宇都宮陸選手(アルバルク東京特別指定選手)のルーツに迫る(2)

アルバルク東京
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【アルバルク東京】

前回のインタビューでは宇都宮選手がアルバルク東京でのトレーニングで感じていることや高校時代のエピソードなどを、報徳学園高校時代のコーチである桝本純也(アルバルク東京U18HC)コーチからインタビューの形で紹介させていただきました。今回は宇都宮選手がプロを明確に目指すようになった高校時代のエピソードなどを掘り下げて聞きます。

司会ー報徳学園高校の時に印象に残っている試合はありますか?

宇都宮:1年生の時のウインターカップ(第71回全国高校選手権大会”WINTER CUP2018”2回戦vs桐光学園)です。練習試合ではずっと10分出るか出ないかというような状況だったのですが、この試合ではじめて30分以上出場し勝つことができたのですごく自信になりました。

桝本:その年のインターハイで負けた相手と再度ウインターカップで対戦することになり、絶対に負けられないと思っていました。これで負けたらコーチ失格だなくらいの気持ちで臨んだのですが、相手が陸のスピードに対応出来ていなかったので、陸を使っていきたいということを監督と相談して、勝つことが出来たという試合でしたね。
次の年のインターハイでは歴代で一番の好成績となる3位になることができたよね。陸自身も中心メンバーとしてプレーしてみてどんな気持ちだったかな?

1/28新潟戦でドライブからレイアップを決める宇都宮選手 【アルバルク東京】

宇都宮:優勝を目指していたのですが、戦ってみてベスト8とベスト4では壁の分厚さが全然違ったという印象です。正直なところ、勝てないなと思ってしまうくらい、上に行くにつれてレベルの違いを感じましたが、それと同時にこういうところで自分は活躍していかないといけないと思いました。その経験をしたからこそ日々の練習に戻った時にもっと頑張ろうということを率直に思いました。

司会ー下級生から試合に出場していた宇都宮選手ですが、自分達が最高学年の時はどういう思いでプレーしましたか?

宇都宮:桝本さんがアルバルク東京に行くということでチーム内に衝撃はありましたが、僕たちの学年は下級生から試合に出ているメンバーが多かったので、今年こそは優勝するという気持ちでしたね。
僕個人としては、下級生の時は周りにボールを供給して0点でも勝てれば良いと思っていましたが、大学やプロでプレーする目標があったので、自分自身の得点力を身につけるという意識は強く持って取り組んでいました。

桝本:高校での経験は、大学でどのように活かされている?

宇都宮:インターハイもウインターカップも負ければ終わりのトーナメントなので”勝つ”ということを全国大会を通じて経験できたことは大学でも活かされています。
でも先ほど(※前回インタビュー掲載)の話のように、見ている人を楽しませることや自分が楽しむことは大事にしていて、そういう部分は大学でのプレーにもつながっています。

試合中やトレーニングで同じポジションの笹倉選手からアドバイスを受ける場面が見られた 【アルバルク東京】

司会ー大学へ進学する際にはどのような考えや経緯で進路を決めましたか?

宇都宮:僕は大学1年生からプロでプレーしたいと考えていて、そのためには1年生から試合に出場する経験ができることを優先して進路を決めました。京都産業大学は関西で上位のレベルなので、必ず試合に出られるということではありませんでしたが、自分の目標を達成するために京都産業大学を選びました。

桝本:私も経験がありますが選手にとってプレータイムはすごく大事なことですし、その経験をたくさん積むことがプロになるまでのカテゴリーでは特に重要だと思います。
宇都宮選手にとってその選択が正しかったかは別として、自分でよく考えてその決断をしたのが良かったと思います。人に言われて決めたのではなく自分で決めたことだから責任を持ってプレーできていることが今回の特別指定につながったのだと思います。

司会ー今後はどういう選手を目指していきますか?

宇都宮:ポイントガードとして一番大事なのはチームを勝たせることだと思っています。
相手のウィークポイントを突くことや、自分たちの強みと相手の弱みを上手く照合してそこにアジャストすること、ファウルを使って相手に簡単な得点をさせないことなどアルバルク東京でたくさんのことを学んでいます。
またコブス選手はヨーロッパでも経験のある選手なのでガードとして本当に学ぶことが多いです。日々の練習でたくさん見て吸収して学んでいってチームを勝たせられるような選手になりたいです。

司会ーコブス選手は今まで見たことのないような選手なのですね。どのように上手いのか、教えて下さい。

宇都宮:一言で言うとプレッシャーリリースです。「いつでも行けるぞ!」という状況を作ることでディフェンスとの間合いを詰めさせない、その中でゲームをコントロールできる選手なので、その点が一番凄いと感じています。

来月初めまでアルバルク東京の一員としてトレーニングを積み、この経験を大学で活かしてくれるはずだ 【アルバルク東京】

桝本:では育成年代の中学生や高校生の選手に陸から大事だと思うことは?

宇都宮:一番は楽しむことだと思います。楽しむ内容にもよりますが、僕はコーチ陣に課題を言われるのが楽しくて、それを1つひとつクリアしていくことに楽しさを感じています。それこそ、上手く行った時の自分のプレーが見ている人を楽しませることもあるでしょうし、自分自身で楽しみ方を見つけることだとか、そういうこともひっくるめて、本当に楽しんでバスケットをすることを大事にして欲しいということを言いたいです。

桝本:アルバルク東京の選手としてユースのみんなにエールをもらえたらと思います。トップチームに入ってプロ選手になりたいという選手が集まるところなので、子どもたちがそれを聞いて頑張れると思います。

宇都宮:高校だとプロを目指すところまでは考えていない選手もいますが、その中でユースは全員がプロになりたいと思っている環境というのは、自分のためになるでしょうし、そういう環境でプレーしているのは凄いと思います。1人ひとりの意識は凄く高いと思いますし、自分はこういうプレーがしたい、こういう選手になりたいというのを明確に持てると思うので、ぜひ頑張って欲しいです。

桝本:ありがとうございます。久しぶりにこうして話をさせてもらいましたが、選手としてバスケットだけではなく人間性もすごく成長していると感じました。今後も応援してくれるお客さんを楽しませる選手になってください。

司会ーありがとうございました。高校時代の話などは当事者同士でなければ聞けないようなことを紹介出来て良かったと思います。それでは最後に、宇都宮選手からファンの皆さまへのメッセージで本インタビューを終えたいと思います。

宇都宮:アルバルク東京で特別指定選手としてプレーして、より一層ここでプレーしたいという思いが強くなりました。このような環境でプレーできるということは当たり前ではないと思うので、根底にある一番大事なことを忘れずに自分の目標を達成するために、残りの特別指定選手契約の期間を最後まで頑張りたいと思います。

司会ー宇都宮陸選手を高校時代に2年間指導した桝本純也コーチ(アルバルク東京アカデミー、U18ヘッドコーチ)との特別インタビューという形で2回にわたってお届けしました。宇都宮選手は特別指定選手としての活動を終えた後は京都産業大学に戻ってプレーします。宇都宮選手の今後の活躍への温かい応援よろしくお願いします。
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著者プロフィール

プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUE所属のアルバルク東京の公式サイトです。 チームの最新ニュースやイベント、チケット、オフィシャルグッズなど様々な情報をお届けします。

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