【JOCインテグリティ教育】令和4年度第1回基礎研修プログラムを開催(ゲスト:小平奈緒選手)
【令和4年度第1回基礎研修プログラムを開催】
本プログラムは、オリンピック強化指定選手としての資質、インテグリティ(誠実さ、真摯さ、高潔さ)を高め、自らの価値、オリンピックの価値を守る知識と手段、正しい倫理観や道徳心を有するアスリートを育成し、アスリート自らがあるべき姿に気付き、なりたい姿を描き、必要なスキルを求め習得し、自ら行動変容を起こすことを目的に実施します。第1回目のプログラムには、今年度から初めて強化指定選手に選ばれた108名が参加しました。
■尾縣貢JOC選手強化本部長からメッセージ
続いて、オープニングセッションとして本研修の司会を担当する上田大介JOC選手強化本部インテグリティ教育ディレクターが、研修の目的やインテグリティの意味、日本代表選手団の編成方針など解説。「人間力を向上して社会から信頼されるためには、既に社会から信頼を得ているアスリートの言動から学び、そこからヒントを得て行動に移していくことで達成できると思います」と呼びかけました。
【尾縣貢JOC選手強化本部長からビデオメッセージ】
■小平奈緒選手「『なりたい自分』を明確に」
【小平奈緒選手の好きな「りんご」と「トマト」にちなんだ赤色を掲げて集合写真を撮影しました】
最後に、クロージングセッションと題し、上田JOCディレクターが社会からの信頼を確保するための行動として、アンチドーピングへの意識向上や、成人年齢の引き下げに伴う注意点を説明。さらに、リスクマネジメントの徹底として「自分の判断基準を持つ」ことの重要さを述べた上で「いつか皆さんがその競技に憧れたように、また皆さんを通じてその競技に憧れを持つ人を生み出していかなければなりません。それがトップアスリートに求められる一つの大きな使命です。その行動は夢を与えられる行動かをしっかりと考えながら判断していただきたいと思います」とアドバイスを送りました。
■研修を終えた感想
■小平奈緒選手(スケート・スピードスケート)
「参加者の顔ぶれがすごくフレッシュで、コロナ禍の厳しい状況も乗り越えながら、みんなに頑張ってほしいなと心から思いました。本日の研修では人間力の話もあって周りに気を遣いすぎたり、かしこまった言葉や取り繕った言葉にならなくてはと思うかもしれませんが、私はその上で、自分の心に正直に生きてほしいと思います。私も含めて人間は本当に完璧ではなくて、なにか問題が起きた時も、相手の気持ちを想像してみたり、まずは自分を振り返って考え抜くことで、自分の人間としての深みだったり、視点の幅みたいなものが広がり、結果的に自分がどういう人間なのか知る機会にもなって、人間が育つと思います。自分の心に正直に生きた方が人生が豊かになるので、その素直さというか自分らしさを大事にしながら、これからの数々の舞台をありのままで経験していって、良い選手になっていってほしいと思います」
【小平奈緒選手】
「今までもオリンピックを目指していたのですが、どこか漠然とした気持ちの部分もあり、それが今回のような場を設けていただくことで、本当に目指すためにどんなことをやっていかないといけないのか、より具体的に考えていく気持ちになりました。小平選手の話を聞くなかでは、しっかり自分の心の声をキャッチして、自分自身を前向きに持っていくことが上を目指すために大事だと感じました。また、SNSの使い方も恐さや難しさもありますが、使い方一つで自分自身を成長させてくれる機会にもなる考えが素敵でした。私はサッカーの価値を高めて、広めていける選手になりたいと思っていたので、今回の話を伺っても、その方向性で良いと思いました」
【田中桃子選手】
「同じ種目で活躍する小平選手の意見や考えを聞くことができて、これからのトレーニングのモチベーションになったと思います。特に『他人じゃなくて自分がどうなりたいか』、『もし辛いことがあったとしてもこれなら自分はできるんじゃないか』といった何事も前向きに考えて自分がやるべきことに意識を持っていく小平選手の姿勢や言葉が、今後自分が辛いと思った時に活きてくるように感じました。この先は結果だけではなく、内面や日々の姿勢も評価してもらえる選手になりたいと思いました。個人競技といっても一人だけでやれる競技ではないので、サポートや支援してくださる方に、結果も含めて色んなことを返していきたいです」
【高橋侑花選手】
「今回の研修を受けて、オリンピックという舞台に対する覚悟や心の変化がありましたが、特に小平選手の生の言葉は響きました。研修の中で『人間力なくして競技力向上なし』という言葉があり、そこを目指そうと思った矢先、小平選手からは「型にはまりすぎず自分の心や在り方を明確にしたほうが良い」といった話があり、全員が同じ人間力を目指すのでなく、自分の答えを持つ姿にアスリートの素晴らしさを感じました。オリンピックの舞台に行けば、いろいろな人間力を持った素晴らしい選手たちが集まっていて、自分が目指したいものがより見えてくると感じるので、まずはその刺激的な場に行けるように頑張っていきたいと思っています」
【寺嶋良選手】
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