【柏レイソル】ガンバ大阪戦プレビュー「2023Reysol Report Vol.1」

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【KASHIWA REYSOL】

プラスアルファをもたらす新戦力たち

「今年は良いシーズンになりますよ」
 2023年1月10日のチーム始動時、今年最初の挨拶をネルシーニョ監督と交わしたとき、指揮官は笑みを浮かべてそう答えた。
 昨年からネルシーニョ監督と強化部とが協議を重ねてきた新シーズンに向けた編成プランがある。ネルシーニョ監督の自信に満ちた言葉は、おそらくリストアップした戦力を獲得できたゆえのものではないだろうか。
 今オフに加わった新戦力は、いずれも前所属チームでは全員がレギュラークラスとしてプレーしており、高い実力と経験を兼ね備えた選手ばかりである。
 清水エスパルスから加入の立田悠悟は、191センチの長身センターバックで、長短のパスを得意とする。また、古賀太陽とは年代別日本代表でチームメートであり、親友同士。古賀との連携でも注目される新たなディフェンスリーダーだ。

右サイドバックとして活躍が期待されるDF片山瑛一 【©︎KASHIWA REYSOL】

 同じくエスパルスから加わった片山瑛一は、レイソルでは右サイドバックでの起用が濃厚だが、最終ラインや中盤だけでなく、時には攻撃的なポジションもこなすユーティリティー性の高い選手である。彼のロングスローはレイソルの新たな武器となるだろう。
 そしてもう一人、ロングスローを武器とする選手がサガン鳥栖から加入のジエゴである。昨年のレイソルとの対戦でもかなり厄介なDFとして存在感を発揮していたが、攻撃意識が高く、強靭なフィジルカルを持つジエゴが味方となるのは心強い。
 北海道コンサドーレ札幌では“狂犬”として名を馳せた高嶺朋樹は、筑波大学時代の先輩・戸嶋祥郎が「高嶺の活躍次第で今年のレイソルが上位に食い込めるかが懸かっている」と言わしめるほどの選手。球際激しいボール奪取と、左足から繰り出すミドルレンジのパスで展開を大きく変えることができる。
 名古屋グランパスから加入の仙頭啓矢は、習得技術レベルが非常に高く、状況判断の良さと優れた戦術眼を兼備するクレバーなアタッカーである。小屋松知哉とは京都橘高校に始まり、京都サンガF.C.、サガン鳥栖に続き、レイソルでは4度目のチームメートになった。「知哉とは阿吽の呼吸がある」と仙頭が言うとおり、二人のコンビネーションはきっと多くのチャンスを作ってくれるはずだ。
 昨年までモンテディオ山形で10番を背負っていた山田康太を一言で表現するならば“ファンタジスタ”。加入からわずか1か月にして山田は「サヴィオとは感覚的に合う」と話しており、現に先週のちばぎんカップでは二人の関係で右サイドを突破し、細谷真大の得点を演出した。これから連携がさらに合ってくれば、観衆を魅了する攻撃を何度も奏でてくれるに違いない。

MF山田康太は「ちばぎんカップ」で1ゴール1アシストと活躍 【©︎KASHIWA REYSOL】

 2月2日には元U-21オランダ代表のフロートの加入が発表された。193センチ99キロの体格を生かしたボールキープや空中戦も強みではあるが、最大のストロングポイントは彼自身が断言するスピードにある。また、ネルシーニョ監督が「サイドでのプレーも可能」と言っていることから、FWやウイングで攻撃に推進力をもたらしてくれるだろう。
 ルーキーにも将来性のある逸材が揃った。落合陸と熊澤和希、大学選抜に名を連ねた二人のMFは即戦力として期待され、モハマド ファルザン佐名、山本桜大、オウイエ ウイリアムの高卒ルーキー三人は、昨年の若手と同等の活躍をしても不思議はない。
 彼らが加わる2023年のレイソルは、果たしてどんなプレーを見せ、我々に歓喜を与えてくれるのだろうか。ネルシーニョ監督の言う“良いシーズン”へ向けて、楽しみは尽きない。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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