リーグワン初代最多トライゲッター 山下楽平、日本代表入りに向けてアピールする!

チーム・協会

【コベルコ神戸スティーラーズ】

第16節vsシャイニングアークス浦安東京ベイ(SA浦安)戦までの山下のトライ数は「7」。
前日に行われた最終戦でランキング1位の埼玉ワイルドナイツのディラン・ライリーが1トライをマークし、11トライがリーグ最多。
SA浦安戦の試合前、山下は、ロッカールームで8トライを挙げているモエアキオラに「アタ(モエアキオラ選手)は3トライ、僕は4トライしたら、トライ王やな」と冗談ぽく話していたという。それがまさか現実になるとは。開始11分、ラインアウトからの攻撃でスミスが蹴った裏へのキックをインゴールで押さえて、まずは1トライ。
「前早い段階で1つ目のトライを決めることができたので、グラウンドでアタに、『(モエアキオラのトライ数に)並んだわ』と声をかけたんですよ」
そこから、25分、34分と前半だけで3トライ。後半にも、1トライを挙げ、小学生の時以来だという1試合4トライをマークし、一気にライリーの11トライに並び、自身2度目のトライ王に輝いた。
「トライというのは目に見えるものですし、数字として結果を残すことができて、素直に嬉しいですね」と笑顔を見せる。
個人的には、今シーズン、第4節と第15節のホストゲームで、親子を紹介する「楽平シート」を実施。
「ラグビーや普及活動を通じて、子供たちが夢に向かっていく姿に無限の可能性を感じて、彼らを応援したいという気持ちになりました。それで、この企画を思いついたんですが、スタジアムに来てくれた子供たちの笑顔を見て、エネルギーを感じましたし、僕にも良い影響がありましたね」と刺激を受けたと話す。
チームは、リーグワン初代チャンピオンを目指していたが、7勝9敗7位という成績に終わった。
「なかなかやろうとしているラグビーがグラウンドで表現できなかったシーズンですね」と振り返る。自身もチームが機能するように考え過ぎてしまい「枠からはみ出ないようにプレーしていて、持ち味を出し切れていない」と苦悩した時期もあったという。
しかし、終盤戦の戦いでは、徐々に神戸らしい攻撃が見られるようになり、「ポジティブな面も見えたので、来シーズンは巻き返しを図ります」ときっぱり。
最多トライゲッターの受賞に続いて、5月9日にはビッグニュースが飛び込んできた。今年1月に30歳を迎え節目の年に初めて日本代表候補に選出された。
「今シーズンのプレーを評価してもらったことはありがたいですね」と表情を緩めるも、周囲の盛り上がりをよそに、「まだ何も掴んでいないので」と冷静だ。
来年は、「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」が開催される。
「2019年の日本代表の活躍を見て、刺激を受けました。あの舞台に立ちたいという思いはありますので、合宿からどんどんアピールしていきたい!」
ワールドカップは「縁がないのかな」と思っていたという山下が、夢舞台に向けて一歩を踏み出した。

文・山本暁子(チームライター)


「いろんな選手の良いところをミックスして自分のプレースタイルを確立してきました」と話す山下。持ち味のステップワークを駆使してゲインを切り、ゴールラインまでボールを持ち込む。日本代表の試合でもそんな姿が見られるはずだ。 【コベルコ神戸スティーラーズ】

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著者プロフィール

兵庫県神戸市をホストエリアとして、日本最高峰リーグ「NTTジャパンラグビー リーグワン」に参戦しているラグビーチーム「コベルコ神戸スティーラーズ」。チームビジョンは『SMILE TOGETHER 笑顔あふれる未来をともに』、チームミッションは『クリエイティブラグビーで、心に炎を。』。 ホストエリア・神戸市とは2021年より事業連携協定を締結。地元に根差した活動で、神戸から日本そして世界へ、笑顔の輪を広げていくべく、スポーツ教室、学校訪問事業、医療従事者への支援など、地域活性化へ向けた様々な取り組みを実施。また、ピッチの上では、どんな逆境にも不屈の精神で挑み続け、強くしなやかで自由なクリエイティブラグビーでファンを魅了することを志し、スタジアムから神戸市全体へ波及する、大きな感動を創りだす。 1928年創部。全国社会人大会 優勝9回、日本選手権 優勝10回、トップリーグ 優勝2回を誇る日本ラグビー界を代表するチーム。

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