J1リーグ残留が確定したヴィッセル神戸が、逆転でのリーグ3連覇を狙う王者、川崎フロンターレと激突
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明治安田生命J1リーグ(J1リーグ)第27節の湘南ベルマーレ戦に勝利したヴィッセル神戸は、その時点でJ2リーグ自動降格を回避。さらに10月22日には清水エスパルスがジュビロ磐田と引き分けたことで、ヴィッセル神戸のJ1リーグ残留が確定した。現在10位。9位のサガン鳥栖との勝点差は1、8位の浦和レッズとは4。残り2節の結果次第では一桁順位でのフィニッシュを迎えられる状況だ。
2022/10/22 18:00時点 【vissel kobe】
優勝戦線をおさらいしておくと、現在は2位の川崎フロンターレが勝点差2で首位の横浜F・マリノスを追いかけている状況。横浜F・マリノス次第の部分もあるが、川崎フロンターレがJ1リーグ3連覇を果たすには残り2試合のどちらも落とせない。特に、ホーム最終戦となる今節のヴィッセル神戸戦は絶対に勝点3を手にしておきたいところ。かなり気持ちの入った試合になることが予想される。ヴィッセル神戸としては、まずメンタル面で負けないことが勝利の前提になりそうだ。
前節の両チームのフォーメーション 【vissel kobe】
その上で、見どころはヴィッセル神戸がどんな戦いを挑むのかになるだろう。J1リーグ残留争いという重圧から解放された中で、ヴィッセル神戸が残り2試合で見据えるのは来シーズンの戦いとなる。吉田孝行監督の下、4ー2ー3ー1や4ー3ー3など複数のフォーメーションを試みてきた中で、今節の布陣はヴィッセル神戸の本来あるべき布陣になる可能性もある。大迫勇也を1トップに据えた可変システムか、それとも直近の湘南ベルマーレ戦で採用した大迫勇也と小林祐希の2トップを頂点にした4ー4ー2か。スタートフォーメーションは一つの見どころと言える。
ちなみに5月18日のJ1リーグ第11節では、川崎フロンターレの4ー1ー2ー3に対して、ヴィッセル神戸のロティーナ前監督は4ー2ー3ー1を採用している。試合序盤は川崎フロンターレがボールを保持し、ヴィッセル神戸はしっかりとブロックを組んで守る展開に。30分過ぎからヴィッセル神戸がボールを握る時間を増やし、アンドレス イニエスタという個の優位性を活かして攻め込む形を作った。その中で47分頃には見事なパスワークから山口蛍が惜しいミドルシュートを放ち、54分過ぎにはロングボールで抜け出した武藤嘉紀がファウルを受けてゴール正面で直接FKのチャンスを得た。劣勢になった川崎フロンターレは積極的なベンチワークと選手の配置換えなどでこれに対応。そして終了間際のCKから谷口彰悟が決めて劇的な勝利をつかみ、2位から首位へと順位を上げた。
もちろん、ヴィッセル神戸の監督が変わった中で迎える今節は、試合展開も異なるものになるだろう。とはいえ、川崎フロンターレは監督もスタイルも大きく変わってはいない。試合を楽しむ上で、一つの参考材料にはなるのは間違いなさそうだ。
大迫勇也選手の復調はヴィッセル神戸のリーグ戦5連勝の大きな要因の一つだ 【vissel kobe】
対戦成績は8勝8分け17敗でヴィッセル神戸の黒星が先行している。ヴィッセル神戸は2020年のJ1リーグ第24節から5試合連続で勝利がなく(0勝2分け3敗)、現在2連敗中と相性が良いとは言えないだろう。
ただ、現状の勢いではヴィッセル神戸がやや上と言えなくもない。川崎フロンターレもリーグ戦2連勝と好調だが、ヴィッセル神戸は14年ぶりに1シーズンでのリーグ戦5連勝を達成するなど“勝ち癖”がついている。エース大迫勇也の復調に呼応するように、チームも上昇気流にのっている印象だ。
さらに、守備面でもここ3試合連続でクリーンシート(無失点)を達成。大迫勇也、小林祐希、武藤嘉紀らが前線からハイプレスをかけ、中盤の山口蛍、大崎玲央、最終ラインの菊池流帆や小林友希らが連動した良い守備を見せている。ボールを奪ってからのトランジション(攻守の切り替え)も速く、特に汰木康也と酒井高徳を擁する左サイドのカウンターはかなり効果的だ。
そして、今節にはアンドレス イニエスタがケガから復帰する可能性も出てきている。
役者が揃いつつあるヴィッセル神戸が、王者・川崎フロンターレを相手に本来あるべき姿(強さ)を披露できるか。ヴィッセル神戸のファン・サポーターにとっても見逃せない一戦になりそうだ。
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