3名が新たな門出 令和4年度JOCエリートアカデミー修了式

日本オリンピック委員会
チーム・協会

【令和4年度JOCエリートアカデミー修了式が行われた(写真:アフロスポーツ)】

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月5日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「令和4年度JOCエリートアカデミー修了式」を開催しました。JOCエリートアカデミーは、将来オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手の育成を目標に開校し、今年度で15年目。各競技団体から推薦された有望なジュニア選手を集め、味の素トレセンを拠点にして集中的な指導を行っており、令和4年度は6競技25名の選手が所属しています。
 今年度は卓球の木原美悠選手(星槎国際高等学校3年)、ローイングの井上幸乃選手(成立学園高等学校3年)、石井美羽選手(北区立稲付中学校3年)の3名がエリートアカデミーを修了しました。式には木原選手と井上選手の2名が参加し、修了生の家族や関係者、エリートアカデミー在校生らが参列しました。JOCエリートアカデミー事業小口貴久ディレクターより修了生が紹介されると、世界での活躍を目指して4月から次のステップへ向かう修了生たちが温かな拍手で迎えられながら会場に入場しました。

修了式には家族や関係者、エリートアカデミー在校生らが参列しました 【写真:アフロスポーツ】

 国歌演奏の後、主催者を代表して宮本ともみJOC理事が祝辞の挨拶に立ち、「JOCエリートアカデミー修了、おめでとうございます。皆さんが親元を離れ、このハイパフォーマンスセンターでアカデミー生として一歩を踏み出してから今日まで、先輩や後輩、仲間たちと共に数多くの経験をして成長してこられたことと思います。今後はJOCエリートアカデミーで学んだことを胸に、自信を持ってそれぞれの次のステージに向かってください」と修了生を祝福。そして、「東京2020大会に出場した10名のアカデミーOB・OGに続き、2024年のパリオリンピック、2028年のロサンゼルスオリンピック、2032年のブリスベンオリンピックに向けてさらなる競技力の向上に励み、人間力を高め、どんな環境にも耐えられるタフな、日本を代表するトップアスリートになってください」と激励の言葉を送りました。

主催者を代表して宮本ともみJOC理事が祝辞の挨拶 【写真:アフロスポーツ】

 続いて、来賓代表としてスポーツ庁の西川由香競技スポーツ課長が挨拶。「ここに至るまでの道のりは遠く、時に予想を上回る厳しいトレーニングや、また親元を離れた集団生活への不安など苦しく辛いことも少なからずあったと思います。しかしながら、仲間と切磋琢磨し、時には助け合い励ましあいながらそれを乗り越えてこられました。どんな時もここで頑張ってきたことを大切にしつつ、修了生としての自信と誇りを持ち、そして、これまで温かく見守ってくださった保護者をはじめ、多くの方々に支えられてきたということを忘れずに、今後も更に研鑽を積まれ、世界の舞台へと羽ばたいていかれることを期待しています」と祝辞を述べ、エールを送りました。

来賓代表としてスポーツ庁の西川由香競技スポーツ課長が挨拶 【写真:アフロスポーツ】

 宮本JOC理事が修了生3名に修了証を授与したのち、JOCエリートアカデミー在校生を代表して若林はる帆さん(ボート)が登壇。卒業生一人ひとりに向けて、一緒に過ごした日々の思い出や感謝の言葉を語ると、「これから私たちの目標だったお二人と生活ができなくなるのは残念ですが、お二人から学んだことを生かして生活や練習を重ねていきます。最後に、長いエリートアカデミーでの生活、お疲れさまでした。そして2年間ありがとうございました。これからの活躍を応援しています」と送別の言葉を述べました。
 次に修了生が1人ずつ決意表明を行い、JOCエリートアカデミーで過ごした日々を振り返りながら、お世話になった方への感謝と新たな道へと進む意気込みを語りました。

JOCエリートアカデミー在校生を代表して若林はる帆さんが送別の言葉 【写真:アフロスポーツ】

 次に修了生が1人ずつ決意表明を行い、JOCエリートアカデミーで過ごした日々を振り返りながら、お世話になった方への感謝と新たな道へと進む意気込みを語りました。
■木原美悠(きはら・みゆう)
競技:卓球
学校:星槎国際⾼等学校
進路:未定
主な競技成績:2023年全日本選手権 女子シングルス2位など

