【陸ジョブナビVol.7】ウエア制作〜選手の声を商品に生かす!選手のパフォーマンスを支える制作の裏側をご紹介!〜

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【JAAF】

陸上競技の大会は、たくさんの「縁の下の力持ち」によって支えられています。今回は選手のみなさんのウエアを企画・デザインされる新坂上朝也さん、藤田恭子さんにお話をうかがいました。レースやトレーニングで良いパフォーマンスを発揮する上でウエアとしての機能はもちろん、モチベーションが上がるようなかっこいいウエア制作について教えていただきました。

>>新坂上朝也さん、藤田恭子さんが制作に携わったウエアで日本代表が活躍する!
  『オレゴン2022世界陸上競技選手権大会』が7月15日(金)〜24日(日)開催!
  大会ページ:https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1656/



▲6月13日(月)オレゴン世界選手権日本選手団のために開発したオフィシャルウエアを発表。同日、会見に出席した日本代表選手が新ユニフォームを着用して登壇しました。

▼オフィシャルウエアに関する詳細はこちら
https://corp.asics.com/jp/press/article/2022-06-13

ウエア企画の仕事に就いたきっかけ

スポーツ好きで水泳をしていたという新坂上朝也さんは、アシックスに入社して12年目。元々はインダストリアルデザイナーやグラフィックデザイナーとして他のデザイン業界で働いていたそうですが、「人が身につけるもの、人に寄り添えるものを作りたい」ということがきっかけでスポーツウエアデザインの道へ。スポーツ、種目によって、求められるものも違ってきます。もちろん、陸上のウエアをデザインする時には、競技の特性も考慮しているそうです。

中学、高校、大学とバスケットボール、大学ではトレーナーの経験もしている藤田恭子さんは、スポーツに携わる仕事を希望し、アシックスに入社。現在はコアパフォーマンスポーツ企画部に所属しています。「陸上競技のアパレルの企画をメインに担当しています。例えば1〜2年後の商品のラインナップを考えて、はやりそうな色、デザインを取り入れていくということが主な仕事です」時には「チームメンバーと一緒に、お店で今のトレンド、何が売れているのかを見て回ることもあるんです」。何が人気になるか正解がわからないからこそ、「探求していくおもしろさがある」のだそうです。

制作は発売の1〜2年前からスタート!

発売までの制作スケジュールですが、前述のように、店頭に並ぶ1〜2年前には動き始めるそうです。藤田さんがその過程を説明してくれました。「デザインはもちろん、選手が着用するウエアなので、まずは機能面が重要。ですから、選手からのフィードバックを大切にしていますね。選手が実際に着て、良かった点や改善点などをヒアリングし、その中から取捨選択しながら改善していくんです。機能も含めてデザイン、開発、パターンの担当メンバーとディスカッションしながら進めていきます」

例えばマラソンなら、ちょっと暑い時からすごく寒い時まであるように、シーズンによっても機能や求められるものも変わってきます。現場に行き、生の声を直接聞くことの大切さが伝わってきます。ずっと現場に行っているわけではなく、時期によって1日のスケジュールは変わってきます。

「 デザインを描いて、サンプルが上がってきたら、企画の部署、開発、パタンナー(設計図を書く担当)などが集まって会議をします。実際にサンプルを社内外のモデルさんに着てもらったり、自分で着たりして着心地もチェックして、丹念に丁寧に進めていきます」と新坂上さん。新商品が出る前にサンプルを一番最初に着ることができるのも、やりがいになっているとか(笑)。

「少しでも選手、ランナーの方の気持ちを知りたい」ということもあって、新坂上さん自身も数年前からランニングを始めました。「何がいいのか、何が他社と比べて違うのか、走って試しています。何キロ走るか、どれくらいのスピードで走るかなどによっても求められる機能が変わってくるので、実際に走って試しています」

