“さあ、キョウソウだ。” 「INNOVATION LEAGUE 2022」プログラム説明会開催!

SPORTS TECH TOKYO
チーム・協会

【SPORTS TECH TOKYO】

スポーツ庁とSPORTS TECH TOKYOが共催する、スポーツオープンイノベーションプラットフォーム構築の推進を目的としたプログラム「INNOVATION LEAGUE」。3年目の開催となる「INNOVATION LEAGUE 2022」が8月4日にローンチした。

この記事では8月24日にオンラインで実施したプログラム説明会の様子をお伝えする。

今年度開催にあたり、「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」では、コラボレーションパートナー(実証連携団体)として全日本柔道連盟と日本アイスホッケー連盟を迎え、また「INNOVATION LEAGUE コンテスト」では、表彰区分や応募ルールなどのアップデートを行うという。

3年目となり、ますます進化する「INNOVATION LEAGUE 2022」。今年度開催のポイントを押さえていただき、ぜひ応募をご検討いただきたい。

室伏長官 「スポーツの力で、前向きで活力ある社会を」

説明会冒頭、スポーツ庁 室伏広治長官が登場、「INNOVATION LEAGUE 2022」の開催宣言と、プログラムにかける熱い気持ちを語った。

スポーツ庁室伏広治長官 【SPORTS TECH TOKYO】

「スポーツ産業は大きく成長する分野。情熱や意欲のある方々に前向きにチャレンジしていただきたい」と呼びかけ、このプログラムを「競技や産業を超え、将来に向けた幅広いネットワークを構築する機会として最大限活用していただきたい」と説明。

また、新型コロナウィルス感染症の感染再拡大により依然としてスポーツイベントへの影響が懸念されていることにも触れ、「大変な状況ではあるものの、スポーツ産業の新たな価値創出に向けた好機として捉えていきたい」と前向きな決意を語った。

スポーツと関わるきっかけになり、スポーツ産業を拡張させていく

続くINNOVATION LEAGUE プログラム・マネージャー挨拶では、スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)付参事官補佐の坂本弘美氏と、SPORTS TECH TOKYOプログラムオーナーの中嶋文彦氏が登場。

坂本氏からは、スポーツ庁が取り組むスポーツオープンイノベーション推進事業の狙いや目指す姿についての説明があり、「このプログラムをぜひスポーツに関わるきっかけにしていただきたい」と挨拶を締め括った。

中嶋氏からは、「INNOVATION LEAGUE 2022」の全体像とこれまでの実績紹介があり、具体的活動を紹介しながら「INNOVATION LEAGUE への参加はスポーツの拡張、スポーツビジネスの拡張に寄与します」と、プログラムへの参加を呼びかけた。

スポーツ庁 坂本弘美氏(写真右)とSPORTS TECH TOKYO 中嶋文彦氏(写真中央) 【SPORTS TECH TOKYO】

「全日本柔道連盟」「日本アイスホッケー連盟」との事業共創を目指す「INNOVATION LEAGUEアクセラレーション」

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」の内容については、運営責任者の大曽根一平氏が説明を行った。アクセラレーションは、コラボレーションパートナーの競技団体と事業共創を行うもので、本年度は全日本柔道連盟と日本アイスホッケー連盟がプログラムに参画する。

競技団体が設定したテーマに対し共創アイデアの募集を行い、選考を経て選ばれた採択事業者が競技団体の持つアセットを活用しながら事業共創を実行する。その際、さまざまな専門性を持つメンターや、採択事業者と一緒に併走するインキュベーターの手厚い支援を受けられることもこのプログラムの特長だ。採択事業者が決定する10月から約半年間の共創期間を経て、来年3月のデモデイにてプログラム成果を最終発表する。

アクセラレーションを担当する大曽根一平氏 【SPORTS TECH TOKYO】

来月3月のデモデイに向け事業共創を行う 【SPORTS TECH TOKYO】

各競技団体が設定するテーマについては、まず全日本柔道連盟から常務理事・事務局長の高山健氏(※「高」の字は正しくは「はしごだか」)、チーフストラテジーオフィサー・ブランディング戦略推進特別委員長の井上康生氏の両名が説明を行った。

全日本柔道連盟 高山健氏 【SPORTS TECH TOKYO】

全日本柔道連盟 井上康生氏 【SPORTS TECH TOKYO】

全日本柔道連盟の共創テーマは「柔道をもっと身近に」だ。柔道との接点が減りつつあり、連盟への登録者数も減少傾向にある中で、柔道の奥深さ、多様な魅力を伝えることや、裾野を広げるための仕組みづくりにつながるアイデアを募集する。また合わせて、心身のコンディションを向上させられるテクノロジーについても募集する。

また実証機会としては、12月に行われるグランドスラム東京を予定しているとのこと。多くの人の注目が集まるビッグイベントを活用した実証は、他では得られない貴重なチャンスとなるのではないだろうか。
日本アイスホッケー連盟からは、理事の大西功氏と、強化本部トップリーグ委員長の北川太郎氏が登場し説明を行った。

日本アイスホッケー連盟 大西功氏 【SPORTS TECH TOKYO】

日本アイスホッケー連盟 北川太郎氏 【SPORTS TECH TOKYO】

共創のテーマは「アイスホッケー、及び会場(スケートリンク)の魅力・特徴を解釈し、新規ファン獲得・既存ファンコミュニティの拡張に寄与するコトづくり」だ。アイスホッケーの魅力のひとつでもある競技のダイナミックさをわかりやすく伝えるテクノロジーをはじめ、競技への興味喚起を行う接点開発、会場以外での体験作りに関するアイデアなどを求めている。

