6年連続Jリーガーを輩出する元なでしこジャパンコーチの望月聡メソッドに迫る(後編)
【©びわこ成蹊スポーツ大学】
◆指導者になることを意識しはじめた時期は―
◆プロクラブ、なでしこジャパン、大学生など様々なカテゴリーを指導してきたが、意識していたことは―
自らも練習に加わり選手へ積極的に声掛けを行う 【©びわこ成蹊スポーツ大学】
◆2009年のびわこ成蹊スポーツ大学監督就任から変化したことは、また変わらないことは―
でも、やっぱり学べば学ぶほど思うことはシンプルが一番だという結論に至りました。練習では、実際のゲームと違うルールは極力避けて、大事なことを徹底してやれるメニューがいいですね。
◆大学生を指導する中で最も意識していることは―
◆選手の自主性を尊重する指導スタイルの原点は―
◆試合中、喜怒哀楽があまり見られないことが印象的だが、意識していることは―
私は試合中、ピッチに立つ選手や相手ベンチが何を言っているのかをいつも聞いています。「相手は上手いけど、選手たちがこれをしゃべっているから大丈夫だな」とか、「相手は文句ばっかり言っているから大丈夫だな」とかね(笑)逆に、「相手はいい声掛けをしているからこれは手強いな」なんて思うときもあります。
あとは、あえて我慢するときもあるんです。もちろん私も勝ちたいです。でも、たとえ負けたとしてもそこから学ぶことがある。「あの時ああすればよかったな」って選手が自分で気づくことが面白いんじゃないかなって思うんです。それでまた成長するんですよ。
◆ミスをした選手がいても見守っている印象があるが、考えてのことー
交代した選手を労う望月監督 【©びわこ成蹊スポーツ大学】
◆20年以上の指導歴の中で最も苦労したことは―
◆監督として考える理想のチームは―
選手やスタッフから『モチさん』と親しみを込めて呼ばれる望月監督。世界の舞台で活躍した経歴があれど、決しておごらず、「楽しみ」「笑い」を求める姿勢が常に溢れ出ているが、それはモチさんの『人間性』が根底にあるからである。大学時に、『自主性』や『主体性』を伸ばすことができれば、現代を生き抜くための大きな武器となる。そのために、選手(学生)と互いにリスペクトし合える関係を構築している。人々を魅了する、惹きつける人間性に惚れ込む選手が多いことをインタビューする中でも感じた。「サッカーが上手い下手関係なく、びわこ成蹊スポーツ大学サッカー部にきたらJリーグ、日本代表、そして世界に羽ばたく選手や学生が出るチームにすることが目標」と語る理想のチームを追い求めて、まだまだモチさんの『楽しむ姿』を追いかけたい。
●望月聡監督のプロフィール●
望月 聡(もちづき・さとる)1964年5月18日生まれ。滋賀県出身。守山高校3年時に全国高校サッカー選手権大会でベスト4進出。大阪商業大学へ進学し、全日本大学サッカー選手権大会3連覇を達成。大学卒業後は、日本サッカーリーグで活躍し、日本代表として国際Aマッチにも出場。1992年から1996年の現役引退までJリーグで活躍。
現役引退後は、Jクラブで指導経験を積み、2009年びわこ成蹊スポーツ大学サッカー部監督に就任。2011年FIFA女子ワールドカップでコーチとして日本代表の初優勝に貢献。
理想のチームを追い求めてチャレンジは続く 【©びわこ成蹊スポーツ大学】
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