「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022」採択企業がグランドスラム東京会場でデモンストレーション!

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5年ぶり東京で開催!グランドスラム東京

東京オリンピック以来の日本での柔道国際大会であるグランドスラム東京が5年ぶりに東京で開催した。12月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり東京体育館で行われたこの大会は、2024年パリオリンピックの代表権獲得にも影響する柔道のビッグイベントだ。

感染対策が徹底されるなか、会場には多くのファンが集った 【SPORTS TECH TOKYO】

世界から集まったトップアスリートを生で見ようと、たくさんのファンが集まった会場では、INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022採択企業によるデモンストレーションも行われた。

INNOVATION LEAGUE アクセラレーションとはスポーツ庁とSPORTS TECH TOKYOが2020年度から共催しているプログラム。公募を通じ採択された企業・団体がコラボレーション・パートナーと呼ばれる競技団体・スポーツリーグと事業共創を行うものだ。本年度はコラボレーション・パートナーとして全日本柔道連盟と日本アイスホッケー連盟が参画している。

グランドスラム東京の会場では、全日本柔道連盟との共創を目指す「株式会社なんでもドラフト」と「一般社団法人スポーツを止めるな」の2社がブース出展を行い、デモンストレーションを行った。

各階級優勝者を予想。新しい楽しみ方で柔道ファン拡大を目指す「株式会社なんでもドラフト」

なんでもドラフトは、スポーツをはじめ、エンタメ、社会、文化など幅広いジャンルのイベントを対象に、誰が活躍するかを予想したり、オリジナルのオールスターチームを作り対戦したりできるプラットフォームを提供するスタートアップだ。INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022では全日本柔道連盟と共創を行い、「予想」で日本をはじめ世界中の柔道ファンが楽しめる熱狂的体験を提供することを目指している。今回のグランドスラム東京に合わせて、各階級の優勝者を予想するコンテンツを用意。会場に出展したブースでも参加を呼びかけるプロモーションを行った。

ブースで呼びかけを行う「株式会社なんでもドラフト」共同創業 CEOの森井啓允氏 【SPORTS TECH TOKYO】

QRコードから特設サイトにいくと、実際にグランドスラム東京に出場する選手の情報が表示され、各階級別に優勝者予想を行い登録する仕組みだ。予想が当たった参加者には大会メダリストの選手のサイン入りグッズが贈られる。

特設サイトでは出場選手の写真を見ながらサクサク予想ができる 【SPORTS TECH TOKYO】

筆者も実際に予想を登録してみたが、思った以上に真剣に考えてしまう。階級によっては存じ上げない選手もいたが、あてずっぽうで選ばずに、ついつい所属やこれまでの実績などを検索してしまう。このように予想を通じ興味喚起のスイッチが入り、これまで知らなかった選手を知り、さらには選手の応援へとつながっていく。なんでもドラフトの予想コンテンツがファンの裾野を広げていく感覚がつかめた。

またブースでは予想コンテンツの他に、柔道の技を紹介する特大おみくじも設置し、子どもから大人までおみくじを引く人であふれ、盛り上がりを見せていた。

特大おみくじ箱。柔道の代表的技の説明が書かれたおみくじが用意されている 【SPORTS TECH TOKYO】

アスリートの生理にまつわる問題を啓発する、スポーツを止めるな「1252プロジェクト」

グランドスラム東京でデモンストレーションを行ったもう1社が「一般社団法人スポーツを止めるな」の1252プロジェクトだ。プロジェクト名は一年52週間のうち、12週間が生理であることからきている。プロジェクトリーダーを務める元水泳選手でオリンピアンの伊藤華英氏をはじめ、幅広いアスリートが競技の壁を超え、生理にまつわる問題の社会啓発を行っている。INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022では全日本柔道連盟と共に、女子柔道選手と指導者が生理に向き合い、競技力向上につなげるため知識教育と普及活動を進めている。

グランドスラム東京の会場に設置したブースには、1252プロジェクトを紹介するリーフレットや映像が用意され、全日本柔道連盟でチーフストラテジーオフィサーを務める柔道家の井上康生氏が特別出演する動画も披露された。女性アスリートの生理にまつわる問題は、日本に限ったことではない。海外から来日した選手や関係者、ファンへも活動を知ってもらえるよう、英語バージョンのリーフレットも用意されていた。ブースを見ていると、足を止める人は女性だけではなく男性も多い。これまで大切ではあるものの、十分に光が当てられてこなかった女性アスリートの生理にまつわる問題が、きちんと社会に認知され、理解されていくためには幅広い層の議論が必要だ。ブースでプロジェクトメンバーから熱心に説明を聞く来場者や柔道関係者の様子から、着実に社会が変わりはじめている印象を受けた。

ブースでは生理をテーマにしたクイズも出題 【SPORTS TECH TOKYO】

国際大会に合わせて、日英両方のリーフレットを配布 【SPORTS TECH TOKYO】

室伏長官も会場入り。ブースを視察

3日午後にはスポーツ庁の室伏広治長官が会場入りし、それぞれのブースの視察を行った。なんでもドラフトのブースでは、予想コンテンツの説明を森井CEOから受け、スポーツ大会の新しい楽しみ方やファンの拡大の説明に耳を傾けていた。また、特大おみくじにもチャレンジ。室伏長官が軽々と特大おみくじ箱を持ち上げると、周囲から歓声が上がった。

特大おみくじを引く室伏長官 【SPORTS TECH TOKYO】

なんでもドラフトのブースに続き、室伏長官は1252プロジェクトのブースも視察。共同代表理事の最上紘太氏をはじめ、プロジェクトメンバーから活動内容とブース展示について説明を受け、意見交換を行っていた。

室伏長官と1252プロジェクトメンバー 【SPORTS TECH TOKYO】

来年3月のデモデイに向け、INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022はいよいよ佳境に!

今回、グランドスラム東京でデモンストレーションを行ったなんでもドラフトは、初日の予想コンテンツ参加者がサービスリリース以降過去最多を記録するなど、大会の盛り上がりに華を添えていた。また、スポーツを止めるなの1252プロジェクトは、国際柔道連盟関係者にも注目され、公式NEWSで「12/52 Project: Unleash Your Potential」として紹介(ページ下部にURL記載)されるなど、こちらも共創の手応えを得ていたようだ。

INNOVATION LEAGUE アクセラレーション 2022は、並行して日本アイスホッケー連盟との共創を行う「株式会社スポリー」、「株式会社MILOQS (ミロックス)」と合わせた4社でプログラムが進んでいる。各社のプログラム成果については来年3月のデモデイにて発表される予定だ。

10月のキックオフを皮切りに始まったプログラムもいよいよ佳境。スポーツと産業の拡張を狙う各社の奮闘に期待したい。

来年3月のデモデイに向けたプログラムスケジュール 【SPORTS TECH TOKYO】

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著者プロフィール

スポーツテックをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラム。2019年に実施した第1回には世界33カ国からスタートアップ約300社が応募。スタートアップ以外にも国内企業、スポーツチーム・競技団体、スポーツビジネス関連組織、メディアなど約200の個人・団体が参画している。事業開発のためのオープンイノベーション・プラットフォームでもある。現在、スポーツ庁と共同で「INNOVATION LEAGUE」も開催している。

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