宇都宮陸選手(アルバルク東京 特別指定選手)のルーツに迫る(1)

アルバルク東京
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【アルバルク東京】

B.LEAGUE 2022-23シーズンのチャンピオン奪還に挑むアルバルク東京は、12月13日に特別指定選手として宇都宮陸選手の加入を発表しました。宇都宮選手は報徳学園高校でインターハイ3位に輝き、京都産業大学進学後は1年時から主力を担う現在大学2年生のPG(ポイントガード)です。アルバルク東京加入後は3試合に出場し得点も記録(2/3時点)するなど、チームのトレーニングを通して経験を積んでいます。

その宇都宮選手は現在アルバルク東京アカデミーでU18ヘッドコーチを務める桝本純也コーチから高校時代に2年間指導を受けた経験があります。そんな縁から特別インタビューをお届けします。

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司会ー宇都宮選手が特別指定選手としてアルバルク東京に加入しておふたりは練習施設で久しぶりの再会になったと聞いています。桝本コーチから宇都宮選手に質問をしてもらう形を採りたいと思います。では、お願いします。

桝本:特別指定選手として1か月半活動してみて、率直にどう感じているかな?

宇都宮:こういった舞台に呼んでいただけたというのは感謝をしていますが、入ってからは大変な毎日です。
チームで怪我人が多い状況ということもあり、練習時にPGでプレーすることが少ししか出来ていなくて、そのほかのポジションの動きも覚える必要がありました。最初はセットプレーを覚えるのに必死で、まずそれをクリアしなければいけないことに苦しみました。
その中で、チームルールやどういうバスケットをするのかをしっかりと頭で整理できていないと、アルバルクではやっていけないということを実感しています。ですので、どこのチームに行ってもアジャストする力が大切だと思いました。
ただ周りのスタッフ陣や選手がすごく優しい方ばかりで、自分が困っているときに寄り添ってくれるなど、いつでもアドバイスしてくれる環境なのですごく成長できていると思います。

桝本:では、高校や大学カテゴリーとプロの違いはどのように感じているかな?

宇都宮:技術の面で言うと無駄がなく、ひとつひとつのプレーの質やレベルが全然違います。
なぜこのタイミングで動くのか、ポジションを変えないといけないのか、という部分がかなり細かいと感じるので、そこが大きな違いだと感じます。
あとは、試合の時に相手の得意なプレーに対して、どう守るかのディフェンスルールがあって、そこを徹底する力ですね。自分たちのバスケットをしつつ、相手の良さを確実に抑えるという、質やレベルが全然違う。もちろんフィジカル面でも違いを感じています。

桝本:その中で自分自身のプレーが通用するなと感じたことはあった?

宇都宮:ピック&ロールの使い方や、速い展開での状況判断は通用する実感があります。そこが自分の強みだと思っていたので、アルバルクに加入してより自信になりました。

加入後すぐにロスター入りし毎試合経験を積み重ねる宇都宮選手 【アルバルク東京】

司会ーおふたりともありがとうございます。特別指定選手としてトレーニングを積み、試合にも出場している宇都宮選手の心境などを聞くことが出来ましたが、せっかくなので高校時代のエピソードや、当時のプレーから今の宇都宮選手がどのようにしてPGとしてのスタイルを築いていったかを探りたいと思います。おふたりの報徳学園高校時代のお話を聞かせてください。桝本コーチと宇都宮選手の出会いはどういう背景だったのでしょうか?

桝本:僕は5年間プロ選手としてプレーしていたんですが、引退して指導の道に進むことを決断しました。地元兵庫県でバスケットボールの地域スクールを指導するかたわら、体育教員とアシスタントコーチとして報徳学園に着任しました。その時にちょうど入学してきたのが宇都宮選手でした。
彼が3年生になるタイミングで僕はアルバルク東京に来たので、またこうして会うことができて嬉しいですね。

司会:当時の宇都宮選手への印象はいかがでしたか?

桝本:最初の印象はボールの扱いが凄く上手くて、スピードとパスセンスがあると思いました。当時はバスケットが上手いというよりは、荒削りだが見ている人をワッと驚かせたり、楽しませるようなプレーヤーでしたね。
学校生活の中ではおとなしくて目立つタイプでは無かったです。あとは、彼の体育の授業も担当していたんですが、水泳はめちゃくちゃ苦手でしたね。同じクラスに留学生のチームメイトもいたんですが2人で腰に浮き輪をつけて泳ぐ練習をさせていました(笑)これだけは今日絶対言おうと思っていました(笑)

宇都宮:マジで泳げないんですよね‥(笑)

宇都宮選手が報徳学園高校1・2年生の時に指導をしたのが桝本純也コーチ(アルバルク東京U18ヘッドコーチ) 【アルバルク東京】

司会ー宇都宮選手から桝本コーチへの印象はいかがでしたか?

宇都宮:桝本さんはバスケットのことをプロ経験者として教えてくれた初めての方でした。プロとして経験されたことをたくさん教えてくれるなかで自分はまだまだだと思い、もっと上に行きたいと思うようになったきっかけを作ってくださったコーチです。
特に覚えているのは、バスケットで初めて悩んだ高校の時に、桝本さんに相談しました。その時はたまたまSNSのDMだったんですが、試合でのポジションが変わった時に、自分がどのようにプレーすればいいかわからないと相談しました。
桝本さんはすごく長文で返信してくれて「陸はスピードでごまかしてバスケットをしているからチームをコントロールできてない。もっと緩急をつけてみたらいいんじゃないか」ということを指摘してくれました。
あとは「もっとバスケットを楽しむことが大切だよ」と言ってくれて、バスケットの技術面はもちろん、バスケットを楽しんでプレーするという気持ちを忘れないことが大事だということをあらためて思い出させてくれました。
それから楽になったというか、悩んでいた自分を桝本さんは変えてくれたと思っています。

桝本:高校2年生になってからガードとしてどのような考え方でプレーするのか?という話を少しずつしていきましたが、陸にはあんまりテクニックや方法を教えた記憶はないですね。彼が覚えているかわかりませんが「見に来ているお客さんを楽しませてくれ」というのは何回か伝えたと思います、それが彼の持ち味でしたから。

第1回は宇都宮選手が特別指定選手としてのアルバルク東京でどのような思いでプレーをしているかをメインに、桝本コーチとの出会いも紹介しましたが、第2回は高校時代のプレーや当時の思いを紹介します。お楽しみに。
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プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUE所属のアルバルク東京の公式サイトです。 チームの最新ニュースやイベント、チケット、オフィシャルグッズなど様々な情報をお届けします。

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