LEAGUE」も開催している。

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