劇的変化 種子田香夏ー最善の準備で2位

チーム・協会

【<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>】

日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 城陽カントリー倶楽部(京都府)第1日

 心技体ーすべてが整った。種子田香夏が自己ベストを更新する66の好スタート。公式競技で、しかもノーボギーのラウンドである。まさに、ゲキ変。「3年連続、ステップ・アップ・ツアーでこのコースをプレーしている。わかっているから、フェアウェイキープ、パーオンをしっかりしていこう。目標はシンプルに。丁寧なプレーを心がけた」と話した。

 スタートからフルショット。笑顔がのぞく。迷いなし。残り130ヤードの第3打を9Iで1メートルへ。バーディー発進を決め、勢いに乗った。ホールを消化するたびに、調子があがる。前半、最大の見どころが8番の第2打だろう。

 「残り82ヤード。でも、とても距離が短く映った。いつも、58度の飛距離は75ヤードがMax。でも、私を信じて…」と決断する。打球は、あわやイーグルのシーン。ピン30センチへ迫り、楽々とバーディー奪取に成功する。「3番で1.5メートルのバーディーチャンスをはずした。そのミスの直後、2メートル以内のチャンスは絶対にものにする、と気合を入れ直したことが良かったかもしれない」とも。後半、3バーディーを追加。いずれも2メートル以内のチャンスを確実にカップインさせた。

15年7月、最終プロテストで合格。今大会の出場は4回目だ。ここ数年は、ステップ中心のツアー生活。「最初は、パッティングがあやしくなって、その後は1Wが荒れてきて…」と負の連鎖に悩まされた。

 どれほど練習、工夫を重ねてもどうにもならない。そんな今オフ、ハッと思いついたことがある。シャフトの変更。「プロテスト合格前からのシャフトがお気に入り。原点へ戻る意味もあった。よしっ」と、さっそく行動へ移す。スタジオでデータをとると、シャフトが硬すぎることが判明。Sの仕様でも、Xの硬度があることが振動測定でわかったそうだ。

 ただし、一筋縄ではいかない。8月最終週のステップでは予選落ちを喫したが、「今回はスイングのイメージを大きく変えた。体の回転を横から縦へ。予選会を勝ち抜いたせっかくのチャンスである。最善の準備で勝負へ挑んだ。

 「今回、高校時代の同級生がキャディーをしてくれている。おかげで気負いがない。これまでも、トップ10へ入った17年のスタジオアリスなど、相性がいいです」とリラックスムードだったことも好調を後押し。「うまくいかないことが多かったけど、私は幸いなことにステップへ出ることができた」と、しみじみ漏らした。

 季節は秋へ。今回は自身、9月最初の試合で手応えを得た。それにしても、シャフトでこれほど変化するのだろうか。用具選びも、選手の命だった。
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