海外では高い人気を持つアイスホッケーだが、日本では観戦機会が限られていることもあり新規ファンの獲得が課題だ。今、日本アイスホッケー連盟は、リーグ、チーム、所属選手、レフェリーに至るまで関係者一丸となって日本のアイスホッケー界を変えていこうとしている。説明からチャレンジにかける本気度が伝わってきた。

説明会では課題認識や今回の共創にかける期待がより詳細に語られている。ぜひアーカイブ動画(ページ下部の関連リンク欄ご参照)をご覧いただき、共創アイデアのヒントを探り当てていただきたい。

「INNOVATION LEAGUE コンテスト」は、表彰カテゴリーなどをアップデート

「INNOVATION LEAGUE 2022」のもう一つのプログラム「INNOVATION LEAGUE コンテスト」については、運営責任者の薬師寺肇氏から説明が行われた。「スポーツから生まれる可能性をたたえる」を目標に掲げ、2年前に創設された「INNOVATION LEAGUEコンテスト」。スポーツとスポーツビジネスに関する新しい事例や優れた事例をたたえ、広く世の中に伝えることで、次のチャレンジを誘発する。そうした好循環の仕組みを作り出すことがコンテストのビジョンだ。

コンテストを担当する薬師寺肇氏 【SPORTS TECH TOKYO】

3年目の開催となる今年度は大きく3つのアップデートがあるという。それぞれの主なポイントは以下の通り。

1.アクティベーション賞が廃止され、ビジネス・グロース賞を新設
これまで表彰カテゴリーは「イノベーションリーグ大賞」「ソーシャル・インパクト賞」「アクティベーション賞」「パイオニア賞」の4つからなっていた。このうち「アクティベーション賞」が廃止され、より多様なビジネス成果が評価対象になる「ビジネス・グロース賞」が新設された。

2.応募者が表彰区分を選択して応募する方式に
今年度から応募の際に、応募者が表彰区分を選択して応募する方式に変更になる。その後の審査も、これまでの全ての応募を一括して行う方式から、表彰区分ごとに行う方式へと変更になる。これにより、それぞれの表彰区分の趣旨や評価基準をよりはっきりと審査に反映することが狙いだという。

3.「イノベーションリーグ大賞」は"Best of Best"方式での選出に
全体の大賞の位置づけのイノベーションリーグ大賞の選出方法も変更があった。昨年度までは他の賞と合わせて直接選出されていたが、今年度からはまず「イノベーションリーグ大賞」以外の3賞(「ビジネス・グロース賞」「ソーシャル・インパクト賞」「パイオニア賞」)が選出され、それらの中から「イノベーションリーグ大賞」を選出する"Best of Best"方式へと変更になる。

コンテストの新表彰区分 【SPORTS TECH TOKYO】

毎年多数の応募が寄せられるコンテストも、スポーツ産業を取り巻く状況や社会の動向に合わせて進化している。ぜひコンテストが目指すさまざまな「スポーツから生まれる可能性」をご応募いただきたい。

INNOVATION LEAGUE アムルナイも登場!

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」と「INNOVATION LEAGUEコンテスト」の説明の後は、プログラム過去参加者の生の声を聞く座談会が行われた。

まず過去に参加した競技団体として、一般社団法人ジャパンサイクルリーグ発起人・代表取締役 犬伏真広氏と、公益財団法人日本バレーボール協会広報部部長の垣谷直宏氏が登場した。

ジャパンサイクルリーグ 犬伏真広氏(写真中央)と日本バレーボール協会 垣谷直宏氏(写真右) 【SPORTS TECH TOKYO】

ジャパンサイクルリーグは2021年度に、日本バレーボール協会は2020年度にそれぞれコラボレーションパートナーとして「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」に参画している。

座談会では本音トークも溢れるなか、競技団体が共通して持つ課題や期待などがうかがえた。このあたりはぜひアーカイブ動画(ページ下部の関連リンク欄ご参照)で"生の声"をお聞きいただきたい。特に「INNOVATION LEAGUEアクセラレーション」への応募を検討している方には、共創アイデアを検討する上で役に立つはずだ。
また過去採択企業のセッションでは、株式会社グレースイメージング新規事業部長の池田一昭氏と、パナソニックホールディングス株式会社事業開発室ビジネスストラテジスト/ブランディングデザイナーの木村文香氏が登場した。

グレースイメージング 池田一昭氏(写真中央)とパナソニックホールディングス 木村文香氏(写真右) 【SPORTS TECH TOKYO】

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」に参加して実際はどうだったのかなど、プログラムから得られた機会や価値について話があった。こちらも"生の声"を聞くことで、採択後のプログラムイメージが湧いてくるはずだ。ぜひアーカイブ動画をご覧いただきたい。
3年目の開催となった「INNOVATION LEAGUE 2022」。アクセラレーションへの応募は9月30日まで、コンテストへの応募は12月5日までとなっている。募集要項など詳細は公式ウェブサイトをご確認いただきたい。

今年度もこのプログラムを通じ、スポーツ産業を拡張する新たな可能性が生まれてくることを大いに期待したい。
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著者プロフィール

スポーツテックをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラム。2019年に実施した第1回には世界33カ国からスタートアップ約300社が応募。スタートアップ以外にも国内企業、スポーツチーム・競技団体、スポーツビジネス関連組織、メディアなど約200の個人・団体が参画している。事業開発のためのオープンイノベーション・プラットフォームでもある。現在、スポーツ庁と共同で「INNOVATION LEAGUE」も開催している。

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