また、藤田さんには1つのウエアができるまでに、どれだけの人が関わっているのかを教えてもらいました。
「ウエア制作にメインで関わるのは企画、開発、デザイン、パターンの4部門なので、担当者4〜5人です。でも、そこから生地選定・決定、工場での製作などの過程を含めると、関わる人数は数十人になります。また、世界選手権のようなビッグイベントの時は社を挙げて取り組むため、社内に話を振って、みんなに〝自分ごと〟にしてもらい、ちょっとでも関わってもらおうと思っています」。


【▲試走会の様子】

ウエア制作で大切にしていることは「選手の声を聞く」

達成感を得られる瞬間は「課題を改善できた時」だと言う新坂上さんですが、そのために大切なことがあるそうです。
「いろいろな選手からフィードバックをいただけるのはありがたいです。アスリートからのフィードバックでは、うれしい言葉から時には厳しいお言葉もいただきながら、部署のみんなで共有して、日々改善しています」 藤田さんも、大切にしていることは「とにかく選手の意見を聞くことです」と言います。2人とも選手からのフィードバックに、真摯に向き合うアスリートファーストな姿勢が素晴らしいですね。

最後に、ウエアの可能性や未来について聞きました。
「シューズはパフォーマンスに直接的に影響しますが、アパレルはパフォーマンスと感性に訴えかけます。例えば大会に向けて気分を盛り上げるウエアを作っていきたいです。オンとオフを切り替えるための演出ができるので、そこに可能性があると感じています。追求していくものは、多様性と時代に合ったもの、そしてフィット感。スポーツ工学研究所と連動しながら、快適なモノづくりをしていきたいですね。肌あたり、着圧の研究もしていますし、軽さ、涼しさ、着心地、かなりこだわって作っているので」(新坂上さん)

同じ思いを持っている藤田さんは、加えて「みんながザワザワする、ワクワクするようなものを作りたいですね」と話してくれました。サポートしている選手が良い結果を出した時はもちろん、「選手を見た子供たちから『あのウエアかっこいいよね』と言ってもらえたらうれしさも倍増です」。将来どんなウエアが登場するのか、これから楽しみです!

選手のパフォーマンスを機能面で支え、モチベーションを高めていく上で大切なウエア。制作に携わるみなさんも日々、現状打破しているんですね!!

>>インタビューVol.7(PDF版)はこちら
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202206/22_002921.pdf

■藤田恭子さん
株式会社アシックス APEQ統括部プロダクトマネジメント部CPSチーム所属。1990年、千葉県生まれ。
立命館大学卒。大学では生命科学部で細胞レベルでのヒトの体の仕組みを学びながら、バスケットボール部のトレーナーとしても活動した。入社後、アパレル開発部でスポーツアパレル(主にサッカーやバスケ)のウエア開発を担当。その後現職へ移り、サッカー、バスケ、バレーボール、陸上などの競技ウエア、トレーニング、スポーツスタイルといったアパレルの企画業務を担当している。


■新坂上朝也さん
株式会社アシックス APEQ統括部デザイン部コアパフォーマンススポーツデザインチーム所属。1982年、大阪府生まれ。
神戸芸術工科大学卒。中学3年までは水泳に打ち込む。高校でファッションやデザインなどに興味を持ち、大学ではプロダクトデザインを専攻。車などのインダストリアルデザインを学んだ。2011年に中途入社し、1年後に新設されたアパレルデザインチームへ配属。バレーボール日本代表や実業団チームのウエアを始め、陸上、トレーニング、スポーツスタイルなどさまざまなカテゴリーのウエアデザインを担当している


■M高史(えむたかし)さん
1984年生まれ。中学、高校と陸上部で長距離。駒澤大学では1年の冬にマネージャーに転向し、3、4年次は主務を務める。
大学卒業後、福祉のお仕事(知的障がい者施設の生活支援員)を経て、2011年12月より「ものまねアスリート芸人」に転身。
川内優輝選手のモノマネで話題となり、マラソン大会のゲストランナーやMC、部活訪問など全国各地で現状打破している。
海外メディア出演、メディア競技会の実況、執筆活動、ラジオ配信、講演など、活動は多岐にわたる。

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