「私はこのエリートアカデミーに中学校一年生で入校し、今日で6年の日時が経ちました。この6年間は本当に多くの方に支えていただきました。そして、私が一番の心の支えになっていたのは、大切な大切な家族のみんなです。特に母は、私が国内だけでなく海外遠征に行くことが多いので、そういった時には6時間などの時差があり、普段はぐっすり寝ている時間でも毎日毎日私の試合を見届けてくれていました。そういった支え、サポート、応援があったからこそ、私は今ここに居ると思います。私がエリートアカデミーに入校して成長を大きく感じたのは、生活面と競技面両方あります。まず生活面では『当たり前のことは後回しにせずきちんとやる。日頃からできるだけ自分に厳しく生きる』といった小さなことでも一つの大きな成長だと感じています。こういったことは自分の卓球生活にも大きく影響してきます。そして競技面では、この6年間多くの大会遠征があり、アスリートとして成長し進化するチャンスがたくさんありました。今後ここを出てからも競技力だけでなく人間的にも成長できるよう頑張ります。そして、オリンピックという目標を常に胸に秘め、先輩方のようにオリンピック金メダルを日本中の皆さんに見てもらえるよう頑張ります。最後になりますが後輩の皆さん、このJOCアカデミーが今後さらに良くなれるよう信じています。あらためて関係者の皆様、エリートアカデミーのみんな、約6年間本当にありがとうございました」

木原美悠選手 【写真:アフロスポーツ】

■井上幸乃(いのうえ・さちの)
競技:ローイング
学校:成立学園高等学校
進路:立教大学異文化コミュニケーション学部
主な競技成績:2023年全日本新人選手権 女子ダブルスカル優勝など

「私はコロナウイルスが蔓延し始めた2020年、ここJOCエリートアカデミーに入校しました。最初の二か月はコロナウイルスのため、ビレッジにいることも叶わず、地元でのトレーニングを余儀なくされました。目標設定もままならず、辛い二か月間でしたが、今ではその経験が最後まで粘り強くやり抜く時間に繋がったと感じます。上京後、初めての寮生活で右も左もわからず不安でしたが、そんなときRAさんが優しく、時に厳しく、寮生活のイロハを教えてくださいました。たくさんの愛情を伝えてくださりありがとうございます。やっとの思いで日本代表に選出された2021年、新型コロナウイルスの影響で世界大会の派遣が中止となり、この世の終わりだと思うほど落ち込みました。気丈に振る舞おうとしても脳裏に出場できないという事実がかすめ、精神的に疲弊していました。そんな中、家族の存在に救われました。無理に刺激せず見守ってくれた父、私が電話で3時間号泣しても励まし続けてくれた母、そんなこと人生でちっぽけなことじゃんと思えるほど笑わせてくれた妹、家族には本当に感謝しています。高校3年間で会えなかった分、これからはたくさん思い出を作っていきたいです。いつもありがとう。最終学年になった2022年、本当に自分が最高学年としての自覚はあるのか、何度も自問自答しました。先輩方がまとめてくださっていた分、自分にのしかかってきて、自分がいかに先輩という存在に甘えていたのか痛感しました。そんな時に上野コーチの存在に助けられました。LINEや電話で親身に相談に乗ってくださり、無理に先輩のようになるのではなく、ありのままの自分でいいんだということに気づかされました。ありがとうございます。日本最高峰の施設で3年間最高の先輩、同期、後輩と生活できたことをとても誇りに思います。そして次年度からJOCエリートアカデミーを引っ張っていく皆さん、この施設を使わせていただけることに感謝の気持ちを忘れず、最後まで楽しみ尽くしてください。波乱万丈な私の3年間でしたが、最高のサポートに恵まれたおかげで3年間楽しく過ごすことができました。大学でも高い志を持ち続け、目標に向かって精進して行きますので応援よろしくお願いします。3年間本当にありがとうございました」

井上幸乃選手 【写真:アフロスポーツ】

■石井美羽(いしい・みう)
競技:アーチェリー
学校:北区立稲付中学校
進路:大分東明高等学校
主な競技成績:2023年全日本室内選手権 小中学生女子4位など

※石井美羽は高校進学準備のため修了式を欠席

 最後に修了生にむけた応援メッセージ動画を流し、修了式は締めくくられました。

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著者プロフィール

日本オリンピック委員会(JOC)は、「スポーツの価値を守り、創り、伝える」を長期ビジョンとして掲げ、オリンピックの理念に則り、スポーツ等を通じ世界の平和の維持と国際的友好親善、調和のとれた人間性の育成に寄与することを目的に活動しております。 JOC公式ウェブサイトでは、各種事業の活動内容をはじめ、オリンピック日本代表選手団や、世界で日本の代表として戦う選手やそのチームで構成されるTEAM JAPANに関する最新ニュースや話題をお届けします。

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