日本初! 「パラバドミントン世界選手権」開催記者会見レポート

チーム・協会

【photo by X-1】

9月22日、東京都江戸川区のパラバドミントン専用体育館、ヒューリック西葛西体育館で「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022 開催記者会見」が行われた。

東京大会後初の世界選手権

パラバドミントン世界選手権は2年に1度開催される世界最高峰の大会であり、今回が日本初開催。そして東京大会以降、日本でパラリンピック競技の世界選手権が行われるのも初めてだ。「決して狙ったわけではないが、このタイミングで開催すること自体がパラリンピック後の発信のいい機会」と日本パラバドミントン連盟の平野一美理事長は説明する。

11月1日から、東京2020パラリンピック会場と同じ国立代々木競技場第一体育館で始まる今大会には、世界の47ヵ国、232選手が参加予定(9月20日時点)。新型コロナウイルス感染症の影響で強豪・中国の参加は未定だが、東京パラリンピック後、最もハイレベルな熱い戦いが見られることは間違いない。

今年の世界ツアーでシングルス負けなしの梶原大暉 【photo by X-1】

主催者である日本パラバドミントン連盟の平野理事長は「今年開催されている12の世界大会で一番グレードが高く、パリ大会に向けて重要な大会。ぜひ選手たちのプレーを間近で見て」とアピールした。

なお、今大会で獲得するポイントは、パリ2024パラリンピックに向けたレースには含まれないが、ポイントを獲得してランキングを上げておけば、レースがスタートしたときに、シード権などでその後のポイント獲得が有利になるという。

東京大会のレガシーになる

東京2020パラリンピックで2個の金メダルを獲得した“パラバドミントンの広告塔”里見紗李奈 【photo by X-1】

会見では世界バドミントン連盟のポール・エリック・ホイヤー会長から寄せられたビデオメッセージも上映された。
「とくに今年は新型コロナウイルス感染症による混乱後、再び開催できる意義深い年。注目度の高いインベントにパラバドミントン界は興奮していることと思う。東京は、パラリンピックでパラバドミントンが初めて正式種目として採用された特別な地です。その会場に再び集結し、東京パラリンピックのレガシーを引き継ぎ、パリ2024パラリンピックへ向けての旅が始まります」と語り、世界から多くの選手が集まり、大会が成功することに期待を寄せた。

また、2017年からスロープをつけるなど改修した体育館を日本パラバドミントン連盟に提供している、ヒューリックの前田隆也代表取締役社長、ヒューリックとともに今大会に協賛するダイハツ工業の武田裕介取締役営業CS本部長、大会のオフィシャルサプライヤーとして用具提供などを行うヨネックスの米山修一常務取締役も登壇した。

また、選手代表として今大会に出場する3選手があいさつした。

世界選手権への強い思いを語った藤原大輔 【photo by X-1】

▼東京2020パラリンピック 女子シングルス・女子ダブルス金メダル 里見紗李奈(WH1)
「東京大会と同じ会場、有観客で行われることを嬉しく思っています。子どもたちが応援に来てくれると聞いています。子どもたちはもちろん、応援に来てくださる人たちの心を少しでも動かすようなプレーができるよう、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。私個人としては、シングルスダブルスどちらも金メダルを獲得できるように頑張ります」

▼東京2020パラリンピック 男子シングルス金メダル、男子ダブルス銅メダル 梶原大暉(WH2)
「個人的には、前回の世界選手権で悔しい結果に終わったので、シングルスダブルスともに優勝できるよう、全力でプレーをしたいと思っています。日本チーム全体としては、見ていただく方に勇気や希望を与えられるようなプレーをしたいと思います。応援よろしくお願いします」

▼東京2020パラリンピック 男子シングルス4位、混合ダブルス銅メダル 藤原大輔(SL3)
「昨年の東京パラリンピックでメダルを獲得できたのは嬉しいことでしたが、やはり表彰台に立っても自分の国の国歌が流れないことが悔しくて、そのときのことをよく覚えています。バドミントンで国歌が流れるのは、パラリンピックと世界選手権だけです。ここ最近、自分のクラスではインドの国歌ばかり聞いているので、今年こそ日本の表彰台の一番上に立って日本の国歌を流したいなと思っています。
今年は久しぶりの有観客ということで、東京パラリンピックで観に来たいと思っても来られなかった人たちに、いいプレーを見せられるように頑張りたいと思います」

メダルラッシュの可能性も

パラバドミントン日本代表の草井篤監督は「東京パラリンピックで金メダルを獲得した梶原、里見、山崎の3人を軸に、それ以外の選手もメダルを獲れる可能性は十分にある。(世界では)新しい選手も複数エントリーしているが、まだまだ日本代表の方が優位で勝てる要素が大きいと思う」と自信をのぞかせた。

肩を痛めないようにクリアの打ち方を変えているという山崎悠麻。東京大会から1年が経ち「パラバドミントンの知名度が上がったと思う」 【photo by X-1】

また、終了後の取材に応じた東京2020パラリンピック・女子ダブルスで金メダル、女子シングルス銅メダルの山崎悠麻(WH2)は「パラリンピックのダブルスでも(2人の)ローテーションを見せたが、今回は攻撃的なローテーションを使えるところまで持っていけたらいいなと思います。また、シングルスのWH2クラスも新しい選手が入り、雰囲気が変わった。金メダルを獲れるように頑張りたいです」と笑顔で話した。

上記4選手を含めた日本代表選手は公開練習で汗を流した。

中村海斗(SL4) 【photo by X-1】

藤野遼(SL4) 【photo by X-1】

今井大湧(SU5) 【photo by X-1】

豊田まみ子(SU5) 【photo by X-1】

⻲山楓(SU5) 【photo by X-1】

畠山洋平(SH6) 【photo by X-1】

その他、杉野明子(SU5)、⻑島理(WH1)、 ⻄村啓汰(WH1)、村山浩(WH2)、松本卓⺒(WH2)、伊藤則子(SL3)も出場権を獲得している。

<大会概要>

■⼤会名称:
ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選⼿権2022


■スケジュール: 11⽉1⽇(⽕)〜4⽇(金):予選リーグ
11⽉5⽇(土):決勝トーナメント
11⽉6⽇(⽇):決勝・表彰式
※⼊場・観戦無料

■会場:
国⽴代々⽊競技場第⼀体育館

ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022 開催記者会見 【photo by X-1】

text by Asuka Senaga
photo by X-1


※本記事はパラサポWEBに2022年9月に掲載されたものです。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)が運営するパラスポーツの総合サイトです。パラスポーツの最新ニュースやコラム、競技・選手の紹介、大会・イベントの日程を広く、深く、お届けします。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント