スポーツ界及び他産業界の先駆者が集結!「INNOVATION LEAGUE 2021」ネットワーキングイベント開催!

SPORTS TECH TOKYO
チーム・協会

【INNOVATION LEAGUE】

 SPORTS TECH TOKYOがスポーツ庁と共同で実施している「INNOVATION LEAGUE 2021」は12月15日、CIC tokyoにてネットワーキングイベントを開催。トークセッションと参加者間のネットワーキングが行われた。

 イベントの冒頭にSPORTS TECH TOKYO大曽根一平氏から開会挨拶があった後、CIC Japanディレクターの名倉勝氏が登壇、「スポーツテックの可能性を感じていますし、この場所を起点にヘルスケアやフードテックも含めてイノベーションが起こることを期待しています」と激励のメッセージがあった。

イベントの冒頭、開会の挨拶をするSPORTS TECH TOKYO 大曽根一平氏 【INNOVATION LEAGUE】

 次にSPORTS TECH TOKYO プログラムオーナー 中嶋文彦氏、ならびにスポーツ庁参事官(民間スポーツ担当) 付 参事官補佐 坂本弘美氏が登壇し、『INNOVATION LEAGUE 2021』の全体説明とアップデート報告を行った。中嶋氏は「今日お越しいただいている皆さんとつながり、連携を深めてスポーツ産業の拡張を進めていきたい」と語り、坂本氏は「産官学がより一層、連携を強め、一緒にあるべき姿を考えていく。皆さんと共に失敗を恐れずに挑戦して、スポーツを成長産業に押し上げていきたい」と、INNOVATION LEAGUE 2021への意気込みが語られた。

 その後、スポーツ界のフロントランナーをお招きし、先進的事例や知見を発表するスペシャルトークセッションが実施された。

『スポーツテック×ビジネスローの課題と可能性』

 スペシャルトークセッション前編では『スポーツテック×ビジネスローの課題と可能性』をテーマに、西村あさひ法律事務所の稲垣弘則氏と、元ロサンゼルス・ドジャース職員であり現在はスポーツビジネスコンサルタントとして活動している佐藤弥生氏が登壇。

 ファンタジースポーツなど新たなスポーツコンテンツの盛り上がりに伴い、注目を集めるスポーツデータについて稲垣氏は「これまで日本におけるスポーツデータの活用はメディアが中心となっていましたが、一方でアメリカに目を移すとスポーツデータが巨額で取引をされており、昨今盛り上がりを見せているファンタジースポーツでは試合結果や得点などを予想する際にデータが必要になってきます。日本でも今後スポーツデータがより重要になっていきますが、権利は誰が保有していて・どのような商流で扱われるのか等、整備されていない部分が多く残されている」と、弁護士の視点からスポーツデータの重要性について語った。

元ロサンゼルス・ドジャース職員の佐藤弥生氏(写真左)と西村あさひ法律事務所の稲垣弘則氏(写真右) 【INNOVATION LEAGUE】

 また「スポーツ×NFT」について、ロサンゼルス・ドジャースにて強化・事業の経験を持つ佐藤氏は「この1~2年、アメリカのスポーツビジネスで話題になったのは、NBA Top Shot(トップショット)。競技によって向き不向きはあると思いますが、時代の潮流にもマッチした形でNFTを取り入れることに成功しており、NBAは先見の明があったと思います。MLBやアスリート個人もNFTの市場に参入を始めていますが、やや難解なテクノロジーや新しいサービスを世に広めようとする時、大勢の人に親しまれているスポーツをフックとして市場を作るアプローチはこれから増えていくのではないでしょうか」と、スタートアップ企業とスポーツの新たな接点を述べた。

『スポーツが持つ“価値”の多様化と可視化の潮流』

 続くスペシャルセッション後編では『スポーツが持つ“価値”の多様化と可視化の潮流』をテーマに、パシフィックリーグマーケティング株式会社 執行役員営業本部本部長 白坂智司氏とマンチェスターシティ パートナーシップ部門セールスマネージャー 西脇智洋氏が登壇。

 コロナ禍におけるスポンサーパートナーシップについて白坂氏は「試合が開催できずファンへ直接的な露出ができない期間において、球団はスポンサーの企業さんと一緒にどんなアクティベーションができるのか、繰り返しトライアンドエラーをさせていただきました。パ・リーグの6球団のコンテンツをそのままお渡しするだけに留まらず、企業さんが持つ課題やアセットと掛け合わせて価値を最大化することを考えています」と語り、チーム単体ではなくリーグとしてスポンサーセールス、アクティベーションができることの強みについて明かした。

パシフィックリーグマーケティング株式会社 白坂智司氏(写真左)とマンチェスターシティ 西脇智洋氏(写真右) 【INNOVATION LEAGUE】

 西脇氏は先日発表されたソニーグループ株式会社(以下、ソニー)とのオフィシャル・バーチャル・ファンエンゲージメント・パートナーシップ契約について「コロナ禍になって世界中にいるマンチェスター・シティのファンがエティハド・スタジアムへ実際に足を運ぶことが難しくなった時に、バーチャル上でどうにかしてスタジアム体験をファンへ提供できないかという発想から、ソニーさんとのパートナーシップにつながった。ソニーさんが掲げているブランドパーパスや経営指標に対して、我々が提供できるグローバルのコミュニティがどう貢献できるのかを丁寧にご説明、ご提案しながらディールを進めていった形です」と話し、グローバルディールを実現するために必要なアプローチやポイントを伝えた。

 参加者からもさまざまな質問が飛び交うなか、スペシャルトークセッションは終了。その後は参加者・登壇者・関係者によるネットワーキングへと移り、会場の至るところでフランクな交流が行われた。

ネットワーキングセッションの様子 【INNOVATION LEAGUE】

INNOVATION LEAGUE2021はいよいよ佳境へ

 INNOVATION LEAGUE2021では現在、アクセラレーションとコンテストの2つのプログラムを開催。アクセラレーションではコラボレーションパートナー(実証連携団体)として、日本フェンシング協会とジャパン・サイクル・リーグ(JCL)がプログラムに参画。2022年2月中旬に開催を予定しているデモデイに向け、プログラム採択企業との実証を進めている。一方のコンテストは12月10日に応募受付を締切った。応募が集まったスポーツやスポーツを活用した先進的取り組みの中から、審査を経て来年2月に受賞者が決定する。

 コロナ禍で変化を求められた2年間を経て、スポーツ界は来たる2022年どのような進化・深化を見せるのだろうか。INNOVATION LEAGUE2021から生まれるコラボレーションやアイデアが、どのようにスポーツシーンを変革していくのか今から楽しみである。
執筆協力:五勝出拳一
『アスリートと社会を紡ぐ』をミッションとしたNPO法人izm 代表理事。スポーツおよびアスリートの価値向上を目的に、コンテンツ・マーケティング支援および教育・キャリア支援の事業を展開している。2019年末に『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を出版。
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著者プロフィール

スポーツテックをテーマにした世界規模のアクセラレーション・プログラム。2019年に実施した第1回には世界33カ国からスタートアップ約300社が応募。スタートアップ以外にも国内企業、スポーツチーム・競技団体、スポーツビジネス関連組織、メディアなど約200の個人・団体が参画している。事業開発のためのオープンイノベーション・プラットフォームでもある。現在、スポーツ庁と共同で「INNOVATION LEAGUE」も開催している。

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